工事請負契約書で使用する収入印紙とは?役割から税額まで解説

工事請負契約書で使用する収入印紙とは?役割から税額まで解説

工務店が案件の受発注を行う場合、工事請負契約書が必要です。そして、契約書には収入印紙を貼り付けなければなりません。

この記事では、収入印紙の概要から具体的な金額、さらには収入印紙がないとどうなるのか、節税するためにできることについても取り上げます。

工事請負契約書とは

請負契約の項目
【引用】建設業法に基づく適正な施工体制と元下関係-国土交通省

工事請負契約書とは、工務店が工事を受注する際に作成が義務付けられている書類のことです。

旧建設業法においては上の図にある14項目が記載必須とされており、請負代金の額も必要です。

作成には時間と手間はかかりますが、工事請負契約書を作成することにより、認識の違いなどによるトラブル回避が可能です。

工事請負契約書を作成する際は、項目の抜け漏れがないか必ずチェックしてください。
また、工事によって記載内容が異なる部分もあるため、前回の契約書の使い回しはしないようにしましょう。

工事請負契約書は収入印紙が必要

工事請負契約書は収入印紙が必要

工事請負契約書を作成する際には、収入印紙の貼り付けが必要です。ここでは工事請負契約書と収入印紙の関係として、以下の点について解説します。

工事請負契約書は収入印紙が必要
  • 収入印紙とは
  • 印紙税の軽減措置
  • 収入印紙がない場合

収入印紙とは

収入印紙とは、印紙税や登録免許税など、国に対して納める税金や手数料を支払う際に発行される証票のことです。
収入印紙は、印紙税法における「課税文書」を作成した際に貼り付ける必要があります。

収入印紙が必要な場合、郵便局で購入できます。全種類の収入印紙が用意されているため、特別な事情がなければ郵便局での購入がおすすめです。

ただし、郵便局以外にもコンビニや法務局などでも購入可能できるため、近くに郵便局がない場合などは利用するといいでしょう。

ちなみに、収入印紙と似たようなものに収入証紙がありますが、支払先が異なる別物です。
収入印紙は国に対して納税するための証票ですが、収入証紙は地方公共団体に納税するための証票です。

印紙税の軽減措置

収入印紙の税率は契約金額によって決まります。2021年4月現在、租税特別措置法による軽減措置が適用されており、税率が引き下げられています。

軽減措置は、工事請負契約書に記載される金額の中でも、記載金額が100万円を超えている場合に適用される点が特徴です。

この措置はもともと、1997年4月1日から2020年3月31日までに作成された契約書が対象となっていましたが、租税特別措置法の改正により工事請負契約書は2022年3月31日まで適用延長となりました。

なお、本来の税率と軽減措置適用後の税率は以下の通りです。

契約金額本則税率軽減税率
100万円を超え 200万円以下のもの400円200円
200万円を超え 300万円以下のもの1千円500円
300万円を超え 500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え 5千万円以下のもの2万円1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え 5億円以下のもの10万円6万円
5億円を超え 10億円以下のもの20万円16万円
10億円を超え 50億円以下のもの40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万円
【引用】建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置-国税庁

例えば、150万円の工事を受注した場合、工事請負契約書には契約書1枚につき200円分の収入印紙が必要となります。

収入印紙がない場合

工事請負契約書に収入印紙を貼り忘れた場合、契約自体は無効にはなりません。

しかし、過怠税が課されます。
契約が無効とならない理由は、収入印紙の貼り忘れは印紙税法における問題であり、契約の内容や有効性については印紙税法の対象にならないためです。

過怠税は、本来の税額の3倍の金額を支払わなければなりません。
例えば契約金額が250万円だった場合、本来の印紙税は500円ですが、過怠税が課されると1,500円の支払いが必要です。

数百円、数千円といった金額であれば、企業にとっては大きな負担とはならないかもしれません。
しかし、契約金額が高くなると過怠税だけで100万円を超える恐れもあるため注意が必要です。

収入印紙について十分に理解できていなかったことによるミスだとしても、過怠税は課されます。

ただし、収入印紙の貼り忘れに気づき、自ら貼り忘れた旨を申告すれば、過怠税は本来支払うはずだった税額の1.1倍に減額されます。貼り忘れに気づいた場合は速やかに申告してください。

印紙税を節税するポイント

印紙税を節税するポイント

工事請負契約書に欠かせない印紙税ですが、実は節税が可能です。
印紙税を節税するためのポイントは、以下の2点です。

印紙税を節税するポイント

電子契約書の利用

契約書を少なくまとめる

電子契約書の活用

印紙税は印紙税法における課税文書を作成した際に課税されますが、電子契約書は課税文書の対象ではないため、印紙税は課税されません。

電子契約書だと印紙税が発生しない根拠は印紙税法にあります。
印紙税法の基本通達では、課税文書について以下のように記されています。

法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。

【引用】通達目次/印紙税法基本通達-国税庁

上記の記載の通り「用紙等」で作成された文書が課税対象となります。つまり、用紙ではない電子契約書は課税対象となる文書ではないということです。

中には「『用紙等』の『等』に電子契約書が含まれるのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、この点に関しては、国税庁の見解としても明確に提示されており、印紙税は発生しないため安心してください。

電子契約書の利用は、印紙税が発生しないだけでなく、収入印紙を用意し印鑑で消印を行う必要もなくなるため、作業の手間を軽減できるメリットもあります。
業務効率化の観点からも電子契約書の利用はおすすめです。

契約書を少なくまとめる

工事請負契約書の枚数を少なくすることでも印紙税を節税できます。印紙税は契約の数に対してではなく、文書の数によって決まるためです。

例えば、発注者との間で3つの契約を結ぶ場合、3つの工事請負契約書を作成すると、3つの契約書それぞれが課税対象となります。
しかし、3つの契約を1つの契約書にまとめることができれば、課税対象は1つのみです。

工事金額によっては数十万円単位の節税が可能となるでしょう。

契約書を少なくまとめる方法には、契約書の原本を1通だけ作る方法もあります。契約書の原本を発注者に渡し、受注者側は契約書のコピーを保管します。
原本を所有する発注者は収入印紙を貼り付ける必要がありますが、コピーを持つ受注者側は貼り付ける必要がありません。

ただしこの方法は、発注者が契約書の原本を改ざんしないという信頼関係を前提としているほか、発注者が契約書の原本を紛失するリスクもあります。
さらに、原本にコピーを作成している旨を記載すると、コピーも印紙税の課税対象となります。

以上の点から、この方法はあまり現実的とはいえないでしょう。

まとめ

今回は、工事請負契約書に貼り付ける収入印紙の概要から、具体的な役割や税額、節税方法について解説しました。

工事請負契約書を作成する場合、収入印紙が必要不可欠となります。貼り忘れは過怠税の対象となり、場合によっては大きな負担となるため注意してください。

また、2022年3月31日までは軽減措置が適用されている点も覚えておきましょう。

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