施工管理業務の効率をおこなうなら、クラウドの活用は必須となっています。
クラウドを活用して施工管理業務を効率化するならば、施工管理アプリの導入をおすすめです。
本記事では、クラウド施工管理システムの選び方とおすすめのシステムを9つ紹介します。
目次
そもそも施工管理クラウドとは？
施工管理クラウドとは、クラウドを使用した施工管理システムです。
クラウドとはインターネット上の仮想スペースにインストールされたシステムを使い、業務を効率化する仕組みをいいます。
クラウドを使えば、自社サーバーにソフトウェアをインストールし、保守運用する必要はありません。
クラウド運営者にて、ソフトウェアの管理が実施されるため、セキュリティソフトなども常に最新に保たれているためです。
また、クラウド上に自社ファイルを保存することで、外部からのアクセシビリティが上がる点も特徴となります。
外出先から、家から情報へアクセスできるようになるため、施工管理者が現場へ行かずとも遠隔で指示を出したり、情報を更新、共有できる点がメリットです。
施工管理クラウドの導入メリットや解決できる課題
施工管理クラウドの導入で建設業者が得られるメリット、解決できる課題をより詳しく説明します。
クラウドならではのメリット
施工管理クラウドのメリットは、導入期間の短さです。
一般的にオンプレミス型の施工管理ソフトを導入する場合は、事前の打ち合わせやカスタマイズ、サーバーの整備などで数ヶ月導入までに準備期間が必要となります。
しかし、クラウドであれば多少のカスタマイズをしたとしても、数週間で利用開始できるケースが多いです。
また、同時に初期費用が安価で済むこともクラウドの魅力です。
オンプレミス型はサーバーの設置やソフトウェアのライセンス、インフラ整備などに多額の費用がかかります。
しかし、施工管理クラウドであれば初期費用0〜10万円程度、月額費用数千円（1ユーザーあたり）から利用できる製品が多いです。
導入期間の短さやコストの低さでいえば、オンプレミス型よりも施工管理クラウドの方が優れています。
施工管理クラウドが解決する課題
建設業界では紙を使ったアナログな業務管理が多く、業務効率化を妨げていました。
日報や契約書面、図面や工程表を紙面で作成していると、施工管理者は現場と事務所を往復しなければなりません。
しかし、施工管理クラウドの導入により、現場管理がスマートフォンやタブレットからでもおこなえます。
日報の提出や工程表の修正なども場所を選ばず実施できるため、施工管理者の業務負荷の軽減と労働時間の短縮が期待できます。
オンプレミス型でも業務の効率化は可能ですが、クラウド型のように柔軟に場所を選ばないアクセスには適していません。
いつどこにいてもアクセスできる施工管理クラウドの導入により、施工管理者や現場管理に携わるスタッフの仕事を楽にできるでしょう。
クラウド対応可能な施工管理システムを選ぶポイント
クラウド施工管理システムは数多くあり「自社に合うアプリの選び方がわからない」と悩む方もいるでしょう。
ここでは最適なアプリを選ぶポイントを3つ紹介します。
解決したい課題に強みがあるか
各社が提供しているアプリには、アプリごとに強みがあります。
アプリの強みと「解決したい問題「効率化したい業務」が噛み合っているのかを確認しましょう。
例えば「協力業者とのコミュニケーションに課題を抱えている」場合を考えてみます。
コミュニケーションを効率的におこなうためには、チャット機能や掲示板機能が有効です。
しかし、導入したアプリにチャット機能や掲示板機能が搭載されていないと、課題を解決できません。
目的に沿わないアプリを選んでしまうと、課題を解決できないだけではなく時間と費用も無駄になってしまいます。
アプリを選ぶ際は、アプリの強みが解決したい課題にあっているのか確認しましょう。
どのくらい費用が掛かるのか
クラウド対応可能な施工管理システムを選ぶ際には、費用の比較検討も重要です。
アプリによりますが導入すると、主に下記の費用が掛かってきます。
特にシステム利用料は、資金繰りに関わる部分のため複数のアプリとの検討が大切です。
また使用したい機能が、オプション扱いになっていないかも確認しましょう。
オプション扱いになっている場合追加費用が掛かるため、思わぬ出費となります。
ITツールに苦手意識があっても使用できるか
優れた操作性は、導入したアプリが業務に定着させる上で重要です。
便利な機能が備わっていても、操作性が悪く現場の方が使用しなければ意味はありません。
また操作性の悪いアプリは、業務効率を悪化させることもあります。
操作性の良いアプリを選ぶ際には「ITツールに苦手意識がある社員でも問題なく使用できるか」という視点を持ちましょう。
セキュリティ体制は万全か
アプリには、現場情報や社内外のやりとりなど重要情報が集約されるため、セキュリティをしっかりとおこなっているアプリを選びましょう。
セキュリティ対策の甘いアプリを使用し、情報漏洩してまうと顧客からの信頼を失ってしまい、その後の企業活動にも影響が出ます。
不要なトラブルを避けるためにも、セキュリティ対策をしっかりおこなっているアプリを選んでください。
クラウド施工管理システムを比較検討した結果
ここでは、9社が提供するクラウド施工管理システムを一覧表にして比較します。
システム導入時の参考にしてください。
| 製品名 |  AnyONE |  ANDPAD施工管理 |  アイピア |  Photoruction |  目視録 |  KANNA |  テラ施工管理 |  クラフタ |  Kizuku |
