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【建設業】工事完了報告書とは?作成方法と記入項目を徹底解説

建設業では工事が完了したときに、完了した旨を報告するために「工事完了報告書」を作成します。
この記事では、そもそも工事完了報告書はどのような内容なのか、具体的な作成方法や記入項目といった点について解説します。

工事完了報告書の書き方を知りたい人はぜひ参考にしてみてください。

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工事完了報告書とは

工事完了報告書とは

工事完了報告書とは、建設工事が完了した際に、請負業者から元請業者に対して工事が完了した旨を報告する書類のことです。

報告書の書式は企業によって異なることもありますが、工期や現場名、費用、材料費を記載するなど、基本的な部分に関しては共通しています。

ここでは、特に記載内容に注意が必要な、次の3つの項目について解説していきます。

記載内容に注意が必要な項目
  • 費用
  • 材料費
  • 工事現場の写真

費用

工事完了報告書における費用とは、工事の際に発生する人件費のことではありません。
ここでは、工事が遠方で交通費が別途支給される際に請求するガソリン代や有料道路の利用料金といった費用のことを指します。

そのため、工事の請負業者は、ガソリン代や有料道路の明細や領収書を残しておく必要があります。
もし明細なしで提出すると、承認されず費用が戻ってこない恐れがあるため注意が必要です。

材料費

材料費とはその名の通り材料を仕入れる際に発生した費用のことです。
工事に関しては、基本的に工事を担当する業者が自ら材料を仕入れる必要があります。

また、特定の材料や商品に関してはあらかじめ用意されているケースもありますが、細かい材料や工具などは別途業者自身で購入することとなります。
材料費はこのような材料や工具などを購入する際に発生した費用を記載します。

先ほど説明した「費用」と同じように、材料を購入した際の明細や領収書は保管しておき、工事完了報告書提出時に合わせて提出するようにしましょう。

工事現場の写真

元請業者によっては、工事完了報告書とともに工事現場の写真を求められることもあります。
これは、工事を責任持っておこなったことを証明するために、工事のビフォーアフターを確認する目的(工事前と完了後両方の写真)で必要です。

また、新築工事でも工事中の写真を求められる場合があります。

新築工事や修善工事、改修工事に限らず、仕上工事によって見えなくなってしまう下地や構造体の施工がしっかりおこなわれていることがわかる写真を用意しておきましょう。

そのため、工事写真が必要かどうかは、工事が始まる前に確認しておきましょう。

工事完了報告書の作成方法

工事完了報告書の作成方法

工事完了報告書の作成には、元請業者の書式を使用するパターンと、テンプレートを使用するパターンがあります。
ここでは、それぞれのパターンでの作成方法について解説します。

元請業者の書式

元請業者の中には、その業者が使用する専用の書式があるケースもあります。
この場合請負業者は、元請業者から請負契約を結んだ際などに工事完了報告書の専用書式を渡されることが一般的です。
工事が完了したら、受け取った書式の内容に応じて記入し、請負業者に提出します。

テンプレート

元請業者が専用の書式を持っておらず、工事完了報告書の提出を求められるだけの場合もあります。
このような場合は、請負業者が自ら工事完了報告書を用意することとなります。

エクセルを使って一から作成しても問題ありませんが、手間がかかるため、テンプレートを活用することをおすすめします。

テンプレートはネット上で無料ダウンロードできるものが多いですが、信頼できるサイト(企業)のものをダウンロードしましょう。
そういったテンプレートは使い勝手もいいでしょう。

またテンプレートを作成する際は、必要に応じてアレンジするなどして、自社用の形式にすることをおすすめします。

なお、テンプレートを使用する際の注意点については、工事完了報告書の無料テンプレート記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。

記入項目

 記入項目

ここでは、実際に工事完了報告書を作成する際に記入する以下の5つの項目に関して、具体的な記載内容や記載方法を解説します。
それぞれの内容を確認していきましょう。

記入項目
  • 工期
  • 工事現場名/工事場所・部分
  • 請負金額
  • 工事業者の印鑑/工事担当者名
  • 工事完了写真

工期

工期では、工事が行われる期間を記載します。
複数日にわたって工事が行われる場合は、工事開始日と完了日を記載するようにしましょう。

工事現場名/工事場所・部分

工事現場名では、工事の依頼書などに記載されている工事現場の名前やビル名、店舗名などを正しく記入してください。
その際、現場の住所も記載する必要があります。また新築の場合、番地が決まっていないケースもあります。
そのような時は、「○○地内」という形で記載するようにしましょう

工事場所・部分では、実際に工事を行った箇所を記載します。
具体的には以下のようなイメージです。

  • 「ベランダの修繕工事」
  • 「キッチンの新設取り付け工事」

どの部分にどのような工事を行うのか、できるだけ具体的に書くようにしましょう。

請負金額

請負金額には、工事の請負契約を結ぶ際に定めた請負金額を記入するようにしましょう。
請負金額は、認識のくいちがいが原因でトラブルにつながる恐れがある部分です。
そのため、契約書の内容をしっかりとチェックし、間違いのないように記入するようにしてください。

ちなみに、請負金額の部分には材料費の具体的な金額を記載し、その明細も添付するようにしましょう。
なかには請負金額に材料費が含まれるケースもあります。
そのような場合でも、別途費用が支払われるのであれば、記入するようにしておきましょう。

もし、工事完了報告書に材料費の記載欄がない場合は、添付資料として材料を購入した際に受け取った領収書や明細のコピーを貼り付けておくようにしてください。

なお、領収書や明細をもらう際は、現場名を書いてもらうことを忘れないようにしなければなりません。
現場名なしの領収書を添付した場合、材料費として認められない可能性があります。

工事請負契約書 作り方

工事業者の印鑑/工事担当者名

工事業者の印鑑に関しては、法人であれば横判と角印を押印してください。

個人事業主であれば、会社名と認印を記入したうえで、工事担当者名と実際に工事を行った人の名前を記入します。

工事完了写真

先ほども説明しているように、元請企業によっては工事完了報告書の提出時に合わせて工事完了写真の提出を求められることもあります。
そのため、工事完了時点での写真を撮影するようにしてください。

なお、新築工事の場合は、工事完了後の写真だけでも問題ありません。
しかし、修繕工事や改修工事の場合は、工事前後の写真を用意し、どの部分を工事したのかわかるようにしておく必要があります。

まとめ:【建設業】工事完了報告書とは?作成方法と記入項目を徹底解説

今回は、工事完了報告書に関して、その概要から具体的な記入項目、さらには作成方法について解説しました。

工事完了報告書は元請業者に対して工事が完了した旨を報告するために使用する資料です。
元請業者によっては書式を用意しており、それを使用すれば良いだけのケースもあります。
しかし書式の定めがない場合は、テンプレートを活用するなどして、自社で用意するようにしましょう。

また、工事完了写真が必要になる場合もあるため、写真撮影も忘れずに行ってください。

この記事の監修者

中島崚真 (一級建築士 日本建築学会 会員)

1976年生福岡県出身。空間は人の感情に共鳴する。揺れ動く心と高鳴る胸の鼓動、揺り動かされる感情のデザインを意識して設計活動をしている。
design creation office FIVE COLOR[S] INK 一級建築士事務所