建て役者は、引合からアフターフォローまでの業務を一元管理できるシステムです。
建築・リフォーム業界向けに作られており、顧客情報管理や商談・工程進捗状況管理など、さまざまな業務に対応しています。
また、システムのカスタマイズに強みを持っており、とことん自社の業務に合わせてシステムを改良することが可能です。
本記事では、業務効率化に貢献する「建て役者」の機能や評判・口コミを紹介します。
目次
建て役者とは?

建て役者は建築・リフォーム業界向けの業務一元管理システムです。
顧客情報や商談・工程進捗、原価管理や受発注管理、アフタフォローまで一気通貫で対応できます。
また、柔軟にシステムをカスタマイズできるため、業務をシステムに合わせる形ではなく、システムを業務に合わせることが可能です。
導入後に「全然自社の業務と会わないシステムだった」という事態を避けられます。
さらに情報をグラフ集計できるため、蓄積された情報が簡単に活用可能です。
会社概要
建て役者の販売・製造・サポートを手がける株式会社システムサポートは1980年に設立されました。
2019年には東証一部に上場しています。
株式会社システムサポートの会社概要は下記の通りです。
社名 | 株式会社システムサポート (略称STS) |
連絡先 | TEL 076-265-5081(受付時間 平日9:00~18:00) |
設立 | 1980年1月 |
代表取締役社長 | 小清水 良次 |
本社所在地 | 〒920-0853 石川県金沢市本町1-5-2 リファーレ9F |
事業内容 | システムコンサルティング/ディレクションサービス 業務支援サービス IDCサービス メディカルソリューションサービス ERPコンサルティングサービス システムインテグレーションサービス アウトソーシングサービス 電子商取引ソリューションサービス |
資本金 | 7億23百万円 |
売上高 | 133億76百万円(2020年6月期・連結) |
従業員数 | 870名(2020年6月末現在) |
グループ会社 | 株式会社イーネットソリューションズ 株式会社STSメディック 株式会社T4C 株式会社アクロスソリューションズ STS Innovation, Inc. STS Innovation Canada Inc. |
上場市場 | 東京証券取引所 市場第一部 |
認定・許可 | 労働者派遣事業 派17-300039 |
建て役者のサービス

建て役者のサービスを用途別に解説します。
顧客・商談管理

顧客に関わる情報をまとめて管理できます。
氏名や生年月日などの基本情報から、商談・工事履歴も一元管理するため、情報を探す手間が省けるでしょう。
見積り・契約の簡易化

過去に作成した見積りを引用できるため、見積り情報が資産として蓄積されます。
経験の浅い積算担当者でも、経験豊富な担当者の見積りを参考にすることで、精度の高い見積りの作成が可能です。

契約書は承認された見積りをベース作成されるため、見積り内容と異なる契約書ができるといったミスの防止が可能です。
また、受注登録すると自動で工事部門で管理する機能に新着工事として表示されるため、工事部門への引き続きも滞ることなく行えます。
実行予算・原価管理

実行予算機能では、見積り時の予定価格が転記されるため、入力漏れやミスがなくなり業務効率化につながります。

見積り時の予定原価と実行予算が「工事台帳」「原価管理台帳」で管理可能なため、ミスがなくなる仕組みです。
発注管理

発注書は実行予算をベースに作成されるため、誤った金額で発注することなくなります。
加えて、協力業者からの請求を入力すると自動で実行予算として反映されるため、工事担当者は常に最新の情報をもとに、粗利の確認が可能です。
さらに建て役者はオプションとして、電子受発注(EDI)の提供を開始しました。
通信回線を通じて、受発注・請求・支払などの、企業間取引を行う仕組みのことです。
協力業者との取引にEDIを採用すると、次のメリットが得られます。
- 取引はすべて建て役者内で行われるため、ペーパーレス化できる
- 書類管理を紙で行わないため、各種書類の紛失防止につながる
- 発注内容がすべて建て役者に記録されるため、取引の適正化・透明化につながる
- ネット環境があれば、仕事場所を選ばないため、テレワークが行いやすくなる
さまざまなメリットのあるEDIですが、下記2つのことに注意してください。
1つ目はEDIはオプションのため、別途料金が掛かることです。
- 初期費用:110,000円(税込)
- 月額費用:22,000円(税込)~ ※取引先のID数によって費用は変動します。
2つ目は料金プランによっては、EDIをオプションとして採用できないことです。
のちに紹介しますが、建て役者には3つの料金プランがあります。
EDIを使用するためには、「ベーシックプラン」以上の契約が必要になるため、料金プランを選択する際は注意しましょう。
工程管理


