建設業界に特化した工事管理システム・業務効率化システムの導入を検討している工務店は多いのではないでしょうか。
しかし、上記のようなシステムはさまざまな企業が提供しており「どのシステムが自社に適しているのかいまいちわからない」という担当者もいるでしょう。
今回は、10社の建設業界に特化した工事管理システム・業務効率化システムを比較します。
導入を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
工事管理・業務効率化システムを選ぶポイント

システムを選ぶポイントを把握せずにシステムを導入してしまうと「自社の業務にあっていない」事態になりかねません。
システムを選ぶ前に、システムを選ぶポイントを把握しましょう。
ここでは、工事管理の業務効率化をおこなえるシステムを選ぶポイントを下記7つ紹介します。
明確な料金設定
システムの導入には、主に下記のコストがかかります。
- 導入費
- 月額利用料
サービスページにシステムの料金設定が、はっきりと記載されているかどうかをチェックしましょう。
記載されていない場合は、サービス提供会社に問い合わせ、導入前に支払うべきコストを把握することが大切です。
また、導入するシステムによっては導入後に必要な機能を整備するには、追加料金が必要になるケースもあり注意が必要です。
実績
これまでにどのような企業にシステムが導入されてきたのか、その実績を確認することも重要です。
工務店向けのシステムを探しているのに、工務店への導入実績がないシステムは工務店業務に適したシステムなのか判断できません。
システムを比較検討する際には、どういった企業が利用しているのか「導入事例ページ」もチェックしておきましょう。
標準機能の充実度
システム選びの際は、標準機能の充実度を確認しましょう
システムによっては、必要な機能が「追加オプション」に設定されているケースも少なくありません。
一方で、「工務店向けの機能」と一口にいっても、必要な機能は工務店ごとに異なります。
必要な機能を把握するためには「自社に課題」「効率化したい業務」を明確にしましょう。
エクセルやCADとの親和性
すでに業務でエクセルやCADを使用している場合は、導入予定のシステムとの相性を確認しましょう。
導入予定のシステムとエクセル・CADに親和性がないと、下記のような業務上の不具合が想定されます。
- 蓄積されたデータの移行に手間取る
- 他部署や協力業者とのデータのやりとりが煩雑化する
- CADの情報をシステムに二重入力しなければならない
業務の効率化を目的に、システムを導入するはずが上記のような事態に陥っては本末転倒です。
業務をスムーズに進めるためには、導入予定のシステムとエクセルやCADの親和性を確認しましょう。
操作のしやすさ
いくら優れたシステムでも、現場で使用する人が「操作しにくい」と感じてしまっては、業務が効率化されません。
また、あまりにも操作性が悪いとシステムが使用されない可能性もあります。
「業務効率化」「システムの定着」どちらの観点からも、初めて使う人でも、直感的に使用できるシステムを選ぶと、導入後に問題なく運営できるはずです。
カスタマイズ
カスタマイズの対応が可能なシステムもあります。
下記のような要望がある方は、カスタマイズに対応したシステムを選びましょう。
- 既存の業務の方法を変更したくない
- 詳細なデータ分析をして、経営判断に生かしたい
カスタマイズが可能なシステムであれば、費用は別途かかりますが、導入後に業務に最適な形で運用することができます。
サポート
どのようなシステムでもトラブルと無縁ではありません。
いざトラブルが起きた際に「どのようなサポートを受けられるのか」は、業務を円滑に進めるために確認しましょう。
また、担当者にシステムを使用してもらうには、サポート体制の充実度も重要となります。
ITに苦手意識のある担当者だと、システムを十分に使いこなせない可能性があります。
操作で不明点が出てきたときに「すぐに質問できる体制か」「すぐに回答をもらえる体制か」なのかも確認しましょう。
工事管理・業務効率化システムを比較した総合結果

