建設業界は業務内容が複雑であり、人材不足という問題も抱えているため、労働環境が厳しい業界です。
月の残業時間が平均で、40時間以上となってしまうケースも珍しくありません。
近年は大手企業を中心に、残業時間の削減や業務の効率化が求められているため「基幹システム」を導入する企業が増えつつあります。
しかし、導入するにあたって「ERP」や「情報システム」といった役割が似ているシステムが多く存在するため、戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、基幹システムの概要や導入するメリット、導入時の注意点について解説します。
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目次
基幹システムとは?
基幹システムとは、「ヒト、モノ、カネ」といった重要な情報や、企業における基幹業務などを管理するシステムの総称です。
企業における重要な業務にかかわるシステムであるため、基幹という名前が付けられました。
近年では安価なシステムが増加していることもあり、中小企業でも基幹システムを導入する企業が増えてきています。
情報システムとの違い
情報システムとは、企業内におけるコミュニケーションや情報共有などを効率化するためのシステム(メールやメッセンジャーシステムなど)です。
万が一、情報システムが停止しても、すべての業務がストップすることはありません。
そのため、基幹システムよりも導入のハードルは低いでしょう。
一方、基幹システムは会社の基幹となるデータを管理しているため、なんらかのトラブルによりシステムが停止してしまうと、業務に大きな影響が出てしまいます。
ERPとの違い
ERPとの違いは、システムとしての目的が異なる点です。
ERPは、資産や物流をはじめとするすべての業務データを一元化して管理し、経営戦略や戦術の判断材料をリアルタイムに提供することを目的としています。
一方で基幹システムは、仕入れや会計など、特定の業務を効率化することを目的にしたシステムです。
特定というだけあって、局所的な効果が見込まれます。
つまり、ERPは経営視点・全社視点での最適化をはかるシステムであり、基幹システムは業務視点での効率化を目指すシステムといえるでしょう。
基幹システムの寿命
基幹システムの寿命は、約14年といわれています。
せっかく手間やコストをかけて導入したシステムは、できるだけ長く使いたいと思うでしょう。
しかし、ITシステムは技術の進歩や変化が早いため、時代の流れとともに寿命を迎えてしまうケースが多いです。
企業の基幹業務を担うシステムにおいて、老朽化は致命的。
老朽化したシステムを使い続けると、業務効率化のさまたげとなるだけではなく、セキュリティ面で脆弱性が見つかったり、システムのサポートが終了したりといった危険性もあります。
システムの入れ替えには莫大なコストや手間がかかるため、老朽化したシステムの乗り換えを先延ばしにしたくなることもあるでしょう。
しかし、タイミングを見誤ると手遅れになることもあるため注意が必要です。
基幹システムを導入する3つのメリット
基幹システムを導入することのメリットは、以下の3つです。
業務の効率化をはかれる
基幹システムの導入で得られる一番のメリットは「業務の効率化」です。
建設業の業務内容は複雑なものが多く、データをまとめる・処理することには多くの時間が必要でしょう。
基幹システムは、これまで手動で行っていた業務を効率化・自動化するものであるため、業務時間やヒューマンエラーの大幅な削減が可能。
業務の効率アップに加えて、人件費といったコストの削減も期待できます。
経営状況の見える化
基幹システムを導入すると、企業の中枢を担う業務やデータを管理できるため「経営状況の見える化」にもつながります。
経営状況の見える化によって課題や問題を把握しやすくなるため、工数の短縮や人為的ミスの防止などの効果が期待できるでしょう。
また、システムを通じて販売や生産などの情報を収集・分析することで、その時の経営状況に応じた正しい判断が可能となります。
業務品質の向上
基幹システムを導入すると業務を標準化できるため、入力ミスが起きにくくなり、業務品質の向上が期待できるでしょう。
建設業の業務内容には複雑なものが多いため、データを入力する人が異なると入力ミスや計算誤りなど、どうしても品質にバラつきが出てしまいます。
業務の品質が向上することによって社内だけではなく、クライアントの満足度も高められるでしょう。
導入で失敗しないための5つの注意点
システムを導入する際には、多くの時間やコストがかかってしまうため失敗は避けたいです。
以下では、自社にとって最適なシステムを導入するための5つの注意点を解説します。
自社に合ったシステムの選定
確実に業務を効率化するためには、自社に合ったシステムを選定することが重要です。
はじめに、自社が抱えている問題を解決するために必要な機能が備わっているかを確認します。
業務を効率化させるためには、高機能なシステムを導入しようと思う企業も多いでしょう。
たしかに販売されているシステムの中には、機能が優れているものはたくさんあります。
しかし、いくら高機能のシステムを導入したからといって、活用しきれなければ意味がありません。
機能の豊富さだけではなく、自社の業務に合った機能が搭載されているかをチェックしましょう。
2種類のどちらかを選ぶ
基幹システムには「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。
オンプレミス型とは、自社サーバーにインストールして使用するタイプの基幹システムです。
一方、クラウド型はインターネット上にデータを預けて使用するという違いがあります。
両者ともにメリット・デメリットがあるため、自社の業務にはどちらが適正なのか、慎重な検討が必要です。
カスタマイズの必要性
基幹システムを導入する際は、カスタマイズの必要性も検討しましょう。
自社の業務内容がシンプルなものであれば、カスタマイズの必要性は低いです。
しかし将来的なことを考えると、業務内容の変更などに伴い機能の追加が必要となることも考えられるため、できるだけカスタマイズができるシステムを選んでおくとよいでしょう。
基本的にオンプレミス型であれば導入後のカスタマイズは可能ですが、カスタマイズできる範囲が限られている場合もあるため注意が必要です。
セキュリティ機能が備わっているか
システムの導入時には、セキュリティ機能のチェックを必ずおこないましょう。
基幹システムは会社全体のデータを集約しています。
セキュリティが甘いと、データの消失や漏洩の危険性が高くなるため、注意しましょう。
セキュリティ問題が発生すると、通常の業務に支障が出るだけではなく、会社の信頼を失い大きな損害やダメージを受ける可能性もあります。
システムを導入して後悔しないためにも、セキュリティ対策が万全なものを選びましょう。
導入後のサポートサービスを確認
導入後のサポート体制も重要なポイントです。
システムにトラブルが起きると、場合によっては業務に大きな影響が出てしまいます。
サポート体制がしっかりしていれば、もしもの時に問い合わせができるためとても安心です。
導入する前には、サポート体制や問い合わせ対応が可能な時間帯などを確認しましょう。
まとめ
基幹システムはこれまで大企業を中心に導入が進んでいましたが、近年では中小企業でも導入する会社が増えつつあります。
「業務の効率化」「コスト削減」を図るうえで、基幹システムは欠かせないものです。
基幹システムを導入する際の5つの注意点に気を付けながら、自社に最適なシステムを比較・検討しましょう。
しかし「自分では正しいシステムを選べる自信がない」と悩む方もいるでしょう
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