業務効率化は、生産性の向上による収益増加を目指す上で、効果的な手段の1つです。
組織の業務の中に潜む問題を解決することで、効率よく業務できることを目指します。
建築業界では、煩雑化しやすい現場での作業を効率化することで、生産性や品質の向上が期待できます。
目次
業務効率化の対象と目的
業務効率化とは、業務にある問題を取り除き、効率的に業務が進められるように整備することを指します。
建築会社には、現場・バックオフィスともに、非常に多くの業務があります。
業務上の非効率が存在し続ければ、ワークフロー全体のスピードが遅くなります。
結果として、組織全体での成果物の質や量が低下することになりかねません。
近年の建築業界は、労働者の高齢化が進行しており、労働人口は減少傾向です。
効率よく業務を遂行し、限られた人材で最大の成果を上げ続けることが求められます。
業務効率化の対象と目的を紹介します。
業務効率化の対象
業務効率化をすべき対象は、業務上にある「無理」・「無駄」・「ムラ」などの問題です。
対象とすべき問題には、無理な業務量やスケジュール、無駄な会議・業務、従業員間の業務負荷のムラ、繁忙期閑散期の業務量の差などが挙げられます。
これらの問題の蓄積が、従業員に必要以上の負荷をかけ、結果として人材の流出や業績の低下に繋がってしまいます。
業務に潜む「無理」・「無駄」・「ムラ」を洗い出し、優先順序を決めて解消していくことで、業務フローの改善による効率化が可能です。
業務効率化の目的
業務効率化のゴールは、業績をアップさせることです。
そのためには、先ほど説明した業務上に潜むさまざまな「無理」・「無駄」・「ムラ」を解消し、生産性を向上させる必要があります。
適切な方法で改善することで、効率の良いワークフローになり、生産性向上を実現できます。
業務効率化のメリット
業務効率化を実現することで、以下3つのメリットがあります。
コストカット
必要のない業務を排除すれば、従業員の残業が減り、結果として人件費を削減できます。
また、無駄な会議をなくすことで、会議によって発生していた資料の紙代・印刷代・貸会議室の利用費も抑えられます。
生産性アップ
不必要な業務がカットされれば、従業員が本来やるべき業務に集中できます。
結果的に、生産性が向上し、会社の利益増にもつながるでしょう。
従業員満足度の向上
残業が削減できれば、従業員のプライベートや休養の時間を確保できます。
プライベートの時間が充実すれば、仕事への意欲も高まるでしょう。
業務効率化の進め方
業務効率化の手法は、以下の3つです。
①業務の絞り込み
不必要な業務や作業を排除し、必要な業務だけに絞り込みます。
業務を絞り込む際には、現場の業務をすべて洗い出し、本来の目的を見直しましょう。
本来の目的が会社の目指す成果と合致していれば、該当する業務は必要だと判断できます。
目的がそぐわない業務や、本来の目的が会社の目指すものと合致しているにもかかわらず、上手くいっていない場合には、業務フローの改善方法を考えるか、業務自体を一度なくしてみましょう。
例えば、従業員に毎日書かせている日報や、目的のないデータ入力など、以前からやっているというだけで継続しているもので、従業員の時間が圧迫されているケースもあります。
経営に生かされているのであれば、必要ないと判断して、なくして良いでしょう。
本質的に必要な業務だけに絞り込むことで、リソースの無駄遣いが減り、適切に配分できます。
②業務フローの改善
既存の作業フローを見直して、やり方を改善します。
現場のワークフローを、フローチャートなどで可視化し、分析します。
より効率的なフローに変えたり、場合によっては処理回数や頻度を減らせるでしょう。
③新しい手法の適切な導入
業務の絞り込みやフローの改善だけでは解決しない場合には、新しい手法や業務効率化ツールを導入しましょう。
ツールや職場環境そのものを適切に変えることで、業務の流れが変化し、無駄の削減に繋がります。
効率化の注意点
業務効率化には、以下3つの注意点があります。
予期せぬ悪影響
業務効率化の過程で、良かれと思って削減・改善した業務によって、思わぬ悪影響が生じることがあります。
業務が複雑に絡み合う現場では、一見すると関係のなさそうな業務が、成果に影響を与えます。
最悪の場合には、業績や利益、クライアントからの信用など、重大な損失や過失にも繋がりかねません。
業務をくまなく洗い出し、効率化が影響する範囲を網羅的に認識した上で、実行の判断を行いましょう。
ツール導入の目的化
業務効率化ではなく、新たなツールを導入する自体が目的化してしまうケースがあります。
魅力的なツールを導入することが目的になってしまい、効果的でない解決策を取り入れるだけでは、本来の目的である業務効率化が達成されません。
また、ツール導入後に成果検証をないがしろにしてしまう恐れもあります。
目的を明確に持ち、手段としてふさわしいツールを選択しましょう。
従業員への定着不足
新しい業務フローやツールが、実際に現場の従業員に定着しにくいこともあります。
新たな業務フローやを導入する際には、実行・浸透した際にインセンティブを付与したり、そもそも使いやすいツールを選択しましょう。
業務効率化におすすめのツール
建築現場の業務効率化に、適したツールを3つ紹介します。
タブレット
現場の作業効率化に、タブレットが効果的です。
現場の監督者や作業員でも、画面の大きなスマートフォンのような感覚で利用できます。
図面や仕様書の共有や持ち運びが簡単な上、細部は拡大して確認可能です。
業務効率化に特化したアプリを導入すれば、さらなる改善効果が見込めます。
監視カメラシステム
現場の安全性や生産性を向上するツールとして、現場監視カメラシステムがあります。
現場にカメラを設置すると、安全管理やムダのない作業が徹底されているか、遠隔でも確認できます。
映像認識技術を搭載したカメラを導入すれば、作業員の目視よりも確実性の高いチェックが可能です。
成果物の品質向上による、クライアントからの信頼獲得に役立ちます。
現場管理アプリ
建築現場の業務効率化に特化したソフトやアプリが開発されています。
現場管理アプリやソフトウェアを活用することで、現場のさまざまな工程や管理体制を効率化できます。
紙媒体でなくデータで管理されるため、図面や資料のファイリング業務が必要なくなります。
工事の検査や報告書作成をサポートする機能を使用すれば、簡単に報告書が作成できるので、時間短縮が可能です。
まとめ
業務上にある「無理」・「無駄」・「ムラ」を解消する「業務効率化」を進めれば、現場の生産性向上や品質の安定が可能です。
建築会社の業務効率化には、専用のソフトの活用もおすすめです。
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