さまざまな企業で顧客管理の重要性が増していますが、工務店においてもマーケティングや営業面などで役立つ場面が多くあります。
しかし、顧客管理にどのようなメリットがあるのか分からず、取り組む必要性があるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
今回は、顧客管理がなぜ重要なのかについて、メリットや注意点も含めて解説します。
目次
そもそも顧客管理とは?
顧客管理とは、年齢、性別、住所などの顧客属性から、顧客がどのような物件に興味があるのかなどの趣向などの顧客情報をデータとして管理することを指します。
また、顧客管理ではただ情報を管理するだけでなく、蓄積した顧客データを活用し、見込み顧客や潜在顧客に対して効果的なアプローチを行い、購入につなげていくことも大切となります。
こうしたために、ただ情報を蓄積するだけでなく、蓄積した情報の分析なども必要です。
顧客管理はトラブル防止と工事円滑化のため
工務店において顧客管理がなぜ重要かというと、建設業界特有の事情が関係しています。
建設業界では、工事の種類によって規模や金額、工期なども大きく異なり、かつ一品ごとの受注生産が基本となります。
そのため、顧客ごとに要望やニーズが大きく異なるため、顧客ごとの情報を管理することは非常に重要です。
また、工事の受注には工事条件などの取り決め項目も多数あり、そうした内容を管理しておかなければ、顧客とのトラブルに発展しかねません。
さらには、建設業界では下請け会社をはじめ、1つの案件に複数の会社が携わっているケースが多くあります。
そのため、工事に関する情報が複雑化しやすく、会社間での連携も重要となるため、工事を円滑に進めるためにも情報管理が重要となるでしょう。
このように、建設業では他の業界と比較しても顧客情報が多いことに加え複雑化しやすいため、顧客管理が重要といえます。
顧客管理をおこなうメリット
ここでは、顧客管理をおこなうメリットについて解説していきます。
具体的には以下の4点がメリットとして挙げられます。
既存顧客へのサービス向上を期待できる
営業面においては、新規顧客獲得も重要ですが、既存の顧客に対するフォローも同じくらい重要となります。
なぜかというと、一般的に新規顧客を獲得するコストは非常に高く、既存顧客にリピートしてもらったほうが、効率良く売上アップできるためです。
工務店においては、既存顧客から過去に受注した工事内容や、商談のプロセスなどを分析することで、顧客ニーズの把握に役立ち、ニーズに沿った提案もしやすくなるでしょう。
そうすることで、顧客対応の質が向上し、結果として再受注などの売上アップを期待できます。
マーケティング施策の最適化に役立つ
顧客情報をデータとして管理しておけば、過去のデータを活用することで効果的なマーケティング施策の立案から実行に役立つでしょう。
例えば、新しい土地に関する情報を自社で入手した場合、いち早く顧客に提案し売上につなげたほうが良いです。
この時に顧客データを管理しておけば、土地の条件に合う顧客を過去のデータからすぐに把握できます。
そうすれば、該当する顧客に合う形で提案できるため、効率的に売上につなげられるでしょう。
また、広告を打つ際にも、過去の顧客データからどのような属性の顧客が多いのかなど顧客の傾向を把握できるため、購入確率の高いターゲット層のみに絞ってWEB広告を打つなど、効果的な広告施策を実行することも可能です。
潜在顧客や休眠顧客に効果的なアプローチが可能
3点目は、潜在顧客や休眠顧客に効果的なアプローチが可能であるという点です。
潜在顧客とは、悩みや不安などはありつつも具体的なニーズを認識できていない顧客のことで、顧客情報を管理できていない場合、こうした潜在顧客や一度離れてしまった休眠顧客にも効果的な対策をおこなうことが難しいでしょう。
しかし、顧客管理でデータを蓄積することで、データ分析から顧客にどのようなニーズがあるのかを把握し、それぞれのステージに応じた提案が可能です。
顧客の状態に応じた提案ができるため、潜在顧客や休眠顧客からも売上を上げられる可能性があります。
営業活動のフォローができる
顧客管理できていない場合、顧客に関する情報共有もうまくいかず、ミスやトラブルが多くなるでしょう。
例えば、複数の営業マンが同時に同じ顧客に対し、同じ提案をしてしまってクレームとなるなどの事態が起こりかねません。
顧客管理をしっかりおこなっていれば、車内の情報共有がスムーズにいき、未然にトラブルを防げます。
顧客管理をおこなう注意点
ここでは、顧客管理をおこなう注意点について解説します。
具体的には以下の3点に気をつけましょう。
項目数を絞る
顧客情報で記載する項目が多すぎると、記入の手間が増えるうえ、データの管理も複雑になるため、必要なものに絞ることが大切です。
例えば、顧客との商談情報を記入する際、顧客のコメントを一言一句漏らさず入力するようにした場合、記入に時間がかかり、本来の業務に集中できません。
項目を絞る際には、「なぜこの項目が必要なのか?」という理由を必ず考えることが重要です。
1つ1つの理由が説明できれば、なんとなく記入する項目を減らし、余計な項目を設定しなくなるでしょう。
ただし、必要な項目が活動状況によっては変わる場合もあるため、定期的に記入すべき項目を見直していきましょう。
わかりやすいフォーマットにする
記入する項目数ももちろんですが、記入するフォーマットを統一して、どこに何を記入すべきかをわかりやすくすべきでしょう。
フォーマットを個人に任せてしまうと、データの集計などもしづらく、分析などに時間がかかってしまいます。
フォーマットの統一の他にも、入力効率を良くするため、エクセルシートのプルダウンで「選択式」などを採用するなどしておけば、顧客情報の記入も継続してもらいやすくなります。
常に最新の情報にアップグレードする
顧客情報は一度更新をやめてしまうと、古い情報が残ったままとなります。
顧客情報が最新ものでないと、古い情報をもとに営業活動やマーケティングをおこなうこととなり、活動成果をうまく得られないかもしれません。
また、顧客に重要書類を送付する際に、情報が更新されておらず古い住所に送ってしまうと思わぬトラブルになりかねません。
常に最新の顧客情報にアップグレードしておけば、営業活動やマーケティング活動の精度も上がるため、情報更新は優先的におこないましょう。
顧客管理には顧客管理システムが便利
ここまで顧客管理について解説してきましたが、顧客管理はエクセルなどで管理するよりも顧客管理システムを用いたほうが効率的です。
顧客管理システムとは、顧客情報の管理をシステム上でおこなえるツールのことで、顧客管理システムの導入により、主に以下のメリットがあります。
顧客情報をシステム上で管理できるため、入力効率に優れ、顧客情報を一元管理できるため、社内での情報共有がしやすいメリットがあります。
また、エクセルなどで顧客管理する場合、データの集計や分析などの作業を別にする必要がありますが、顧客管理システムを導入すれば、システムで自動的にデータの集計や分析をおこなってくれるため、業務効率が向上します。
詳しくは、「【無料】建設業界向け顧客管理ツール9選!選ぶポイントも」でも解説しているため、興味のある方はチェックしてみてください。
まとめ
顧客管理をおこなうことで、営業活動やマーケティング活動の質を向上させるなど、さまざまなメリットがあります。
顧客管理では顧客管理システムを使ったほうが効率的にデータ活用・管理ができるため、顧客管理に悩んでいる方は導入を検討してみてはいかがでしょうか?
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。
コメントを残す