建設業界では慢性的な人手不足や材料費高騰による利益圧迫に対抗するために、建設DXへの対応が急務です。
しかし、多くの会社では建設DXに対応できておらず、業務の進め方に変化はありません。
建設DXに対応できると少ない人員で業務を回せ、無駄なコストを削減できるため、人手不足解消や利益率の向上につながります。
本記事では、建設DXが遅れる理由と手軽に建設DXを業務に取り入れられるアプリを3つ紹介するため、建設DXへの対応を考えている方は、参考にしてください。
目次
建設DXが遅れる5つの理由
建設DXへの対応が遅れる理由は、建設業界特有の業界構造や業務の進め方によるものです。
詳しい理由を以下5つ解説します。
下請け構造
建設業界は、ゼネコンや住宅会社が元請として案件を受注し、実際の工事は協力業者がおこなう下請け構造となっています。
協力業者のほとんどは、零細企業や一人親方が占めるため建設DXを導入に掛かる費用や時間的余裕はありません。
元請会社はデジタルで情報を管理・共有していても、協力会社が業務のデジタル化に対応できないため、アナログな業務を削減できず建設DXが遅れています。
アナログな業務
建設業界は、紙やFAXなどのアナログな業務が主流です。
- 押印されていない見積書は受け付けられない
- 納品書や請求書のやりとりは郵送
- 図面チェックは紙でしかおこなわない
- リモート会議の仕組みが整っていない
多くの会社は、現状抱えている業務をアナログな方法で滞りなくおこなえています。
そのため、建設DXによる業務効率化やコスト削減などの効果には興味を示さないことが多いです。
業務プロセスの改善には、費用や手間が掛かります。
「建設DXで業務が楽になりますよ」と説明しても、アナログな業務に慣れており変化を嫌う方が多い会社では建設DXの導入は難しいです。
現場作業
建設業界は屋外での現場作業が基本で、現場ごとに地形や建物の仕様が異なります。
また雨や台風、雪などの天候によっても影響も考えられるでしょう。
現場ごとに異なる作業条件や天候の影響で、工場と異なりITによる業務の効率化がおこないづらいです。
人材不足
建設業は慢性的に人手不足です。
特に建設DXの導入には、ITリテラシーの高い人材が必要です。
しかし建設業界は常に人手不足であり、ITに詳しい人材どころか通常業務に必要な人材も確保できていない会社が大部分を占めます。
そのため、建設DXの導入を検討できる段階にない会社が多いです。
各社バラバラな規格
元請各社がバラバラな規格なことも建設DXが遅れる原因です。
以下の建設DXにおける代表的な取り組みは、業界共通の規格がありません。
- BIM
- ICT
- アプリなどのクラウドサービス
特にアプリは、各社それぞれ別のアプリを導入しているため、協力業者は元請の数だけアプリをインストールしなければなりません。
アプリの数が多くなると管理が煩雑となり、ITに苦手な方では扱いきれなくなります。
建設DXを推進する効果
建設DXを導入するには業務プロセスの変更が伴うため、時間と手間が掛かります。
建設DXの効果をしっかりと認識していないと、導入に失敗するでしょう。
建設DXの導入を検討している方に、導入の効果を解説します。
ペーパーレス化
建設業界は紙での業務が主流ですが、建設DXの取り組みにより紙の使用を削減可能です。
例えば、アプリの活用により情報をクラウド上で管理すると、パソコンやスマホがあればどこからでも情報の共有・確認をおこなえます。
毎回紙で確認していた情報は、アプリで確認できるため書類を探す手間が掛かりません。
業務をペーパーレス化すると、書類の管理コストを削減しキャビネットのスペースなどが不要となります。
業務効率化
建設DXは、さまざまなアナログ業務をITやデジタルの力で効率化します。
例えば、時間と手間が掛かる業務の1つの施工写真撮影・整理は、アプリで効率化可能です。
電子黒板を活用すれば、黒板に記載する内容を後から変更できるため、写真の撮り直す手間が減ります。
撮影した写真は自動でクラウド上に保存・整理されるアプリもあり、デジカメからパソコンに写真データを移動させる必要はありません。
またバックオフィス業務の効率化も可能です。
請求書の送付はデータでおこなえるなど、郵送といったアナログな業務から解放されます。