工程管理に欠かせない工程表は、ガントチャート形式で直感的に作成可能です。
また、重要なイベントはアラーム機能により知らせてくれるため、うっかりミスを防いでくれます。
アフターフォロー


点検予定を登録することで、予定に近づくと知らせる機能があります。
さらに検索機能と組合わせることで、訪問リストも作成できるため、効率的な営業活動にもつなげることが可能です。
グラフ集計
建て役者では、蓄積したデータをグラフ集計できます。
- 新規顧客の情報源別の流入数
- 引合の前年比
- 工事種別ごとの契約規模
- 部位別の工事依頼集計
情報は活用できてこそ意味を持ちます。
グラフ集計で、データを可視化することで蓄積された情報をしっかり役立てましょう。
建て役者の特徴


建て役者の特徴は下記の4つです。
16年で600社以上に導入
建て役者は、16年で600社以上に導入した実績があります。
多くの会社が抱える悩みや課題を解決してきた実績があるため、業務管理システムを初めて導入する方でも安心して利用することができるでしょう。
高いカスタマイズ性
多くの業務管理システムは、システムの仕様が決まっているため、各会社に合わせて柔軟な仕様変更は難しいです。
しかし建て役者は「100社100通りの業務管理を実現」というコンセプトを掲げており、自社の業務内容に合致する仕様に変えられます。
例えば、建て役者の標準承認機能は「見積り承認」「実行予算承認」の2つです。
これら2つの承認機能に、「発注承認」も加えられます。
建て役者は現在運用しているルールに則ったシステムへと柔軟にカスタマイズ可能なため、導入後に「痒い所に手が届かず使いずらい」という事態を避けることが可能です。
外出中の情報確認
建て役者はクラウドシステムであるため、インターネット環境さえあれば、外出中の情報確認ができます。
今までは、帰社しないと確認できなかった情報も、その場で確認できるため、顧客とのやり取りもスムーズに行え、商機を逃すことがなくなるでしょう。
IT補助金登録ツール
建て役者は、IT補助金登録ツールのため補助金を活用することで、実質負担額を軽くしての導入が可能です。
2021年5月28日時点での登録ツールは下記を参照してください。


公式サイトのシミュレーションによると、下記のように負担額が軽くなります。
・「建て役者」プロフェッショナル 5ユーザー (初期費用:480,000円、年間利用料:477,600円)
引用:建て役者(IT導入補助金-交付申請開始と登録済みITツールのお知らせ(2021.5.28更新))
・導入説明会 1回 (100,000円/回)
・スケジュールオプション 5ユーザー (年間利用料:24,000円 1ユーザーあたり年間4,800円)
上記をC-1類型で補助金申請・交付された場合、
【合計1,081,600円(税抜)】に対して、【約721,000円(税抜)】の補助を受けられます。
業務管理システムの導入を検討している方は、IT補助金の活用も併せて検討してはいかがでしょうか。
補助金利用の問い合わせに関しては、公式サイトの問い合わせフォームよりお願いします。
建て役者の料金


建て役者は、ライト・ベーシック・プロフェッショナルの3つプランがあるため、会社の規模や目的に合わせてプランを選ぶことが可能です。
料金は、5ユーザーで使用した場合の月額料金「4,000円~39,800円」、初期費用「30,000円~480,000円」となっています。
またプラン別の標準機能は下記の表を参照してください。
機能 | ライト | ベーシック | プロフェッショナル |
---|---|---|---|
顧客管理 | ○ | ○ | ○ |
商談管理 | ○ | ○ | ○ |
見積管理 | ○ | ○ | ○ |
契約管理 | ○ | ○ | ○ |
工事管理 | ○ | ○ | |
発注管理 | ○ | ○ | |
原価管理 | ○ | ○ | |
請求・支払管理 | ○ | ○ | |
アフター管理 | ○ | ○ | ○ |
点検管理 | ○ | ○ | ○ |
添付ファイル機能 | ○ 1GB | ○ 5GB | ○ 5GB |
プランごとに対応している有償オプションは、下記の表を参照してください。
機能 | ライト | ベーシック | プロフェッショナル |
---|---|---|---|
操作説明会 | ○ | ○ | ○ |
カスタマイズ | ○ | ||
スケジュール | ○ | ○ | ○ |
電子受発注(EDI) | ○ | ○ | |
添付ファイル容量追加 | ○ 500GB | ○ | ○ |
PinMap連携 (地図表示機能) | ○ | ○ | ○ |
クラウドサイン連携 | ○ | ○ | ○ |
LINE WORKS連携 | ○ | ○ | ○ |
バージョンアップ | 無償 | 無償 | 有償 費用はカスタマイズ状況により異なる |
建て役者導入の流れ


