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建設業界は今後どうなる?新型コロナの影響と今後取り組むべきこと

建設業界の現状

まずは、建設業界の現状について解説します。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、建設業界にどのような変化が起こっているのでしょうか。

新型コロナウイルス感染拡大の影響

新型コロナウイルスが感染拡大したことによって、建設業界においては、工期の延期が多数発生しています。また工事だけでなく、各種打ち合わせや会議も中止もしくは延期になっています。

さらに、関係会社も新型コロナウイルスの影響を受けたことにより、資材の納期が遅延しているケースや工事自体がキャンセルになっているケース、人材が不足しているケースなどもみられます。
その他にも、いわゆる3密の状況を避けるために、作業の進行が遅くなったり、テレワークの増加により現場調査などができなかったりといった事態も発生しています。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府によって休業要請が出されたこともあり、このような影響を受けているものと考えられます。

新型コロナウイルス関連倒産も

引用:特別企画:「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査 <10月27 日(火)16 時現在判明分> -株式会社帝国データバンク

新型コロナウイルスの影響によって倒産している企業も少なくありません。株式会社帝国データバンクによると新型コロナウイルス関連の倒産は、全国で651件にのぼります。(10月27日16時現在)

建設・工事業は、飲食店、ホテル・旅館、アパレル小売店に次いで倒産数が多く42件という結果です。

業績は徐々に回復

倒産している企業も少なくありませんが、業績は徐々に回復しつつあります。同じく株式会社帝国データバンクによると、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって業績にマイナスの影響があるとしている企業が多いです。
しかし、その中でも今後マイナスの影響がありそうだと想定している企業は徐々に減りつつあるため、先行きに対する不安は軽減されつつあります。

引用: 新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020 年 8 月)-株式会社帝国データバンク

また、プラスの影響があると見込む企業も少なからず存在しています。プラスの影響があると回答した主な業種は、小売、金融、農林水産業、卸売などで、建設業もわずかながらプラスの影響があると回答している企業がみられます。

建設業界が今後取り組むべきこと

新型コロナウイルス感染拡大による影響が少なくない中、建設業界が今後取り組むべき3つのことについて解説します。

  • IT化(ICT化)
  • 人材確保
  • 補助金・助成金・給付金の活用

IT化(ICT化)

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして建築業界で業務のIT化が進んでいます。いわゆるコロナ禍においては、テレワークが必要になる企業が少なくありません。そのため、テレワークに対応するために各種業務のIT化が必要になります。
例えば、オンライン会議設備の導入やテレワーク用の各種設備の導入などが挙げられます。

建設業界の中には、IT化を進めていない企業も少なくないでしょう。しかし、今回のコロナ禍によってIT化の遅れが明確になり、喫緊の対応を迫られています。

また、IT化はコロナ禍における業務進行だけでなく、通常時の業務においても欠かせないものです。各種ITサービスを導入すれば業務効率化を図ることができます。
例えば、業務を一元管理できる基幹システムがあれば、社内での情報共有を簡単に行うことができるでしょう。

人材確保

建設業界は平成9年をピークとして、就業者数がどんどん減ってきています。具体的には、平成9年時点では685万人いた就業者数が平成28年では492万人になりました。また、就業者数の約3分の1が55歳以上と高齢化が進行していることも特徴です。その一方で若い世代の就業者数は決して多くはないため、後継者探しも大きな課題となっています。

このような状況から、建設業界においては、新たな人材の確保が重要な課題だといえるでしょう。

では、建設業界に人材を呼び込むにはどのようなことがポイントになるのでしょうか。具体的には、以下のようなものが考えられます。

  • 適切な賃金水準
  • 生産性向上
  • 週休2日で働けるような工事を行う
  • 職場環境の改善
  • 子育てや介護と両立できる環境

働く上では、仕事内容も重要ですが賃金も同じくらい重要なものです。給料が低すぎると、仕事に興味を持つ人もなかなかいないでしょう。

また、いくら給料が良くても、激務では求人への応募を躊躇する人も多いです。先述の通りIT化に取り組み、生産性の向上、業務効率化を図るほか、週休2日を確保できるような工事を行うこともポイントだといえます。

そして、女性が働きやすいように建設現場に女性用の仮設トイレを設置するなど職場環境の改善も必要でしょう。

ほかにも、子育てや介護に取り組んでいる人が、仕事と家庭を両立できるような職場であれば、人材も集まるはずです。

いずれも簡単なことではありませんが、できるところから少しずつ取り組んでいく必要があるでしょう。

補助金・助成金・給付金の活用

建設業が利用できる補助金や助成金、給付金は意外と多くあります。これらを活用することでIT化や人材確保を促進することもできるでしょう。

例えば、IT化に取り組みたい企業の場合、「IT導入補助金」の利用がおすすめです。これは、その名の通りITツールなどの導入を行う際に必要な費用の一部を補助してもらえる制度です。補助金額は、費用の2分の1、最大450万円まで補助してもらえます。
また、IT導入支援事業者が申請や手続きのサポートを行ってくれるため、補助金の利用が初めてという企業でも安心して利用することができます。

また、2020年に関しては、通常とは異なる特別枠として新型コロナウイルスの影響に伴いITツールの導入が必要になった企業も利用することができます。パソコンやタブレット端末をレンタルすることになった場合などにも補助金を利用できるため、ぜひ利用を検討してみてください。

建設業界の今後:まとめ

今回は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、建設業界の現状と今後取り組むべきことについて解説しました。新型コロナウイルス感染拡大により、建設業界は、工事の中止や工期の延期、資材の納期遅延、人材不足といった影響を受けています。また、それに伴う倒産も少なからず発生しています。

一方で、先行きの不透明感がなくなりつつある状況もみられるなど、少しずつ状況は改善されてきているといえます。IT化や人材の確保など、これから先に向けて各企業が必要な取り組みを行うことが重要です。