無料テンプレートはこちら

建設業のデジタル化とは?概要から具体例まで解説

建設業のデジタル化とは?概要から具体例まで解説

建設業では人手不足や長時間労働、煩雑な手続きなど、さまざまな課題が存在します。このような課題の解決の鍵を握るのが「業務のデジタル化」です。

この記事では、建設業の抱える課題からデジタル化の概要や具体例などについて解説します。

建設業界が抱える課題 

建設業界が抱える課題

建設業界では建設投資額の低下や生産年齢人口の減少、アナログな作業などの課題を抱えており、解決は急務だといえる状況です。

例えば、建設投資額は1998年には71兆円でしたが、2017年には61兆円まで低下しています。リニアモーターカーの建設に伴う特需なども期待されますが、コロナ禍による影響もあり、投資額が増えるかどうかは不透明です。

また、少子高齢化により日本の生産年齢人口は減少しており、各産業では人材不足や後継者不足に陥る可能性があります。特に建設業は出勤日の多さや長時間労働、それに対する給料の低さなど、労働条件が決して良いとはいえず、人材が集まりにくい状況です。そのため、今のままだと人材確保が難しくなるでしょう。

建設投資額や生産年齢人口の問題に加え、建設業の業務を行うには細かい手続きが必要となります。例えば、工務店や建設会社を経営するためには許可を得なければならないほか、道路で工事を行うのであれば道路の申請が必要です。これらの手続きは書面で行われるなどアナログな側面が強く、業務効率化を阻んでいるといえます。

このように、建設業はさまざまな課題を抱えており、解決に向けた取り組みが必要です。

建設行政のDXに伴う建設業のデジタル化

建設行政のDXに伴う建設業のデジタル化

建設業が抱える各種課題の解決には、「DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)」の概念がカギを握ります。

DXとは、2004年にスウェーデンのウメオ大学で教授を務めていたエリック・ストルターマンによって提唱された概念です。簡単にいうと、「IT技術の浸透によって人々の生活がより良いものへと変化していく」というものです。

日本では、経済産業省の呼びかけにより建設業を始めとして各業界・行政でDXが推進されています。ここでは、行政が取り組む建設業に関わるDX4点について解説します。

建設行政のDXに伴う建設業のデジタル化
  • 建設業許可および経営事項審査の電子申請
  • 道路使用申請のメール化
  • ドローンの利用に伴う手続き
  • 建設キャリアアップシステムの郵送による申請の廃止

建設業許可および経営事項審査の電子申請

国土交通省では、2022年から建設業許可および経営事項審査の電子審査を開始する予定です。

工務店などの建設業の企業が一定規模以上の工事を受注するためには、建設業許可を受ける必要があります。

建設業法にもとづいたものであり、受注する工事が公共工事であるか、民間工事であるかは関係ありません。つまり許可を得なければ、工事は受注できないということです。

また経営事項審査は、公共工事を直接請け負う際に受けなければならない審査です。審査では経営規模や技術力、社会性、経営状況などがチェックされ、評点が付けられます。

建設業許可も経営事項審査も、建設業を営むために欠かせないものです。これらの審査が電子申請できるようになれば、申請書類の準備や確認など、申請者の負担が軽減されるでしょう。

道路使用申請のメール化

建設行政のDXにより道路申請がメールでできるようになります。

道路を通行以外の目的で使用する場合、道路法・道路交通法にもとづいた道路使用許可申請が必要ですが、これまでは書類申請で行われていました。

この申請がメール化されれば、工務店の担当者の手間が省けるほか、申請を受け付ける行政側の負担軽減も期待されます。

ドローンの利用に伴う手続き

測量などでの活用が期待される、ドローンの登録手続きもデジタル化される予定です。

ドローンに関しては、これまで国土交通省による管理や登録手続きは存在していませんでした。しかし、ドローン利用者数の増加が予想されており、利用者の利便性を向上するためにドローン所有者の登録制度が開始する予定です。

国土交通省では制度開始当初からオンライン申請を予定しており、飛行許可申請など各種関連手続きとの情報連携もできるようになります。

建設キャリアアップシステムの郵送による申請の廃止

これまで郵送での申請に対応していた「建設キャリアアップシステム」では、郵送申請が2020年9月30日をもって廃止されました。

建設キャリアアップシステムとは、建設業に従事する人材の資格や社会保険の加入状況、就業履歴などの情報を登録・蓄積できるシステムです。蓄積された情報を企業の担当者が確認することで、一人一人が適切な評価を受けられます。

