図面を賢く管理する方法は?図面管理の必要性やポイントも紹介

工務店など、建設業に従事する企業の中には、工事の図面管理において課題を抱えている企業も少なくないでしょう。
例えば、「同じ図面を複数枚作成してしまった」「変更点が反映されていない古い図面を外注先に渡してしまった」などです。
このようなことが起こると、無駄な手間と時間が発生して、作業の効率が悪くなってしまいます。

そこで今回は、図面管理の必要性や、図面管理を行う際のポイントについて解説します。
図面管理における課題を解決したいと考えている工務店の方は、ぜひ参考にしてみてください。

図面管理の必要性

図面管理の必要性

そもそも、なぜ図面管理を行う必要があるのでしょうか。ここでは、図面管理を行う必要性について解説します。

図面管理の必要性
  • 法令で義務付けられている
  • アフターメンテナンスに必要

法令で義務付けられている

図面管理は、法律によって義務付けられています。建設業法・建設業法施工規則では、書類保存に関するルールが定められています。

建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。 (建設業を営む者及び建設業者団体に対する指導、助言及び勧告)

【引用】建設業法 第四十条の三

具体的には以下の書類を保存しなければいけません。

  • 建設工事の施工上の必要に応じて作成し、又は発注者から受領した完成図(建設工事の目的物の完成時の状況を表した図をいう。)
  • 建設工事の施工上の必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録(請負契約の当事者が相互に交付したものに限る。)
  • 施工体系図

【引用】建設業法施行規則 第二十六条第5項

これらの書類は、紙面で保存しても構いません。しかし、明確に紙面に表示できるのであれば、データで保存することも可能です。また、上記の書類の保存期間は、完成した建築物を引き渡してから10年と定められています。

工事を行うにあたってはたくさんの図面を作成することになります。また、パソコンや各種システムが高性能化したことにより、企業が扱うデータの数は膨大なものとなっています。

そのため、ただ図面を残しておくのではなく、必要な時にいつでも確認できるように適切な管理を行う必要があるのです。

アフターメンテナンスに必要

図面は、工事が終われば不要になるわけではありません。例えば、建物のアフターメンテナンスやリフォームなどを行う際には、元の図面が必要になります。

また、もし万が一建物に不備があり訴訟に発展した場合、図面があれば自社の施工に問題がなかったことの証明にもなります。
いずれにしても、工事中だけでなく、工事後も図面が必要になる可能性はゼロではありません。

賢い図面管理の方法

賢い図面管理の方法

ここでは、図面を管理する際の具体的な方法について解説します。ポイントを押さえておけば、より効率よく図面の管理ができるようになるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

賢い図面管理の方法
  • ファイル名を統一
  • 更新履歴を残す
  • 最新版がわかるようにする
  • 格納ルールを決める

ファイル名を統一

図面を管理する際には、図面のファイル名を統一するようにしましょう。ファイル名が統一されることで、図面を探しやすくなるほか、ファイル名から何の図面なのか簡単に判断できるようになります。
もし図面のファイル名が工事や作成者によって違っていると、後々図面が必要になった時にどれがどの図面なのかわからなくなる恐れがあります。

ファイル名は「いつ」「誰に」「何のために」といった内容が含まれているとわかりやすいものになるでしょう。

更新履歴を残す

図面の更新履歴は古いものから最新のものまで残しておくようにしましょう。発注者からの依頼によって図面に修正が入ることは少なくありません。

図面の更新履歴が残されていないと、今手元にある図面は最新のものなのかどうかがわからなくなってしまいます。更新履歴が残されていれば、いつ、どの段階の図面なのかが一目でわかるため、必要な時にすぐに確認することができます。

そのほかにも、過去の工事と似ている案件を行う際には、古い図面を使用するケースもあるでしょう。そのような時にも、更新履歴が残されていれば、すぐに参考にすることができます。

最新版がわかるようにする

図面の管理を行う際は、最新版の図面がどれなのかわかるようにしておきましょう。

人によっては「最新」とファイル名に残すかもしれません。しかし、ファイル名に「最新」とついているものの、最終更新履歴は他のファイルよりも古いため、どれが最新なのかわからないといった事態に陥りかねません。

間違えて古い図面を参照したり、外注先に渡してしまったりすると、工事での大きなミスにつながる可能性もあります。必ず、最新版と過去の図面がはっきりとわかるようにファイルを管理してください。

格納ルールを決める

ファイル名を統一することと同時に、フォルダに格納する際には格納ルールを決めておくようにしましょう。実務の中で、異なる属性の図面が同じフォルダ内に格納されていて「どの図面が何の図面かわからなくなった」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。 

このような事態を避けるためにも、下記のような格納ルールを定めておくことをおすすめします。

図面管理のポイント
  • 業務効率化を意識する
  • クラウドに保管
  • 図面管理アプリ・システムを活用

図面管理のポイント

図面管理のポイント

ここでは、図面管理を行う際に覚えておきたい管理のポイントにつて解説します。

図面管理のポイント
  • 業務効率化を意識する
  • クラウドに保管
  • 図面管理アプリ・システムを活用

業務効率化を意識する

「図面管理をする」ということは、ただ単に図面を残しておくためではなく、「業務効率化のために図面管理を行なっている」という意識を持つようにしましょう。

図面管理が適切に行われていないと、必要な図面の検索や担当者間での情報共有に手間と時間がかかってしまいます。
「無駄な手間と時間を削って業務を効率的にこなすために図面管理を行う」という目的をしっかりと掲げれば、社員も適切な管理を心がけてくれるはずです。

クラウドに保管

災害やパソコンの故障などによって、データを紛失したり破損してしまう恐れは常にあります。そのため、図面のデータは、パソコン本体に保管するのではなく、クラウドに保管するようにしましょう。クラウドであれば、万が一パソコンが壊れたとしても、アカウントさえあれば別の端末からデータにアクセスすることができます。ただし、クラウドを利用する際には、セキュリティ面には注意してください。ファイルにアクセスする権限を設定するなど、セキュリティ対策が必要です。

図面管理アプリ・システムを活用

図面の管理が行える専用のアプリやシステムを活用することもおすすめです。図面管理アプリや図面管理システムとは、その名の通り、図面管理や図面の更新履歴などを一元管理することができるアプリやシステムのことです。

システムによっては、CADと連動しているものもあるため、自動的にファイルの更新や保存ができるものや、自動的にデータをフォルダに分けて保存してくれるものもあります。

図面管理システムには様々なものがありますが、スマートフォンやiPadなどのタブレット端末にも対応しているシステムがおすすめです。そのような図面管理システムだと、現場で簡単に図面を確認できるでしょう。

まとめ

今回は、図面の管理方法に関して、その必要性や具体的な管理方法、さらには管理をする際のポイントなどについて解説しました。

ファイル名を統一する、更新履歴を残す、格納ルールを決める、など図面の効率的な管理には特別な方法が必要なわけではありません。ルールをしっかりと定めれば、適切な管理ができるはずです。

さらに効率よく図面管理を行いたい場合は、図面を管理できるアプリやシステムの利用も検討してみてください。

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