建設DXを上手に活用すれば、生産性のない業務をITに任せることが可能です。
技術の継承
熟練技術者の技術の継承は、建設業界が抱える課題の1つです。
建設DXは、技術の継承をサポートできます。
熟練記述者の施工手順を写真や動画に残し、誰でも閲覧可能な状態にすると若手技術者は、いつでも高いレベルの技術を学べます。
また見積書作成などのバックオフィス業務の技術も継承可能です。
例えば、アプリで見積書を作成するとクラウド上で現場や顧客ごとに保存されます。
保存された見積書は、図面などの関連資料を含め簡単に検索をおこなえ、ベテラン社員がどのような考えで見積書を作成したのかを確認可能です。
一度作成した書類を活用と、ベテラン社員の知識や考え方を共有可能で、若手社員の教育をおこなえます。
建設DXを推進できるアプリ3選
建設DXの取り組みは数多くあり「何から取り組んだらよいかわからない 」と悩む方もいるでしょう。
初めての建設DX取り組む方は、アプリの導入がおすすめです。
工務店向けの建設DXに最適なアプリを3つ紹介します。
ツール名 | サービス詳細 |
---|---|
AnyONE | ・多くの工務店業務を効率化できる機能が備わった業務管理システム ・PC版とアプリ版が用意されている ・アプリの活用で外出中でも情報共有がおこなえる |
Kizuku | ・コミュニケーションに強みを持つ施工管理アプリ ・基本機能とオプション機能に分かれている ・ITの苦手な方でも簡単に操作できる |
ANDPAD | ・あらゆる規模の現場で使用できるクラウド型施工管理サービス ・現場管理に必要な情報や書類を集約できる ・写真への書き込みで的確に指示を出せる |
AnyONE(エニワン)
AnyONEは、多くの工務店業務を効率化できる機能が備わった業務管理システムです。
データ管理や書類作成をおこなえる「PC版」と情報の共有・確認をおこなえる「アプリ版」があります。
PC版の主要な機能は以下の通りです。
- 顧客管理
- 工事・施工管理
- 見積り・実効予算作成
- 発注管理
- 入出金管理
- アフター管理
アプリ版では、PC版で管理している情報・書類の確認が可能です。
さらに外出先から施工写真の保存や日報の作成・確認もおこなえ、バックオフィスとの情報共有がリアルタイムでおこなえます。
詳しくは、AnyONEの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
Kizuku(キズク)
Kizukuは、コミュニケーションに強みを持つ施工管理アプリです。
基本機能とオプション機能に分かれています。
基本機能は以下の6つです。
- スケジュール管理
- トーク機能
- コネクション機能
- 図書共有・写真管理
- 現場管理
- マスタ管理
ITに苦手意識を持つ職人さんでも使用しやすい画面設計となっており、操作性に優れています。
詳しくは、Kizukuの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
ANDPAD
ANDPADは、あらゆる規模の現場で使用できるクラウド型施工管理サービスです。
以下のような現場管理に必要な情報や書類を集約できます。
- 顧客・近隣情報
- 現場住所・地図
- 現場の注意点
- 図面・指示書
上記の情報は工事関係者と共有できるため、情報共有に手間が掛かりません。
写真への書き込みもおこなえます。
施工指示や修正指示を的確に出せるため、現場監督と職人さんの認識違いを防止可能です。
詳しくは、ANDPADの機能や特徴、口コミ・評判についての記事をご確認ください。
まとめ
建設DXを業務に取り入れると、建設業界が抱える課題を解決可能です。
業務のペーパーレス化や業務効率化、技術の継承をサポートします。
建設DXはハードルが高いように思われますが、アプリの導入で業務をデジタル化するなど手軽におこなえる取り組みもあります。
初めて建設DXに取り組む方は、本記事を参考に工務店用のアプリを導入してください。
読者の中には「最もおすすめのアプリを知りたい」と考える方もいるでしょう。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。