建築業界の人手不足や長時間労働は、アプリの活用で解消できます。
スマホやタブレットなどの端末とWi-Fiさえあれば、どこでも操作可能なアプリ。その種類は、作業用途に合わせてさまざまです。
今回は建築業向けアプリの活用法と、選び方のポイントについて解説します。
目次
建築業向けアプリの活用で業務効率化
建築現場でアプリを活用することは、実際に業務効率化につながるのか、アプリ活用のメリットを説明します。
アプリ活用のメリット
建築業アプリ活用の最大のメリットは、作業時間を大幅に短縮できることです。
スマホやタブレットでアプリを利用するだけで、さまざまな事務処理の問題が解決します。
例えば、建築現場から事務所に戻らないとできなかった事務処理も、アプリを活用すれば現場にいながら作業できます。
また、アプリで情報を一括管理すれば、書類をいくつも持ち歩く必要がなくなります。
建築業アプリはたくさんの種類があり、これらをうまく活用することで、会社全体の作業効率を格段にアップさせることができます。
建築業向けアプリの機能と特徴
建築業向けのアプリは、さまざまな種類があります。
では、実際にどのようなアプリがあるのか、代表的な下記のアプリを機能と特徴を合わせてご紹介します。
工事写真管理アプリ
工事写真アプリは、スマホやタブレットで撮った大量の写真を自動で仕分・整理する機能があり、工事写真台帳をすぐに作成することができます。
このアプリの最大の特徴は、撮影現場で「電子小黒板」が使用可能なことです。
電子小黒板は、国土交通省が認定したものなら、改ざん探知機能がついています。
アプリを選ぶときは、必ず認可のあるものを選びましょう。
今までの工事写真は、デジカメで撮影してから事務所に戻り、必要な写真を自分で整理する必要がありました。
工事写真アプリなら、撮影さえすれば、あとは自動で仕分・整理してくれます。
また、黒板を使用する建築現場の撮影は、毎回黒板とチョークを持参し、撮影ごとに情報を書き込む必要がありました。
さらに黒板ごと現場写真に移り込む必要があるため、補助員など複数の人員が必要です。
アプリを使うと、この黒板をデジタルで現場写真に挿入することができるため、撮影は1人でも行えます。
黒板に書き込む手間省略と同時に、撮影に関わる人員削減も可能になります。
作業日報作成アプリ
作業日報作成アプリの機能を使えば、建築現場から事務所に戻らなくても、場所を選ばず日報を作成できます。
また、従来の作業日報は、エクセルを使用していることが多く、上司も個人ごとのファイルを開くのが手間です。
アプリで管理すれば、確認する上司も、アプリならすぐに部下の日報にアクセスでき、内容の共有がしやすくなるでしょう。
わざわざ印刷してファイリングする必要もなく、後日必要な日報を簡単に探せることも魅力的です。
CAD作成アプリ
CAD作成アプリは、建築図面作成のためのツールが備わっています。
スマホやタブレットがあれば、どこでも設計図を閲覧・作成・編集できるため大変便利でしょう。
図面をその場で編集して、すぐに関係者に情報共有できることも特徴です。
アプリを使用しない場合、建築現場に何枚もの紙図面を持っていく必要があります。
変更点があっても事務所に戻らなければ編集ができないため、作業時間がかかります。
そこで、CAD作成アプリを活用すれば、ペーパーレス化と作業効率アップが実現できるでしょう。
デジタルカタログアプリ
デジタルカタログアプリを使用すれば、どこでもカタログを閲覧できます。
閲覧だけでなく、よく使うページにはメモ書きや付箋をつける機能もあります。
今まで何冊もの重たいカタログを持ち歩いていたのが、軽いスマホやタブレットのみで事足ります。
もし、現場と会社で違う端末を使用していても、アプリならデータの共有は可能です。
法令チェックアプリ
法令チェックアプリひとつで、どこでも建築法令を確認できます。
書籍と違う点は、項目ごとに視覚的にわかりやすく整理されていることです。これにより、目的の法令がいち早く見つけられます。
オフラインに対応する機能があるのも特徴で、電波が届かない建築現場でも使用可能です。
法令チェックアプリがなければ、現場で確認したい法令も一度事務所に戻って法令集を開く必要があります。
法令チェックアプリを活用することで、移動時間と調べる手間を効率化することができます。
悩み別!建築業向けアプリの選び方
実際どのアプリを導入することが適切かを決めるには、現場が何に悩んでいるかを考える必要があります。
下記に現場でよくある悩みをあげ、それに適したアプリをご紹介します。
長時間労働に悩んでいる
日々の長時間労働に悩んでいる場合は、「工事写真管理アプリ」や「作業日報作成アプリ」などの活用をおすすめします。
長時間労働になりがちな原因は、建築現場から事務処理をするために、わざわざ事務所に戻ることです。
事務所に戻ってから、作業日報の作成や現場での工事写真の編集・管理などの作業をし、関係者に共有していては、時間が膨大にかかります。
これらの事務作業を事務所に戻らなくても、アプリで作成・管理・共有できれば、今までの移動時間含め、大幅な時間短縮になります。
紙資料が多い
建築現場で紙書類を見るのは大変面倒です。
下記2パターンの場合に合わせて、使用すると便利なアプリをご紹介します。
図面を持ち歩きたくない
図面を持ち歩きたくない場合は、CAD作成アプリの活用をおすすめします。
図面の作成から編集、さらには共有まで、現場にいながら作業が可能です。
建築現場では、図面の確認が必須になります。
現場が複数あると、担当者は各現場の図面を持ち歩くことになるため、紙の図面はかさばって荷物になります。
このような悩みがあるときは、一度CAD作成アプリの活用を検討してみましょう。
カタログを持ち歩きたくない場合
毎回、重いカタログを持ち歩くことに悩まされているなら、デジタルカタログアプリを活用しましょう。
カタログが何冊あっても、アプリ内で一括管理が可能です。
必要なページに付箋やメモをつける機能もあり、オフラインにも対応しています。
特に遠い出張先に何冊もカタログを持っていくことは大変面倒なため、従業員の負担軽減にデジタルカタログアプリの活用をおすすめします。
経験が浅い
現場経験が浅い従業員の場合、インストールしておくと便利なのは、構造電卓適判チェックと建築基準法を確認できるアプリです。
構造電卓適判チェックアプリは、数ある設計構造に対応しており、設計ルートを判別してくれます。
構造の強度計算もこのアプリひとつで可能なため、計算式をわざわざ確認する必要もありません。
スマホやタブレットがあれば簡単に操作できます。
これに合わせ、建築基準法を確認できるアプリを使用することで、その場で即座に法令と施行令を見ることができます。
書籍で法令を確認していると、現場から事務所に戻る必要があるため、アプリを入れておくと時間のロスがなく業務効率があがります。
建築業向けアプリの活用:まとめ
近年は建築現場での人手不足が問題になっており、膨大な事務作業をいかに減らすかが、従業員の負担軽減につながります。
そこで、建築業向けアプリの活用が、この問題を解決するのに有効な手段です。
アプリを活用すれば、スマホやタブレットだけで、どこからでも事務作業が可能になります。
重いカタログを持つ必要も、たくさんの建築図面を紙で持ち歩く必要もなくなります。
作業日報作成や現場写真の処理のために事務所に戻ることも不要になり、業務効率が格段に上がります。
建築業向けアプリは、種類豊富なため、まずは自分達が何に悩んでいるのかを考えましょう。
その上で、適したアプリを導入すれば、作業時間を確実に短縮することができます。