【建設業界】完成工事総利益(粗利益)を増やす方法と注意点を解説

今回は、建設業界で働く方に向けて、完成工事総利益の増やし方と注意点について解説しています。

そもそも、完成工事総利益とはなんなのか、どうやった求めることができるのか、といった基本的なことから、具体的に利益を増やす方法についても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

完成工事総利益(粗利益)とは

完成工事総利益(粗利益)とは

完成工事総利益とは、売上高から、売上原価を差し引いた際に残る利益のことです。粗利益と呼ぶこともあります。建設業においては、工事の期間が長いことに加え、扱う金額も高額であることから、一般的な会計方法とは異なる性質を持っています。そのため、粗利益の計算方法も若干の違いがあります。

一般的な会計の場合、粗利益は「売上高-仕入高=粗利益」となります。しかし、建設業における完成工事総利益(粗利益)は、以下の計算式で求めます。

完成工事総利益(粗利益)の計算式

完成工事高-完成工事原価=完成工事総利益(粗利益)

なお、完成工事高とは、一般企業における売上高のことであり、完成した工事の収益や売上高だと考えてください。また、完成工事原価は、工事にかかった原価のことです。

工事利益を増やす方法

工事利益を増やす方法

ここでは、工事利益を増やす方法について解説します。ポイントをおさえて、少しでも利益アップを目指しましょう。

図面管理のポイント
  • 業務効率化を意識する
  • クラウドに保管
  • 図面管理アプリ・システムを活用

変動費を削減

工事利益を増やすには、変動費を削減することが重要です。
変動費とは、売上に比例する形で増減する経費のことです。
建設業の場合、材料費や労務費、外注費、光熱費、運搬費、設計費などが変動費として考えられます。
単純に考えれば、従来の売上を維持し、これらの変動費を減らすことができれば、利益を増やすことができるというわけです。

では、どのようにして変動費を減らすのでしょうか。
例えば、材料費をおさえる方法が挙げられます。具体的には、材料の仕入れ先を見直すか、中間業者を利用せずに、自社で材料を仕入れる仕組み作りがあります。
材料を用意する場合、中間業者を経由して仕入れを行なっている企業も少なくないでしょう。
しかし、中間業者を経由する分、コストも余計にかかってしまいます。
そこで、中間業者を利用せずに、自社で材料を仕入れる仕組みを作れれば、それまで中間業者に支払っていたお金をそのまま利益にすることができます。

仕入れ先や中間業者との付き合いもあるため、なかなか難しいことかもしれませんが、利益アップには有効な手段といえるでしょう。

工事原価管理

近年では、建設業界においても価格競争が激化していることもあり、一人ひとりが工事原価管理の意識を持つことが利益アップには欠かせません。
現場で働いている人の中には、受注や見積もり作成の段階で、実際にどのくらいの費用がかかるのか把握できていない人が意外と少なくありません。
予想と実際の費用に乖離があるため、思ったように利益が出ないといった事態が発生してしまうのです。
このような事態を避けるためにも、常に適正な工事原価管理に取り組むことが重要です。

適切な工事原価管理の具体的な方法としては、工事原価や見積、発注量の増減など工事の進捗状況を管理できるシステムの導入が挙げられます。
システムを利用すれば、工事原価の分析や管理が簡単に行え、さらに社内での情報共有も容易に行えるようになります。
簡単にお金の状況を把握できる環境を整えれば、適正な工事原価管理につながるはずです。

工事原価とは?構成費用や管理方法、原価率についても解説

損益分岐点を把握

利益を増やすためには、損益分岐点を把握することも重要です。損益分岐点とは、利益がちょうど0円になる売上額のことです。以下の計算式によって求めることができます。

損益分岐点の計算式

損益分岐点=売上高-変動費(原価)-固定費(販管費)

上記の計算の結果が0円になれば、正しく損益分岐点を把握できているということです。

また、損益分岐点が把握できれば、それを活用して目標売上高、安全余裕率の計算をすることもできます。

目標売上高とは、事業を維持するための目標とするノルマだと考えてください。
また、安全余裕率とは、損益分岐点に対するその時点における売上高がどのくらい余裕があるのかを示すものです。
安全余裕率が、損益分岐点から離れていればいるほど、売上に余裕があるということです。

それぞれの値は、以下の計算式によって求めることができます。

目標売上高の計算式

目標売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率

安全余裕率の計算式

安全余裕率=(実績売上高-損益分岐点売上高)÷実績売上高

損益分岐点を把握できれば、現時点での売上はどのくらい余裕があるのか、目標として掲げている利益に到達するには、あとどれくらいの売上が必要なのか、といった点がわかります。

工事を受注する前の段階でこれらの数値が把握できていれば、より利益を意識して見積もり作成ができるようになるでしょう。

工事利益を増やす際の注意点

工事利益を増やす際の注意点

ここでは、工事利益を増やす際に覚えておきたい注意点について解説します。
利益を増やすことばかりに注力しすぎると、これらの点が抜け落ちてしまうため、覚えておくようにしましょう。

図面管理のポイント
  • 業務効率化を意識する
  • クラウドに保管
  • 図面管理アプリ・システムを活用

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品質維持

利益を増やす際には、材料費をおさえることも1つのポイントとなります。
しかし、費用をおさえるために材料の品質を下げるといったことはしないようにしましょう。
材料の品質を下げれば確かに利益は出るかもしれませんが、工事の品質が下がってしまうため、結果的に受注先などからの信頼を低下させてしまう恐れがあります。
そうなると、継続して工事を受注するのが難しくなってしまうかもしれません。

無理のない人員配置

人件費を削ることも、工事の利益アップにつながります。
しかし、人員を削減したために、現場の作業員に負担がかかるといった事態にならないように注意が必要です。

例えば、「人員が減ったために工期が長引いてしまう」「作業員一人当たりの作業量が増えてしまう」といったことが挙げられます。
人員の配置を見直す際には、このような事態を避けるためにも、適切な配置を心がけるようにしてください。

お金の流れを把握

利益を増やすためには、お金の流れを適切に把握しておくことが重要です。
先ほども触れていますが、工事を受注のための見積作成時や工事の実施段階で、その時点でどのくらいのお金がかかっているのか、最終的にはどのくらいのお金がかかるのか、といったことを正確に把握できている人は意外と多くありません。

これらの点を改善するには、普段から原価管理をこまめに行うことが重要です。
目標とする利益を定め、最終的な原価を常に感がながら工事原価を管理する、というお金の流れを理解することが利益アップには欠かせないといえます。

まとめ【建設業界】完成工事総利益(粗利益)を増やす方法と注意点

今回は、完成工事総利益(粗利益)を増やすための方法と、その注意点について解説しました。
利益を増やすためには、変動費の削減や適切な原価管理、さらには損益分岐点の把握などが欠かせません。
いくら大型の工事であっても、見積作成段階で、最終的な完成工事原価が正しく予想できていなければ、大きな利益を得ることはできないでしょう。

少しでも利益アップが測れるように、システムを導入するなどして、お金の流れや原価を把握できる環境の整備に努めてみてください。

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