ここでは、10社が提供する建設業界に特化した工事管理システム・業務効率化システムを一覧表にして比較します。ぜひ、システム導入時の参考にしてください。
※各業者とも公式サイトの情報を参考に、評価をつけています。(2022/9/29現在)
標準機能 | エクセル・CADとの親和性 | 操作性 | カスタマイズ | セキュリティ | サポート体制 | スマホアプリ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AnyONE | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ |
ANDPAD | △ | ◯(CADの記載なし) | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ |
ダンドリワーク | △ | ◯(同上) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ |
工務店クラウドEX | ◯ | ◯(同上) | – | ◎ | ◯ | ◎ | × |
アイピア*1 | ◯ | ◯(同上) | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ | × |
建設BALENA | ◎ | ◯(同上) | – | ◯ | – | ◎ | × |
CAREECON for WORK*1 | △ | ◯(同上) | ◯ | × | △ | ◯ | ◯ |
SMAC工事管理 | -*3 | ◯(同上) | – | ◯ | – | ◎ | × |
建て役者*1 | ◯ | △*2 | – | ◎ | ◎ | △ | × |
KojiNEO | ◯ | – | ◯ | – | – | ◯ | × |
*1 ベーシックプラン/ビジネスプラン(CAREECON for WORK)の場合。
*2 エクセルデータ取り込みに指定フォーマットあり。*3 8つの機能から必要な機能を選択。
総合評価が高い工事管理・業務効率化システムは「AnyONE」
先ほどの表の中でも、総合的に高い評価を得ていたのは「AnyONE」でした。
AnyONEは、工務店の業務において必要不可欠な機能が標準機能として備わっていることが特徴です。
他のサービスはオプションで追加しないといけないものが多いため、コストがさらにかかってしまいます。
また、エクセル・CADとの親和性に関しては、データの移行に対応しているため、過去のデータを業務に活用ができます。
さらに、セキュリティ面に関しては、プライベートクラウドが使用可能なため、安心して利用できます。従業員のアクセス権限を操作できる点も強みの1つです。
項目・分類別で見る!おすすめ工事管理・業務効率化システム

ここでは下記の項目別・分類別に、建設業界に特化したおすすめの工事管理システム・業務効率化システムを紹介します。
便利が一番!標準機能の充実度で選ぶ
工事管理システム・業務効率化システムを導入するなら、標準機能の充実度が重要です。
自社に必要な機能が「オプション機能」だと、追加の費用がかかってしまいます。
想定外の出費で資金繰りを悪化させないために、標準機能が充実した下記3つのシステムから選びましょう。
サービス名 | サービス詳細 |
---|---|
AnyONE | ・ユーザーの声をシステムに反映し改善し続けている ・全ての工務店の業務に対応 ・大手から一人親方まで幅広く利用できる ・エクセルのような感覚で扱える |
工務店クラウドEX | ・工務店業務に関わる幅広い情報を一元管理 ・現場や外出先からでも必要な情報にアクセス可能 |
アイピア | ・情報共有および情報管理を1つのシステムで行う ・さまざまな部署の業務に対応 ・部署間での情報共有も図りやすい ・直感的に使用できるように工夫 |
AnyONE

AnyONE は、導入実績が3,300社を超えている多くの工務店に支持される業務効率化システムです。
業界トップクラスともいえるシステムであり、現在もユーザーの声をシステムに反映するなど改善し続けています。
全ての工務店の業務に対応しており、大手はもちろんリフォーム会社や一人親方まで規模に関係なく利用できます。
さらに、電気工事や設備工事の際などにも利用可能です。
操作性も抜群で、エクセルのような感覚で扱うことができます。
詳しくは、AnyONEの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
工務店クラウドEX