| 評価 | (4.5 / 5.0) | (4 / 5.0) | (4 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | (3 / 5.0) | (3 / 5.0) | (3 / 5.0) | (2.5 / 5.0) |
| 補助金・助成金 | 2024年対応 | 2024年対応 | 2024年対応 | 2023年対応 | お問い合わせ | お問い合わせ | お問い合わせ | お問い合わせ | お問い合わせ |
| 料金 | お問い合わせ | お問い合わせ | ・初期費用12万円~51万円 ・最低月額利用料金1万円~3万円 ・ユーザー追加2,000円/1ユーザー | 有料版 ¥3,980/月/人 + ¥980/月/プロジェクト ～ | ・エントリープラン初期費用なし/月額30,000円 ・スタンダードプラン初期費用50,000円/月額 50,000円 | お問い合わせ | 無料 | 無料 | ・初期費用110,000円 ・基本料金月額22,000円〜55000円 |
| デモ | 無料体験デモ | お問い合わせ | 無料体験デモ | 30日無料体験 | 7日間無料体験 | 無料体験デモ | 無料 | 無料 | なし |
| 基本機能数 | 8 | 7 | 18 | 11 | 5 | 3 | 6 | 3 | 4 |
| スマホアプリ | あり | あり | なし (スマホからの使用は可能) | あり | なし | あり | あり | あり | なし |
| 他ソフトとの連携 | あり (エクセルやCSV形式データの引き継ぎも可能) | なし | あり | エクセル出力可 | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 掲載なし |
| オプション カスタマイズ | ・各種帳票カスタマイズ ・エクセル修正レクチャー | 他11製品(機能)あり | カスタマイズ可能 (別途有償対応) | なし | あり | カスタマイズ可能 (別途有償対応) | 問い合わせ | 問い合わせ | オプション5機能 （別途有償） |
| アフターサポート | ・無料ヘルプデスク ・バージョンアップ(自動配信) ・オンライン打ち合わせ ・追加講習 | カスタマーサクセス | ・メール/電話 ・動画マニュアル ・リモート研修 | 現場への操作説明会 | ・説明会 ・メール ・電話 | オンラインでの操作説明会 | 問い合わせ | オンライン説明会 | ・運用ミーティング ・ヘルプデスク |
| 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
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総合評価が高いクラウド施工管理システムは「AnyONE」
先程の表の中で総合的に最も高い評価を得ていたシステムは「AnyONE」でした。
AnyONEは、標準機能に施工管理をおこなう上で、不可欠な機能が揃っています。
他社のサービスでは、オプションで機能追加しなければならない機能が標準で搭載されているため余計なコストは掛かりません。
項目・分類別で見る！おすすめクラウド施工管理システム
ここでは、下記2つの項目別・分類別におすすめのクラウド施工管理システムを紹介します。
住宅施工で活用できるシステムを選ぶ
住宅施工に活用できるおすすめのクラウド施工管理システムは、下記の5つです。
| サービス名 | サービス詳細 |
|---|---|
| AnyONE | ・工務店業務全般に対応している ・大手から一人親方まで使用可能 ・エクセルと似た操作性 |
| ANDPAD | ・標準機能は施工管理を効率化する機能に特化している ・オプションを組み合わせると経営改善までおこなえる ・大規模現場から住宅施工まで使用できる |
| アイピア | ・工務店・リフォーム店向け施工管理クラウド ・社内情報を一元管理できる ・施工管理だけでなく営業・事務効率もアップ |
| Photoruction | ・写真や図面管理に強みを持つサービス ・オンラインとオフラインどちらでも使用できる ・スーパーゼネコンから工務店まで使用可能 |
| 目視録 | ・業務効率化と品質管理を同時におこなえる ・課題によって柔軟にカスタマイズ可能 ・工務店やリフォーム会社などさまざまな会社で使用可能 |
AnyONE（エニワン）
AnyONEは、一度導入すると手放せなくなる業務効率化システムです。
工務店業務全般に対応しており、下記の機能でクラウドを使用した施工管理も可能です。
現場に行かなくても施工管理をおこなえるため、移動時間などを削減でき業務効率化につながります。
また、パソコンで作成した工程表などはスマホからも確認できるため、情報確認のために帰社することがなくなるでしょう。
また大手から一人親方まで使用可能で、建設業界で働いている方なら誰でも活用できます。
またAnyONEはすぐに活用できるエクセルテンプレートを配布しています。
システムの導入前に、エクセルテンプレートを使用して社内業務の効率化を体験してはみてはいかがでしょうか。
ANDPAD（アンドパッド）
ANDPADは、施工管理業務を効率化する機能に特化しているシステムです。
写真や資料はクラウドで整理されるANDPADを開けば最新情報にアクセスできるため、メールやFAXで送る必要はありません。
チャットの活用で、現場状況の報告に電話・メール・FAXを使い分ける煩わしさから開放されるでしょう。
チャットでは、現場関係者に情報を一斉送信可能なため、情報の伝え漏れを防げます。
またオプション機能の活用で経営状況の改善もおこなえるため、大変便利です。
