工務店・建設業者の見積り共有作業には、情報漏洩や人的ミス、また営業への情報共有の遅れなどのリスクが伴います。
ミスなく安全に見積りを共有するためには、見積り作成ソフトの「共有機能」を活用することがおすすめです。
この記事では工務店の見積り共有におけるリスクを解説したうえで、一般的な工務店の情報共有方法と起こり得るミスのパターンを解説します。
そのうえで工務店向けに作られた情報共有機能を搭載した見積り作成ソフト5選を紹介するため、見積りソフトを検討している方は、ご一読ください。
目次
工務店の見積り共有には情報漏洩のリスク
工務店が見積書を共有する際には、常に情報漏洩リスクが伴い、また情報共有の方法により個別リスクも発生します。
見積書の共有方法に悩んでいる方に向けて、具体的にどのようなタイミングで情報漏洩や作業の手間が生じるか解説します。
誤配送・誤送リスク
工務店が取引先に郵送で見積書を共有する際には、誤配送や誤送リスクが発生します。
郵便局員が誤ってほかの企業にポストインするケース、または自社で郵送先を間違えて送っているケースがあるでしょう。
送付された企業が誤配送に気づき、再配達依頼を出してくれた場合は情報漏洩は防げます。
しかし見積書を誤配送された企業が、宛名を確認せずに見積書の中身を見てしまうと、情報漏洩となります。
情報共有のタイムラグ
見積書の情報共有にはタイムラグが生じやすいです。
例えば営業所で事務方が見積り情報を修正した際に、即時で営業に共有できず修正内容が伝わらないことがあります。
誤った見積り内容を認識したまま営業が取引先に訪問すると、先方の意向に沿っていない見積りを提示してしまうことがあるでしょう。
封入作業の手間
見積りを取引先に郵送・メールで送付する場合の送付作業に手間がかかります。
郵送の際は見積書の出力とダブルチェック、封入作業が必要です。
また会社のセキュリティ対策の方針によってはメール送信時にも、見積書をPDFで出力したうえでメーラーで送付文章を作成、添付ファイルの暗号化をしなければなりません。
営業の移動時間
見積書を外部に持ち出す場合、オンライン共有できるアプリなどを持っていない場合は印刷して持ち出さなければなりません。
機密情報が詰まった見積書を手持ちで持ち出す場合は、紛失リスクが懸念されます。
営業先で急に見積りが必要になった場合は、一度事務所に戻って見積書を取りに帰らなければならないでしょう。
移動先が事務所と離れている場合、移動時間がタイムロスとなります。
工務店における見積書の共有方法と問題点
工務店や建設業者で一般的におこなわれている見積書の共有方法と問題点について解説します。
郵送
工務店や建設業者が見積りを施主に提示する場合「郵送してほしい」と要望を受けることがあります。
郵送は一般的な方法ですが、見積書の出力や封入作業に手間がかかることが難点です。
また、送付先の住所と見積書が一致しているか確認する手間と人員コストがかかります。
万が一、チェック作業を怠ると誤った送付先に見積書を送付するリスクがあり、機密情報や個人情報漏洩のリスクを抱えることもデメリットです。
添付ファイルにて送信
近年は見積書を添付ファイルで送信することもあります。
郵送よりも手間はかかりません。
しかし会社のセキュリティ対策の方針によっては、PDFでの出力と暗号化やメール送信までのチェック作業が必要です。
例えば上記の作業を怠ると送信先のメールアドレスを誤り、別の業者に見積書ファイルを送ってしまう可能性があります。
また、添付ファイル送信の際にパスワードをかけますが、設定作業に時間がかかることも難点です。
Pマークを取得している工務店や建設業者の場合、Pマークのサイトに個人情報漏洩事故の履歴を掲載しなければならないなど、情報漏洩によるペナルティ・信用損失のリスクもあります。
Pマークとは、一般社団法人日本情報経済社会推進協会が管理するプライバシーマーク制度のことです。
個人情報の取り扱いをルール化し、適切な保管措置をとっている事業者を評価します。
Pマークを取得することで、個人情報保護の取り組みをきちんとしている企業であると証明できる制度です。
社内メールで共有
見積書を営業に社内メールで共有する場合もあるでしょう。
社内の業務であるため郵送や添付ファイルよりリスクが低いと思われがちですが、思わぬミスが起こり得ます。
例えば社内のYさんにメールを送るつもりで、取引先のYさんという同名の人物のアドレスを選択し見積書を送ってしまうようなケースです。
送信先が誤っているため、見積書が正しい送付先に届いておらず、機密情報漏洩となります。
ミスがないとしても、営業が事務所に電話し、事務員が見積書を探して添付ファイルにパスワードをかけて送信する手間がかかってしまうため、余分な業務を増やすことになるでしょう。
情報漏洩を防ぐ!便利な共有機能付き見積り作成ソフト5選
情報漏洩を防ぎ、効率よく見積り共有ができる見積り作成ソフト5選を紹介します。
システム名 | サービス内容・詳細 |
---|---|
AnyONE | ・商談管理からアフター管理まで工務店業務を一元管理 ・複数階層の見積りが効率的に作成できる ・見積書のクラウド共有で営業の手間を削減 ・見積り帳票・宛名シールをワンクリックで出力できる ・エクセルに似た操作感で使いやすい |
アイピア | ・工務店向けに作られた業務管理システム ・クラウド上にすべてのデータを共有できデータ共有が即時でできる ・過去の見積もデータを取り込み引用できる |
