工事注文書・請負書は、エクセルを活用すれば自社で一から作成可能です。
ただし効率よく工事注文書・請負書を作成するには、インターネット上のテンプレートを使うことをおすすめします。
この記事では、おすすめの工事注文書・請負書テンプレートを7種類と、テンプレートを使用する際の注意点を紹介します。
目次
工事注文書・注文請書とは?
工事注文書・注文請書とは何か解説します。
工事注文書とは、建設業に基づいて作成される書類で、工事内容や取引先名称、発注金額や納期などを記載します。
着工前に交付して内容をお互いに確認することにより、契約内容への合意形成が可能です。
工事注文書と注文請書の違いとは
工事注文書と注文請書の違いについても理解しておきましょう。
注文書は「発注側の申込の意思を確認するための書類」です。
一方で注文請書は受注側が「注文を受け付けた意思を表明した書類」です。
つまり、双方が揃って初めて注文における合意が形成されたと判断されます。
工事注文書は発注の意思を示す書類
工事発注書は発注の意思を示すための書類であり、注文者が注文内容を明記する必要があります。
万が一注文書がない状態で工事を進めると、工事に対しての認識のずれにつながり、賠償問題に発展しかねません。
多額の金額が動く工事の発注者を守るためにも、工事発注書は重要内意を持ちます。
工事注文書は確定申告の提出期限翌日から7年間の保存義務あり
工事注文書は確定申告の提出期限翌日を起算日とし、7年間の保存義務があります。
工事注文書は法人税法において帳簿書類に該当するためです。
なお、欠損金が生じた場合の繰越控除を受ける場合に限り、10年間の保存義務が生じます。
なお、従来は建設業法により注文書・注文請書は紙での発行が義務つけられていましたが、2001年の建設業法改正に伴い、電子発行が可能となりました。
電子で発行した場合も保管義務自体に変更はないため、7年間の保存が必要です。
工事注文書・注文請書の雛形の入手方法
工事注文書・注文請書の雛形をダウンロードする方法は以下の2つです。
無料の雛形をダウンロードする
工事注文書・注文請書の雛形は、無料でダウンロードできます。
建設業向けのテンプレートは数多く公開されており、ダウンロードしてアレンジをすればすぐに使用できます。
ただし、工事注文書・注文請書の雛形の無料テンプレートは改正されていないものも多く、書式が古い場合があるため注意が必要です。
本記事の後半にて、無料の雛形をダウンロードできるサイトを紹介しています。(クリックすると所定の位置までジャンプします。)
全国建設業協会の雛形セットを購入する
最新の工事注文書・注文請書の様式が欲しい方は、全国建設業協会の雛形セットがおすすめです。
- 工事下請注文書(ノーカーボン・3枚複写)
- 注文書、注文請書、注文控(様式第1号及び第2号)
- 【令和2年4月改正】
上記のセットが1冊770円で購入できます。
無料テンプレートも全国建設業協会の統一様式を参考に作成されてはいますが、最新の様式を使用したいという場合は、上記サイトから購入すると良いでしょう。
工事注文書・注文請書の雛形・テンプレートを使用する注意点
工事注文書・工事注文請負書とは、工事における簡易的な契約書です。
工事注文書・工事注文請負書は、インターネットで公開されているテンプレートを使用することをおすすめします。
ただしテンプレート利用時にはいくつかの点に注意する必要があります。
ここでは、以下の4つの注意点について解説します。
工事注文書の記入必須項目
工事注文書には、工事内容や請負代金額、工期そして国税庁によって定められている必須項目を記載する必要があります。
必須項目は以下の通りです。
①発注元の氏名又は社名
【引用】国税庁-No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた
②取引年月日
③取引内容
④取引金額(税込み)
⑤注文書を受ける事業者の氏名または名称
テンプレートを使用する際は、これらの項目が漏れなく記載されているか確認するようにしましょう。
消費税率
2023年8月現在、消費税率は10%です。
テンプレートの中には、消費税率が更新されておらず8%のままになっているものもある可能性があります。
そのため、テンプレートを使用する際は、消費税率が間違っていないかチェックするようにし、もし間違っていたら修正しましょう。
建設業界専用テンプレートを使用
ビジネスに使用できる各種テンプレートがダウンロードできるサイトで配布されている注文書・注文請書は、建設業界向けではないケースがほとんどです。
一方で、帳票発行システムを提供している企業などの中には建設業向けのテンプレートを無料配布しているケースが多いです。
そういったテンプレートを使用すれば、スムーズに業務で使用することができるでしょう。
もちろん、建設業界専用でないテンプレートもアレンジすれば使用できます。
ただしアレンジには、時間と手間がかかります。