なお、郵送申請廃止に伴い同システムへの申請は、オンライン申請もしくは認定登録機関への申請書持ち込みのどちらかで行えます。

【建設業】デジタル化の例

【建設業】デジタル化の例

行政の建設業に関わるDX以外にも、各種ツールのデジタル化に伴う建設業の業務効率化が期待されます。ここでは、デジタル化の例として以下の点について解説します。

【建設業】デジタル化の例
  • 3Dプリンタの活用
  • 3Dスキャンによる施工管理
  • 業務管理ツールの活用

3Dプリンタの活用

立体的なものが作れる3Dプリンタを使用して建物を作る技術が、海外では確立されています。

日本では普及が遅れていますが、3Dプリンタを開発している企業もり、注目を集めています。建設費用を大幅に削減できるだけでなく、工事にかかる時間も短縮できるでしょう。

また、建物全体を作るとまではいかなくとも、工事に必要な部品の製造も可能です。構造が複雑な部品でもプログラミングによって簡単かつ低コストで入手できるかもしれません。

3Dスキャンによる施工管理

工事現場において施工管理は欠かせない業務の1つですが、ロボットを利用することで自動化が可能となります。

具体的には、ドローンや3Dレーザースキャナなどを搭載したロボットが現場のデータを収集・解析し現場の進捗状況を報告するというイメージです。

人間はデータを確認し、遅れなどが発生している場合は必要な対応をとる形になるため、業務負担が軽減されるでしょう。

業務管理ツールの活用

顧客管理や営業自動化などができる業務管理ツールの導入も、デジタル化に一役買ってくれます。業務管理ツールは、顧客管理から売上管理、見積書作成・管理など幅広い業務に対応しているものも少なくないため、導入によって業務効率化が期待できるでしょう。

また、業務管理ツールの中には工務店専用のものもあり、工程表の作成や管理、共有、見積書の作成や閲覧なども容易にできます。さらにスマートフォンなどのアプリに対応しているツールもあるため、現場からでも簡単に必要な情報にアクセスできるようになるでしょう。

【建設業】デジタル化の効果

【建設業】デジタル化の効果

デジタル化によって工務店は具体的にどのような効果として、以下の5点について解説します。

【建設業】デジタル化の効果
  • 業務効率化
  • 省人化
  • コスト削減
  • 人材獲得
  • 技術の継承

業務効率化

建設行政DXやデジタルツールの導入により、業務効率化が可能となります。業務効率化が実現すれば、残業削減も期待できるほか、空いた時間を別の業務に当てられるでしょう。

業務の中には、必要不可欠であるものの、誰でもできるものもあるため、このような業務を効率化するために、デジタル化を図ってみるといいでしょう。

【2024年最新】工事管理・業務効率化システム13社比較!分類別のおすすめも

省人化

業務のデジタル化は省人化にもつながります。例えば、先ほど紹介した3Dプリンタを使って家が建てられるようになれば、人件費を削減できるでしょう。また、3Dスキャンによる施工管理ができれば、施工管理者の負担を減らせます。

必要な人材が少なくて済むため、人材不足に悩む企業でも既存の人員で業務に対応できるはずです。

コスト削減

デジタル化によって業務効率化、省人化が促進されれば、残業代などが抑えられるため結果的にコスト削減につながります。ただし、ツール導入にあたってのコストは発生するため、導入時は通常よりもコストがかさむ可能性がある点には注意が必要です。

人材獲得

デジタル化は、工務店の人材獲得も期待できます。

業務効率化や省人化が促進されれば、「長時間労働で大変そう」や「体力勝負の仕事で自分には向いていない」といった懸念は解消され、年齢や性別にとらわれない幅広い人材が応募してくる可能性があるためです。

技術の継承

デジタル化は技術の継承にも活用可能です。先ほども触れているように生産年齢人口の減少と後継者不足・人材不足により熟練技術者の技術が継承されない恐れがあります。

高度な技術は通常であれば継承に多大な時間を要しますが、デジタル化により継承が容易なものとなります。

例えば、AIを利用して施工現場から作業データを収集し、解析・分析することで作業や技術の標準化が可能です。技術が標準化されれば、熟練技術者以外でも高品質の作業ができるようになるでしょう。

建設業におけるデジタル化推進の課題

 建設業におけるデジタル化推進の課題

建設業が抱える課題の解決にはデジタル化の推進が急務ともいえますが、そのためにはデジタル技術やツールを扱える人材の確保が欠かせません。

いくら優れたツールが手元にあったとしても誰も扱えないのであれば、宝の持ち腐れとなります。

デジタル技術やツールに強い人材が採用できれば理想的ですが、必ずしも適切な人材が見つかるわけではありません。そのため、場合によっては社内で研修を行い既存の従業員を育成する必要もあるでしょう。

まとめ

今回は、建設業のデジタル化について、建設行政DXやデジタル化の具体例、効果を解説しました。 人材不足、後継者不足が大きな課題となっている建設業においてデジタル化の推進は今後の鍵を握る重要な施策となります。ツールの導入や人材の確保などを行いつつ、デジタル化に取り組んでみてください。