工務店クラウドEXは、下記のような工務店業務に関わる幅広い情報を一元管理できるシステムです。
- 営業管理
- 見積り作成
- 実行予算作成
- 発注管理
- 工程計画
- 工事台帳作成・管理
- アフターサービス
データの一元化を図ることにより、無駄や情報の抜け漏れ、人的ミスの防げます。
また、クラウド型のサービスのためインターネット環境があれば、時間・場所に関係なく情報にアクセス可能で、現場や外出先からでも必要な情報をすぐに得ることが可能です。
詳しくは、工務店クラウドEXの機能や特徴、口コミ・評判を解説した記事をご確認ください。
アイピア


アイピアは、工務店やリフォーム会社に特化したシステムです。
各種工事に関する情報共有および情報管理を1つのシステムでおこなえるため、業務効率化が期待できます。
営業から事務、経理、現場、そして管理者とさまざまな部署の業務に対応しているため、部署間での情報共有も図りやすくなるでしょう。
さらに、画面のレイアウトやボタンの位置は直感的に使用できるように工夫されているため、パソコンの操作に慣れていない人でも使いこなせるでしょう。
サポート体制も整備されているため、安心して導入できます。
詳しくは、アイピアの機能や特徴、口コミ・評判を解説した記事をご確認ください。
10人以下で使いたい!使用人数で選ぶ
ここでは、10人以下で使用したい場合におすすめの工事管理システム・業務効率化システムを紹介します。
小規模な工務店での利用にぴったりなので、ぜひ検討してください。
サービス名 | サービス詳細 |
---|---|
Koji Neo | ・1名から導入可 ・工務店の原価管理業務に特化している |
AnyONE | ・個人工務店も導入可能 ・全ての部署で利用できるシステム ・業務の属人化も防げる ・導入後の運用までサポート |
建て役者 | ・5名から導入可 ・料金はプランに応じて3種類 ・カスタマイズに柔軟に対応できる ・有償オプションあり ・自社開発のシステム |
Koji NEO


Koji NEO は、1名からの導入が可能な工務店の原価管理業務に特化したシステムです。
オンプレ版とクラウド版があり、ここではクラウド版の料金体系を紹介します。
- 基本料金 月額:30,000円
- 1クライアント 月額:3,500円
- 初期費用:200,000円
- 基本指導料:200,000円(3時間×3回)
- 追加指導料:50,000円(3時間)
- カスタマイズ料金:個別見積り
【参考】価格(クラウド版)-Koji NEO
システムが対応している機能は、工事管理、実行予算管理、発注管理、支払管理、入金管理など、工務店に必要な業務は基本的にカバーしています。
詳しくは、Koji NEOの機能や特徴、口コミ・評判を解説した記事をご確認ください。
AnyONE



AnyONE は、個人工務店も導入が可能です。
AnyONEは、導入後の運用までサポートしているのが特徴で、操作に不明点・疑問点が発生してもすぐに解決します。
AnyONEは下記のような工務店業務全般に対応しているため、複数のシステムを使い分ける必要はありません。
- 顧客管理
- 工事・施工管理
- 見積り・実行予算・発注管理
- 入出金管理
- アフター管理
詳しくは、AnyONEの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
建て役者


建て役者は、5名からの導入が可能です。
料金プランは下記の3つとなっています。
- ライト
初期費用:30,000円・月額費用:4,000円
- スタンダード
初期費用:40,000円・月額費用:350,000円
- プレミアム
初期費用:80,000円・月額費用:580,000円
【参考】料金表-建て役者
有償オプションでは、操作説明会の実施や、定期点検、API連携、添付ファイルの容量追加などもおこなっています。
自社開発のシステムであり、長年変わらない体制でサービスを提供しているため、システムの導入経験のない会社でも安心できるでしょう。
詳しくは、建て役者の機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
まとめ
今回は、建築システムを選ぶ際のポイントと、システムを提供する10社の比較、さらには項目別におすすめのシステムを紹介しました。
機能はシステムによって異なるため、自社に適したシステムを選ぶことが重要です。
本記事を参考に自社に最適なシステムを選んでください。
しかし「自分で自社に合うシステムを選べない」と悩む方もいるでしょう。