建設BALENA | ・工事台帳の作成や収支計算機能が搭載されている ・見積り作成から共有までひとつのシステムで完結する ・カスタマイズが豊富で自社に適合したソフトにアレンジしやすい |
建て役者 | ・建設業者の業務を統合できる ・見積り作成時に過去データ引用が簡単にできる ・見積り送付先の取引先情報も一元管理できる |
みつもり主任 | ・見積り作成から予算管理まで一元管理可能 ・FAX・郵送などの見積り共有機能で発送が効率的になる ・見積り特化システムのため機能がシンプルで使いやすい |
各社の見積り作成ツールの概要や共有機能を紹介します。自社に合った見積り作成ソフトを探す際の検討材料としてください。
AnyONE
AnyONEは、見積り作成だけでなく工務店業務を一元管理できる見積り作成ソフトです。
営業の商談管理からアフター管理まで、すべての業務をひとつのソフトで管理できます。
- 顧客管理
- 商談管理
- 工事・施工管理
- 見積り
- 実行予算
- 発注管理
- 入出金管理
- アフター管理
AnyONEはすべてのデータをクラウド管理でき、アプリ版も提供しているため、営業が見積りを確認するために事務所に戻る必要はありません。
また、取引先情報もシステム上に取り込めるため、見積り共有の際に宛名印刷もワンタッチでできます。
見積書作成・共有の手間を省き、ミスを防ぎながら効率的に見積書を共有できます。
AnyONEはシステムの操作感がエクセルに似ており、ITツールの苦手な社員が多い企業でも使いやすいと評判です。
導入コスト面が気になる方は、「IT導入補助金」を利用してコストを下げてシステム導入できます。「AnyONE」が提供しているIT導入補助金のマニュアルも参考にしてください。
アイピア
アイピアは、工務店向けに作られた業務管理システムです。見積り作成業務だけでなく、アフター管理まで一元管理できます。
- 顧客管理
- 営業管理
- 見積り作成
- 発注・請求管理
- 入出金管理
- 工程管理
- 書類管理
- 日報管理
- アフター管理
複数階層の見積り作成ができることはもちろん、見積りの作成・承認作業もクラウド上で可能なため待ち時間を削減できるでしょう。
営業もクラウド上で見積り情報を閲覧できるため、取引先に訪問する際に印刷した見積書を持ち出すリスクもありません。
アイピア上で作成した見積りは、ワンクリックで印刷・メール送信で取引先に共有できます。
詳しくは、アイピアの評判・口コミを解説した記事をご確認ください。
建て役者
建て役者は、建設業界の経営を可視化できるソフトです。
見積りだけでなく、商談管理、発注管理や原価管理にも優れています。
- 商談管理
- 顧客管理
- 見積り作成・共有
- 契約作業
- 実行予算管理
- 工程管理
- 発注管理
- 原価管理
- アフター管理
見積り作成時には過去の見積りデータを引用したり、エクセルデータの取り込みも可能です。
また共有時は自動でサイズを調整して出力できるため、郵送時の印刷設定の手間を省けるでしょう。
細かな顧客情報も管理できるため、メールアドレスや住所、FAX番号などの共有先をくまなく管理し、見積り共有の際に活用できます。
詳しくは建て役者の概要や料金、機能・口コミを解説した記事を参考にしてください。
建設BALENA
建設BALENAは、初期費用無料で導入できる見積り作成ソフトです。
見積り作成のみならず、入出金管理や収支計算ができます。
- 工事台帳機能
- 見積書・請求書作成機能
- 入出金管理
- 収支計算分析機能
- カスタマイズ
建設BALENAはクラウド型システムであり、社内での見積り共有も簡単。営業もクラウド上のデータをブラウザさえあればいつでも確認できることがメリットです。
見積り共有の際はワンクリックで帳票を印刷、出力でき施主への共有も効率化します。
また、収支計算を自動化し、利益率の分析ができるため経営陣の経営判断にも役立てることが可能です。
詳しくは、建設BALENAの機能や特徴、口コミ・評判を解説した記事をご確認ください。
みつもり主任
みつもり主任は、クラウド上で見積り作成ができるソフトウェアです。
複数階層の詳細な見積り作成だけでなく、実行予算管理も一元管理可能。
- 見積書の作成
- 実行予算の管理
- 各種帳票送付(郵送・FAX)
- 宛名印刷
見積りを共有する際は、郵送・FAX、メールなど複数の方法を選べ、ワンクリックで施主へ提示できます。
マスターデータ管理機能を搭載していて、取引先情報の管理と修正も容易です。
詳しくは、みつもり主任の機能や特徴、口コミ・評判を解説した記事をご確認ください。
まとめ
工務店の見積り共有作業には、情報漏洩のリスクやタイムラグなどの課題があります。
特に機密情報の漏洩は会社としても信用を失うリスクがある重大なミスのため、工数を減らし情報を自動化できる見積り作成システムを導入するといいでしょう。
この記事では5つの見積り作成ソフトを紹介しました。
どのシステムが自社に合うか決めかねている方もいるでしょう。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
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また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
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