そのため、アレンジの手間を省きたいのであれば、建設業専用のテンプレートを使用するようにしましょう。
工事注文書と注文請書のセットを選ぶ
工事注文書と工事注文請書はセットのものを選ぶようにしましょう。
実は、工事注文書に対して、工事注文請書は必ずしも必要というわけではありません。
大抵のケースでは発注者が注文書と注文請書を発行し、受注者が捺印して返すことが多いです。
工事注文書と工事注文請書が、セットになっているテンプレートを選ぶことをおすすめします。
【無料】工事注文書・注文請書の雛形・テンプレート3選
工事注文書と工事注文請書のテンプレートを3つ紹介します。
取り上げるテンプレートは、いずれもダウンロードサイトに企業名やサイト運営者の情報が記載されているため、安心して使用可能です。
経費削減実行委員会
経費削減実行委員会は、「企業のコスト削減と、業務効率を推進するサイト」として、インターネットメディア事業を展開する株式会社オーナー’sが運営しています。
工事注文書や工事注文請書をはじめとして誰でも利用できるビジネス書式のテンプレートを提供していることが特徴です。
工事注文書・工事注文請書に関してはたくさんの種類を取り扱っています。
その中でも注文書と注文請書がセットになっているものがおすすめです。
bizocean
bizoceanは、株式会社ビズオーシャンが運営するビジネステンプレートサイトです。
各種ビジネス書式テンプレートの提供はもちろんのこと、テンプレートの使い方(記載方法)やコラムなどさまざまな情報を取り扱っています。
bizoceanのテンプレートを実際に利用した人からは、「使いやすい」「わかりやすい」というコメントが投稿されています。
brother
brotherのテンプレートは、以下の事業を手掛けるブラザー工業株式会社が提供しています。
- パーソナル・アンド・ホーム事業
- ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
注文書、注文請書、それぞれをダウンロードして、セットで使えるため非常に便利です。
【無料】注文書・注文請書の雛形・テンプレート4選
ここでは、無料で利用できる一般的な注文書・注文請書テンプレートを4つ紹介します。
建設業向けではないものの、帳票を発行できるシステムを提供している企業などが提供する汎用性が高いテンプレートです。
Misoca
Misoca(みそか)
同社では、請求書作成ソフトの「Misoca」や中小企業、個人事業主に向けて「弥生会計」や「やよいの青色申告」などのソフトウェアを提供しています。
ダウンロードできる注文書は、カラーバリエーションが豊富なことが特徴です。
自社に適したものをダウンロードしてみてください。
ビジネス テンプレート byクラウド型業務・経営管理システム「board」
クラウド型業務・経営管理システム「board」を運営しているヴェルク株式会社が提供しているテンプレートです。
テンプレートには、縦型・横型などさまざまなタイプがあるため、自社の用途に応じて選びましょう。
Spread Office
Spread Officeは「株式会社スプレッドオフィス」が提供するテンプレートです。
同社では、「スプレッドオフィス」というクラウド業務システムの提供も行っています。
こちらのテンプレートは、窓付封筒に対応したレイアウトとなっています。
そのため、テンプレートのレイアウトに合わせて社封筒を変更する必要がありません。
また、カラーバリエーションは、縦型・横型の注文請書を、ブルー、グリーン、臙脂(えんじ)の3色ずつ用意しています。
bizroute
bizrouteは、株式会社エクシアが運営するオンラインメディアです。
ビジネスで役立つノウハウやツールを主に紹介しており、テンプレートのダウンロードもおこなえます。
こちらのサイトには、注文書・注文請書テンプレートが28種類も用意されているなど、種類の豊富さが特徴です。
比較したうえで、自社で使いやすそうなものをダウンロードしてみてください。
まとめ
今回は、工事注文書・工事注文請書のテンプレートに関して、使用する際の注意点と、おすすめのテンプレートを7つ紹介しました。
- 経費削減実行委員会
- bizocean
- brother
- Misoca
- ビジネス テンプレート byクラウド型業務・経営管理システム「board」
- Spread Office
- bizroute
テンプレートは、使用することで業務での無駄や手間を省くことができる便利なものです。
一方で、建設業での利用にあっていないものや、消費税率が古いままのものもあるため注意が必要です。
工事注文書・工事注文請書作成だけでなく、帳票作成にもテンプレートを使用したい方には工務店業務全般を効率化できるソフトの導入をおすすめします。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。