建設業の工事現場では、日々の業務報告として作業員に作業日報を提出させる会社が多くあります。
こうして多くの工事現場で提出を求められる作業日報ですが、具体的にどのような役割があるのか詳しく把握していない方も多いのではないでしょうか?
今回は、建設業における作業日報の役割について、メリットや効率的な作成方法についても解説します。
目次
建設業における作業日報の役割
ここでは、建設業における作業日報の役割について解説します。
具体的には以下2つの役割があります。
各業務の進捗状況の把握
作業日報を作成することで、工事現場の管理者が各業務の進捗状況を把握するのに役立ちます。
作業日報内では、その日どのような作業を行ったかが記載されています。
事前にフォーマットを決め、施工箇所や施工内容を記録する欄を設ければ、業務の進捗状況を可視化することが可能です。
進捗状況をしっかりと把握できれば、どの業務のどのような遅れが生じているかなどに気づくことができ、大きなトラブルを防げるでしょう。
また、建設工事は大規模なものほど長期間にわたることも多く、複数の工事を同時進行で進めるケースも多いです。
そうした状況下では、各工事の状況を1つ1つきちんと把握しておく必要があり、作業日報は進捗状況を把握するツールとして重要な役割を果たします。
適切な労務管理
適切な労務管理をおこなう上でも、作業日報は重要な役割を果たします。
労務管理ができていないと、従業員の健康面に悪影響を及ぼす可能性があり、作業員に効率よく活動してもらうためにも適切に管理しなければなりません。
作業日報では、1日の作業時間や作業内容などが細かく記載されているため、従業員に適切な業務量を与えているか確認できます。
また、建設現場では直行直帰となるケースも多いため、タイムカードなどによる勤怠管理は難しいことも。
作業日報であれば、作業開始時刻と終了時刻の記載項目を設けることで、それをもとに勤怠管理を適切におこなうことが可能です。
作業日報を作成するメリットとは?
ここでは、作業日報を作成するメリットについて解説します。
具体的には以下の3点のメリットが挙げられるでしょう。
労働環境の改善
作業日報を作成することで、労働環境を適切に改善するのに役立ちます。
工事現場での作業は、納期などの関係もあり、時期によっては多くの業務量をこなさなければならないことも。
しかし、過剰な労働は心身に多大なるダメージを与えてしまい、作業員の健康を損なってしまうと業務効率にも影響が出てしまいます。
1日あたりの労働時間や作業量を適切に管理することで、作業員の健康を維持しながら効率的に作業ができるため、労働環境の改善はもちろん、生産性の向上にもつなげられるでしょう。
人件費などのコスト削減
人件費などのコスト削減に役立つのも、作業日報作成のメリットです。
工事をおこなう上で、人件費を含む労務費は非常に大きなコストとなります。
こうした人件費を適切にコントロールする上でも作業日報は非常に役立ちます。
例えば、作業員の作業日報を集計することで、着工前に想定していた労働力と実際の労働力を比較することが可能です。
もし想定よりも人員不足となっていた場合、納期の遅れや余計な残業代がかかってしまっていることがわかります。人員が余っていた場合、人件費を多く見積りすぎていたことがわかります。
作業日報を細かく分析することで、人件費を最低限に抑えながらも求められている工事の品質に仕上げることが可能なため、結果的に工事全体のコスト削減につながるでしょう。
作業員の健康状態チェック
作業員の健康状態をチェックできる点も、作業日報のメリットです。
作業日報を毎日チェックすることで、文面などから作業員の異常などに気づきやすくなり、病気や怪我を起こす前に事前に対策を打てます。
理想的な状態としては、チームや現場内で作業日報を共有できる状態です。
チームや現場全体で業務の進捗状況を把握でき、作業員同士のコミュニケーションも円滑にできるため、互いに抱えている悩みなどをケアしあえることにもつながります。
作業日報の作成を効率的にする方法を紹介!
ここでは、作業日報の作成を効率的にする方法について解説します。
具体的には以下の2つの方法があります。
エクセルなどでテンプレートを用意する
作業日報を作成する際、エクセルなどでテンプレートを用意することで効率的に作業を進められます。
ワード・エクセルなどはほとんどの建設業会社で導入されており、普段から使い慣れている作業員も多いため、わざわざ操作方法などを教える必要もなく、すぐにとりかかることができます。
また、テンプレートは自社のオリジナルものをゼロから作成することも可能です。
ただし、建設現場に必要な項目を網羅する必要があるため、ある程度の専門的な知識やワード・エクセルの編集スキルなどが求められます。
もしこだわりがない場合は、WEB上に無料で公開されている建設現場用のテンプレートを使うのがおすすめです。
すでに必要な項目を網羅したテンプレートを使えば、わざわざテンプレートを自作する手間も省くことができる上、誰でも簡単に作業日報を作成することができます。
また、テンプレートは種類も豊富にあるため、自社に最適なものを見つけやすいでしょう。
専用の管理システムを使う
作業日報の作成には、専用のシステムを使うこともおすすめです。
具体的には日報をはじめとした工事に関係するあらゆる項目を管理できる工事管理システムがあり、受注から売上管理などもシステム上でおこなえます。
工事管理システムを導入することで、作業日報をはじめとしたあらゆる業務の利便性を高めることが可能です。
また、工事管理システムはタブレットやスマートフォンなどからもアクセスして操作することができるため、時間や場所を選ばずに作業日報を完成させることができます。
直行直帰などで会社に寄らない場合でも、わざわざ作業日報のために会社に戻る必要もないため、移動コストなどの削減にもつながります。
このように、多くの面で作業を効率化できるため、作業日報とともに工事に関するあらゆる項目の管理を効率化させて作業員の負担を減らしたい方には検討の価値があるといえるでしょう。
詳しくは、「工事管理システムとは?基本的な機能や成功事例を紹介!」の記事でも紹介しているため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
作業日報の作成は、業務進捗管理や労務管理などで重要な役割を果たし、労働環境の改善や人件費の削減など多くのメリットがあります。
テンプレートを用いて作成するのも良いですが、システムを導入することで作業日報以外の業務を効率化できるでしょう。
工事に関わるあらゆる業務を効率化させたい方は専用のシステムを導入することをおすすめします。
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