詳しくは、ANDPADの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
アイピア
アイピアは工務店向けに作られた施工管理クラウドソフトです。
現場情報の管理はもちろん、顧客管理や見積もりの作成、工程管理なども一元管理できます。
レイアウトが非常にわかりやすく、直感的に操作できるため、パソコンが苦手な方でも使いやすいと評判の良いソフトです。
リフォーム店・工務店の導入実績が豊富な施工管理クラウドをお探しの方は、ぜひ検討してみてください。
Photoruction（フォトラクション）
Photoructionは、施工管理を効率化できるさまざまな機能を備えていますが、特に写真や図面管理に強みを持っています。
撮影した写真は即クラウドにアップされ、情報共有に手間が掛かりません。
また写真は、項目ごとに自動で分類されます。
スマホやタブレットがあれば、現場で大量の図面を持ち歩く必要はありません。
独自の技術でタイムラグなしで、大容量の図面も閲覧可能です。
現場で図面に注釈矢印を加えられ、指示出しや情報共有がスムーズとなります。
スーパーゼネコンから工務店まで使用でき、現場の規模に関係なく活用可能です。
詳しくは、Photoructionの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
目視録
目視録は、業務効率化と品質管理を同時におこなえます。
案件管理はクラウド上でおこなうため、目視録を使用していればリアルタイムで進捗状況を確認可能です。
写真の登録・閲覧・報告はスマホ一台でおこなえるため、ITが苦手な職人さんでも簡単に現場情報の共有ができます。
またオプション機能には、指摘写真と是正箇所写真の関係性を分かりやすく登録する機能があり、是正処理の結果が一目瞭然で判別可能です。
工務店やリフォーム会社などさまざまな会社で使用されており、住宅施工の現場に適したシステムといえます。
詳しくは、目視録の機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
費用の低さで選ぶ
費用を抑えることは、サービスを使い続ける上で重要です。
お試しで使用してみたい方にもおすすめのサービスを4つ紹介するため、参考にしてください。
| サービス名 | サービス詳細 |
|---|---|
| KANNA | ・標準機能を無料で使える「お試しプラン」あり ・標準機能を4つに厳選 ・500社への導入実績あり |
| テラ施工管理 | ・完全無料で使える施工管理アプリ ・施工管理に必要な機能が揃っている ・スマホだけで資料管理や報告書作成がおこなえる |
| クラフタ | ・PCが苦手な人でも使いこなせる操作性 ・スマホで撮影するだけで写真を自動仕分け ・現場管理機能が充実 |
| Kizuku | ・月額22,000から使用可能 ・標準機能は3つとシンプル ・オプション機能が充実 |
KANNA（カンナ）
KANNAには、標準機能を無料で使える「お試しプラン」あります。
標準機能は下記の4つに厳選されています。
機能が厳選されているため、シンプルな操作性でITが苦手でも操作に迷うことはないでしょう。
上位プランでは「カスタマイズ設定の代行」「セキュリティの強化」などおこなえます。
詳しくは、KANNAの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
【完全無料】テラ施工管理
テラ施工管理は完全無料で使える施工管理クラウドアプリです。
スマートフォンアプリ1つで現場の管理や図面写真の共有、チャットなど施工管理が必要な機能を満載しています。
導入時に無料ながら個別Web面談も提供しており、操作方法や導入についての不安を逐一相談できる点も特徴的です。
報告書の出力などもアプリからできるため、施工管理職の仕事を効率化してくれるクラウドアプリといえるでしょう。
詳しくは、テラ施工管理の機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
【完全無料】クラフタ
クラフタも完全無料で利用できる施工管理クラウドアプリです。
現場管理に必要な現場情報の登録や図面管理、職人とのチャットなどを無料で利用できます。
課金が必要なく完全無料で利用できるため、まず施工管理クラウドを運用してみたいと考えている方におすすめです。
スマートフォンが使えない職人さんでも使いやすく設計されている点も、おすすめのポイントです。
Kizuku（キズク）
Kizukuは月額22,000から使用可能な、現場でのコミュニケーションを効率化するアプリです。
標準機能は下記3つとなっており、シンプルな操作性となっています。
入退場管理は、現場にどの職人さんが入場しているのか簡単に把握できるため、大変便利です。
国土交通省が推進している「建設キャリアアップシステムCCUS」との連携もおこなえ、協力業者の処遇改善対策にも活用できます。
詳しくは、Kizukuの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
まとめ
本記事は、クラウド施工管理システムの選び方とおすすめのシステムを9つ紹介しました。
導入目的によって最適なシステムは異なります。
まずは自社の課題を洗い出し、課題を解決できる機能を持ったシステムを選択すると、システム導入の失敗を減らすことができます。
本記事の内容を参考に、最適なクラウド施工管理システムを導入に施工管理業務を効率化してください。
しかし「どのクラウド施工管理システムが良いか選べない」という方もいるでしょう。