建て役者導入の流れは下記の通りです。
建て役者のホームページから問い合わせます。
オンラインで約1時間程です。
デモサイトで解決すべき課題を確認します。
③をもとに見積りと提案があります。
カスタマイズがないなら、2〜3週間度です。
電話・FAX・メールなどでサポートを受けられます。
公式サイトによると、建て役者の利用環境は下記の通りです。
・インターネット環境必須
引用:建て役者(よくあるご質問)
・デバイス:PC,iPad
・OS:Microsoft Windows,iPadOS
・ブラウザ:IE,Edge,GoogleChrome,Safari(iPadのみ)
・ソフトウェア:Excel,AcrobatReader
※カスタマイズ状況によってはこの限りではありません。
※各提供元がサポートしているものに限ります。
建て役者利用者の本音をチェック!


建て役者の利用者は、どのような本音を持っているでしょうか。
良い口コミと悪い口コミのどちらもチェックして、導入後に後悔しないようにしましょう。
建て役者の良い口コミ
今までであれば、営業のリスト、工事のリスト、引渡したリスト等別々に分かれていましたが、「建て役者」を導入したことによって、すべて一連の流れで管理ができています。
引用:建て役者(導入事例 株式会社玉家建設様)
点ではなく、線で業務が進み管理ができるのがとてもいいです。
「建て役者」は建築業界に特化して作られた製品であること自体にメリットを感じますし、導入後、棟数や発注規模が125%ぐらい上がっても、業務にストレスを感じることなく、スムーズに運用できています。
引用:建て役者(導入事例 株式会社マルコーホーム様)
各拠点に散らばっていた情報が一元管理されることによる明快さ、見積作成業務の負荷が減り、スケジュール管理も楽になりました。
引用:建て役者(導入事例 株式会社アイジーコンサルティング様)
「建て役者」を使うことが習慣となるよう、これがなければ仕事が出来ない会社の仕組みを確立させました。
引用:建て役者(導入事例 株式会社日進堂様)
といっても、まったく仕組みを変えたわけではなく、「建て役者」にカスタマイズをして今までの業務フローと似たものにしてもらいました
原価表などの出力帳票も、もともと作っていたExcel書式にデータを落とし込むように作ってもらったので、現場側の新しいものに対する抵抗感は少なかったと思います。
建て役者の悪い口コミ
全員が「建て役者」をそれなりに使えるようになるには3,4年かかりました。
引用:建て役者(導入事例 相羽建設株式会社様)
紙でなければダメな人もいれば、年齢もばらばら。
特に、今まで紙だけで仕事をしてきた「やり方」を変えることのハードルが高く、定期的に社内で説明会を行ったり、個人単位で説明することも行いました。
結論:建て役者の総合評価は★★★☆☆
建て役者は、営業リスト・顧客リストなどの情報を一括で管理できることが評価されています。
売上の規模が大きくなっても、不具合を起こさず使用できる点も好評です。
また従来の業務フローに合わせたシステムを合わせられるカスタマイズ性を評価する口コミも見られました。
しかしITツールに不慣れな方が多い場合は、システムが馴染むまでに時間が掛かると指摘する口コミもありました。
まとめ
建て役者は、建築業界に特化した業務一元管理システムです。
顧客情報や商談・工程進捗、原価管理や受発注管理、アフタフォローなど、建築業に関わる業務を一気通貫で対応できます。
またカスタマイズ性にも優れており、どのような課題に対しても対応できるシステムといえるでしょう。
さらにIT補助金登録ツールのため補助金を活用することで、実質負担額を減り安価にITツールを導入できます。
工務店やリフォーム会社の業務を効率化するためのシステムは、さまざまな会社が提供しています。
自社に最適なITシステムを選ぶコツは、しっかり比較検討することです。