建設現場で働く人の中には、内勤と現場、さらには関連企業とのコミュニケーションがスムーズにできないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。また、図面や現場の状況の共有を行いたいのに、タイムラグがあって即時性がないというケースもあるでしょう。そのような課題に対して活用できるものが「ビジネスチャット」です。
この記事では、ビジネスチャットの概要から、その効果や選び方、さらにはおすすめのビジネスチャットなどについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
ビジネスチャットとは?
ビジネスチャットとは、ビジネスシーンで利用できるコミュニケーションツールのことです。チャット機能のほかに、写真の共有やグループでのチャット、通話、さらにはタスク管理などを行うことができます。
テキストでのコミュニケーションというと、メールをイメージするかもしれません。メールの場合、どうしても堅苦しさの残る文章となってしまいがちですが、チャットツールは実際に会話をしている感覚で気軽にコミュニケーションをとることができます。そのため、社内でのコミュニケーションもよりスピーディーなものになるでしょう。
ビジネスチャットの導入効果
ここでは、ビジネスチャットを導入することによって、どのような効果が得られるのか、解説します。
リアルタイムで情報共有
ビジネスチャットは、メールにはないスピード感でコミュニケーションをとることが可能です。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットからでも操作できるため、電車での移動中や現場からでも、簡単にメッセージや写真を送信することができます。そのため、リアルタイムでの情報共有も簡単に行えるでしょう。
時間の無駄を削減
ビジネスチャットは時間の節約にも貢献してくれます。例えば、現場の状況を写真に撮って共有する場合、従来であれば、カメラで撮影してパソコンにデータを取り込み、指示書などの作成を行うという形で行っていたでしょう。この方法だと手間がかかってしまいます。
一方で、ビジネスチャットを活用すれば、スマートフォンで写真を撮影し、そのままチャットで共有したい人やグループに写真送るだけで済みます。メールで写真を送るよりも、スピーディに添付・送信ができるため、業務効率化につながるでしょう。
伝達ミスを減らせる
工務店での業務において、電話でコミュニケーションをとる機会が少なくありません。そのような場合、付箋やメモ、口頭で伝達を行いますが、ミスが発生してしまうことも少なくありません。
ビジネスチャットの場合は、やりとりの記録がチャット上に残るため、後から確認することができ、伝達ミスを減らすことができます。
迅速なトラブル対応
ビジネスチャットを活用すれば、現場で緊急事態が発生したときでも、電話やメールだと伝えにくい現場の状況を写真や動画ですぐに一斉共有することができます。情報共有が速やかに行われると、その対応の指示もすぐに出されるため、トラブルに早い段階で対処することができるでしょう。また、二次災害の発生防止にもなります。
コミュニケーションが増加
ビジネスチャットは、メールのようにかしこまった挨拶や表現などは不要で、実際に会話をしているようなイメージでコミュニケーションが取れます。また、サービスによってはスタンプなどが利用できるものもあります。そのため、コミュニケーションを気軽にとることができ、従業員間でのコミュニケーション増加も期待できます。年齢や部署の垣根を超えて気軽にやり取りできれば、チームワークの向上や業務効率化にもつながるでしょう。
ビジネスチャットの選び方
ここでは、ビジネスチャットを選ぶ際のポイントについて解説します。ビジネスチャットといっても、その種類はさまざまなため、選び方をおさえておきましょう。
機能性で選ぶ
ビジネスチャットによって、その機能性は異なります。「自社に必要な機能を備えているかどうか」という点で選ぶようにしましょう。チャット機能や写真・ファイルの送信以外にも、電話やタスク管理、既読機能がついているものもあります。さらに、工務店向けのビジネスチャットもあるため、そのようなものを選ぶのもおすすめです。
業務効率化システムを選ぶ
ビジネスチャットは、うまく活用すれば業務効率化につながるものです。そのため、サービスを選ぶ際は、チャット機能に特化した「ビジネスチャット」を選ぶのではなくではなく、工務店業務全体に対応している業務システムで「チャット機能」を備えているものを選ぶようにしましょう。1つのシステムで業務全般がカバーできれば、より業務効率化を測ることができるはずです。
建設業におすすめのチャットツール3選
最後に、建設業での利用に向いているおすすめのチャットツールを3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
LINE WORKS
LINE WORKSは、ワークスモバイルジャパン株式会社が提供するビジネスチャットツールです。多くの人が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」のビジネス版だと考えてください。LINEと同じような使用感となっているため、LINEユーザーは教育不要ですぐに利用することができるでしょう。
LINE WORKSでは、グループ作成も可能なため、建設現場別のグループを作成すれば、社内外の関係者間でのコミュニケーションもスムーズにとることができます。LINEのように写真や動画の共有も簡単にできるため、現場の状況も即時に共有可能です。
そのほかにも、LINE WORKSカレンダーを活用して人材や資材のスケジュールを管理したり、図面や工程表をホームに投稿して共有したりすることもできるなど、現場に関わる各種業務をLINE WORKSに集約することができます。
Chatwork
Chatworkは、Chatwork株式会社が提供するビジネスチャットです。メールや電話、会議などビジネスシーンで必要となるコミュニケーションを行うことができます。
アカウントを所有するユーザー同士ならすぐに連絡することができます。そのため、社内での利用はもちろん、社外の関係会社を含めてグループを作り情報共有を行うといったことも可能です。
情報共有については、ファイルを添付する際の容量制限がないため、現場写真はもちろん容量が重くなってしまいがちな動画も簡単に共有できます。また、チャット内でタスクを設定することもできるため、大切な作業の抜け漏れを防ぐこともできるでしょう。
そのほかにも、Chatworkでは、音声通話やビデオ通話に対応しているため、会社と現場が離れていても、その場で会議を行うことができます。会議のための移動時間もなくなるため、より業務効率化を図ることができるでしょう。
そして、Chatworkは、TwitterやGmailといった各種サービスとの連携にも対応しています。例えば、Gmailと連携していれば、メールが届くとChatworkに通知が届くため、いちいちGmailを立ち上げて確認する手間が省けます。
direct
directは、株式会社L is Bが提供するビジネスチャットです。Directは、現場を持つ企業向けのコミュニケーションツールとして、2,000社以上で導入されています。
1対1でのチャットやグループチャットといった機能はもちろん、ボイスメッセージの送信や位置情報の送信なども簡単に行えることが特徴です。
また、チャットにおいては、未読・既読を確認することもできます。未既読に関しては、参加しているメンバーすべての閲覧状況が確認できるため、「Aさんは既読、Bさんは未読」と言った細かい状況まで把握可能です。
そのほかにも、通話機能も備えているため、会議やテレワークの際にも活用できるでしょう。地方の現場に出張しているような時でも、リアルタイムでの会議や情報共有が行えます。
さらに、directが特許を取得しているオリジナル機能として、アンケート作成やタスクの送受信などがあります。これらの機能も活用することで、より質の高いコミュニケーションを図ることができるはずです。
まとめ
今回は、ビジネスチャットに関して、その概要から利用することで得られる効果、選ぶ際のポイント、さらにはおすすめのビジネスチャットについて解説しました。ビジネスチャットは、チャット機能をはじめとして通話機能やファイルの送受信、タスク管理など、現場で必要となるコミュニケーションを簡単にできるようにしてくれる便利なものです。スピーディーかつ無駄のないコミュニケーションによって、さらなる業務効率化を図ることができるでしょう。ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。