建設業において、見積書を作成する機会はたくさんあります。そのため、作成した見積書の管理に苦労している企業も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、見積管理が簡単になる、クラウド型見積管理システムについてその概要から、メリット・デメリット、選び方などを解説しています。
見積管理システムの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
クラウド型見積管理システムとは
クラウド型見積管理システムとは、インターネットを活用してクラウド上で見積書の作成や管理を行うシステムのことです。
工務店向けシステムの場合は、見積管理だけでなく工事管理もできる場合が多いです。そのようなシステムの導入を検討する場合は、当メディアがおすすめする工事管理・業務効率化システム10社を紹介している記事もご覧ください。
ここでは、見積管理に関する現状と課題、そしてクラウド型見積管理システムを導入すべき理由について解説します。
見積管理の現状と課題
見積書の作成や管理をエクセルで行っている工務店は多いのではないでしょうか。
操作に慣れていて使いやすいほか、導入のコストもかからないため、ネット上で様々な企業が無料配布しているエクセルの見積書テンプレートなどを使用している工務店も多いでしょう。
しかしエクセルの場合、管理がうまくできないと情報の一元化および共有が難しくなる恐れがあります。
例えば、過去の見積書を参考に見積書を作成したい場合や現在進行中の案件の見積書を確認したい場合などです。
見積書を誰がどこのファイルで管理しているのかわからないと、必要な情報をスピーディーに確認することができないでしょう。
このように、見積管理がうまく行えていないと、属人化や情報の断片化につながってしまいます。
また、過去の見積情報を蓄積していくと、どういった見積は成約につながっているのか、利益率のいい見積はどのようなものなのか、といった分析を行うことができます。
分析結果をもとに営業活動を行えば、さらに高い成果を上げることもできるかもしれません。
しかし、見積管理が適切に行われていなければ、こういった分析もできないでしょう。
クラウド型見積管理システム
クラウド型見積管理システムとは、見積管理や情報共有を適切に行い、情報の断片化を防いでくれる便利なツールです。
クラウドを活用するため、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレット端末から見積書の確認もできます。
そのため、現場ですぐに見積書を確認したいときや見積書の作成を行うときなどにも活躍してくれます。
クラウド型見積管理システムのメリット
ここでは、クラウド型見積管理システムを利用するメリットとして、以下の2点について解説します。
見積書作成業務の効率化
クラウド型見積管理システムを導入することで、社内全体でひとつのシステムで見積を管理することになるため、情報の一元管理が可能になり、見積書作成にかかる業務を効率化することができます。
情報管理が一元化されると、必要な情報にすぐにアクセスすることができます。
例えば、見積書を作成するときに過去の見積を参照したい場合でも、システム上にすべての情報があれば、すぐに見つけることができるでしょう。
また、一元管理ができるようになれば、属人化してしまう恐れもないため、従業員の病欠や退職、異動などがあっても、業務に大きな支障を与えません。
これによって、見積作成が容易に行えるようになり、業務効率化にもつながると考えられます。
コスト削減
クラウド型見積管理システムを導入すれば、見積作成からやり取りまですべてオンライン上で完結させることができます。そのため、従来のように見積書を印刷する必要がなくなり、印刷に使用する紙やインクにかかる費用、さらには取引先に郵送する際の封筒や切手にかかる費用などを削減することができます。
システムの利用料金自体はかかりますが、各種コスト削減に加え先ほどの業務効率化によって人件費の削減も期待できるため、長い目で見ればコスト面でのメリットも大きいといえるでしょう。
クラウド型見積管理システムのデメリット
クラウド型見積管理システムには、メリットの一方でデメリットも存在します。ここでは、以下の2つのデメリットについて解説します。
インターネット環境が必要
クラウド型見積管理システムは、いつでもどこでも見積書の作成や閲覧ができる便利なシステムです。しかし大前提として、利用するためにはインターネット環境が必要になることを忘れてはいけません。
そのため、インターネット環境がないと、見積書の作成や確認は一切できなくなります。電波が入りにくい現場などの場合はシステムが使えるか事前に確認し、使えないのであれば別の方法で対応するようにしましょう。
クラウド化に対する取引先の理解
自社がクラウド型のシステムを導入していたとしても、取引先にクラウド型システムに対する理解がなければ活用できません。
取引先によってはインターネット上でのやり取りに不安を感じ「郵送で見積書を送ってほしい」とするケースもあるでしょう。そのような場合、相手の意向を尊重して郵送で送らないと失礼にあたる可能性もあるため注意が必要です。
クラウド型見積管理システムの選び方
クラウド型見積管理システムを選ぶ際は、主に業種に適した見積書作成機能があるかどうかと、セキュリティ対策が充実しているかという2つの点に注意が必要です。
それぞれの具体的なチェックポイントを確認していきましょう。
業種に適した見積書作成機能があるか
見積書と一言でいっても、企業や業種によって見積で扱う項目に違いがあります。そのため、導入を検討しているクラウド型見積管理システムが、自社の見積書に必要な項目を扱っているか、もしくはカスタマイズができるかどうかを確認しておく必要があります。
またシステムによっては、自社に適した項目をカスタマイズできる機能はついているものの、機能が有料オプションで想定していたよりも費用がかかる可能性もあるため注意してください。
セキュリティ対策が充実しているか
クラウド型見積管理システムを導入する場合、セキュリティ対策は必ずチェックするようにしましょう。
クラウド型サービスの場合、インターネットを利用していることもあり、自社のアカウントに第三者が侵入する可能性はゼロではありません。最悪の場合、情報が漏洩する可能性もあるでしょう。情報漏洩が自社の責任ではないとしても、会社に対する信用は大きく低下するため、注意しなければなりません。
セキュリティ対策に関しては、クラウド型見積管理システムを提供する企業のセキュリティポリシーをチェックするようにしましょう。
まとめ
今回は、クラウド型見積管理システムの概要からメリット・デメリット、選ぶときのポイントなどについて解説しました。
クラウド型見積管理システムを導入することで、情報の一元管理が可能になり、業務効率化を図ることが可能となります。
また、システムを選ぶときは、自社の見積書に適しているか、セキュリティ対策は万全かといった点を確認するようにしましょう。