建築業界の景気を徹底解説!今後の動向と必要な取り組みは?

新型コロナウイルスの感染が拡大し、2021年1月には二度目の緊急事態宣言も発令されました。このような状況下で建築業界の景気が気になっている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、信用調査会社が公表している資料を参考に、建築業界の景気について解説します。

また、コロナ禍において建築業界が取り組むべきことについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

新型コロナウイルスによる影響

ここでは、帝国データバンクが発表した資料をもとに新型コロナウイルスにより、建築業界がどのような影響を受けているのか解説します。具体的には以下の3点を取り上げています。

新型コロナウイルスによる影響
  • 受注高の動向
  • 売上高の動向
  • 売上総利益率の動向

建設業界は今後どうなる?新型コロナの影響と今後取り組むべきこと

受注高の動向

建築業における受注高は、第二四半期としては4年連続で減少となりました。
帝国データバンクによると、主要上場建設会社57社のうち、受注高が判明している40社の受注高合計は、4兆2757億9000万円(2020年度第2四半期)でした。
この金額は前年同期比で13.4%減となっています。

この背景にあるのが、新型コロナウイルスの影響による民間工事の大幅な減少です。
官公庁工事自体はコロナ禍においても堅調であった一方で、民間工事では計画の延期・見直しなどが相次いだこともあり、受注高の減少につながっていると考えられます。

また、緊急事態宣言が発令されたことで、発注者側はもちろん受注者側も外出自粛が増え、営業活動が十分に行えなかったことも売上高現象の背景にあると考えられます。

【参考】新型コロナの影響で、民間工事が大幅に減少〜売上総利益率の平均は0.2ポイント増で横ばい〜-帝国データバンク  

売上高の動向

売上高に関しては、主要上場建設会社57社の売上高合計が、前年同期比8.2%減となっています。
しかし、すべての企業が減収となっているわけではなく、57社のうち25社は増収でした。

57の企業の中には、前年同期比20%以上の売上高を記録している企業がある一方で、50%近くの減収を記録している企業もあるなど、企業によっても売上高の増減には大きな違いがあります。

【参考】新型コロナの影響で、民間工事が大幅に減少〜売上総利益率の平均は0.2ポイント増で横ばい〜-帝国データバンク

売上総利益率の動向

売上総利益率に関しては、平均で見ると12.1%(2020年度第2四半期)となっており、前年同期比で0.2増とほぼ横ばいの状況です。

また企業別に見ると、31社で売上総利益率が上昇、26社で低下となっており、若干ではあるものの上昇している企業の方が多くなっています。
ただし、新型コロナウイルスの影響もあり、なんとか横ばいを維持している状況です。

さらに工事の延長や計画の見直しに伴い、企業間での競争が激化し、今後は受注単価の下落・利幅の減少が予想され、今年度通期では売上総利益率が低下に転じる可能性があります。

【参考】新型コロナの影響で、民間工事が大幅に減少〜売上総利益率の平均は0.2ポイント増で横ばい〜-帝国データバンク  

建築業界の今後の見通し

建築業界の景気の今後の見通しは、緩やかに回復すると推測できます。
また、建築需要も高い状況です。

景気は緩やかに回復

2021年の国内景気は、新型コロナウイルスの感染拡大をどのくらい防止できるか、そしてその中で経済活動を再開できるか、そのバランス次第になると考えられます。

2021年1月現在では、一部の地域で緊急事態宣言が発令されているため、まだまだ経済活動の抑制は続く可能性があるでしょう。
また、冬のボーナスの減額や雇用環境の悪化などによって、消費者の財布の紐が固くなる可能性もあります。

このようなネガティブな状況の一方で、コロナ禍における新しい生活に応じた、新たな需要が生まれる可能性もあります。
また、新型コロナウイルスに対するワクチン開発も進んでいます。

そのため今後は、感染拡大に対処しつつも経済活動が再開され、景気も緩やかに上向いていくと考えられます。

建築需要は高い

建築業界に関しては、需要は高いといえるでしょう。
それは、2025年に開催予定の大阪万博に伴う各種工事が行われるためです。万博会場でのパビリオンの建築はもちろん、それに伴うまちづくりなども行われます。
さらに、万博終了後の撤去工事も踏まえると、今後建築業には大きな需要が発生すると考えられます。

万博以外でいうと、リニア新幹線関連の工事やまちづくり関連の需要も期待できるでしょう。
既存のターミナル駅も再開発工事が進むほか、新たにリニア新幹線発着駅となる駅周辺の道路整備などの需要も期待できます。

このように、まだまだ先行きの見えない中ではあるものの、建築業界に対する需要が発生する可能性は十分に見込めます。

コロナ禍での必要な取り組み

ここでは、コロナ禍において建築業はどのような取り組みを行うべきなのか解説します。具体的には以下の2点を取り上げています。

コロナ禍での必要な取り組み
  • IT化(ICT化)
  • 人手不足への対応

IT化(ICT化)

新型コロナウイルス感染拡大により、テレワークやオンライン営業を導入する企業が増えました。

建築業がこれらを導入するためには、従来アナログな手法で行っていた各種業務をIT化(ICT化)する必要があります。

IT化(ICT化)したいものの、導入するための費用を負担するだけの余裕がない企業は、補助金や助成金、給付金の活用を検討してみてください。

一例ですが、ICT化に取り組もうとする企業は、「IT導入補助金」が利用できます。こ
れは、各種ITツールの導入時に発生する費用の一部を補助金がカバーしてくれるというものです。

さらなる具体的な取り組みについて詳しくは、建築業界のIT化について解説している記事をご参考ください。

【建設業界】IT化の現状と、IT化すべき理由を徹底解説

人手不足への対応

建築業の人手不足問題は深刻化しており、対応が必要です。
コロナ禍以前より、建築業界は就業者数が年々減少しており、高齢化も進んでいる状態です。
世代交代をはかりたいものの、人が集まらず人手不足に陥っている企業は少なくありません。

この背景には、建築業の給与水準が他の業界と比べて低いこと、その一方で長時間労働や休日が少ないなど勤務条件が悪いことなどが挙げられます。
また、現場環境に関しては女性用のトイレが十分に整備できていない、子育てや介護との両立が難しいといった状況にあります。

企業側は、給料や勤務時間、休暇といった勤務条件や現場環境の改善に取り組むことはもちろん、先述のようなIT化(ICT化)を進めて「働きたい」と思っている人のニーズに応じた働き方を提供することが求められます。
例えば、テレワークでの勤務体制が整えば、介護や育児などを理由に会社への出社が難しい人でも仕事ができるため、人材の獲得につながるかもしれません。

まとめ

今回は、コロナ禍における建築業界の景気の動向について解説しました。

建築業界は受注高、売上高が減少しており厳しい状況にあります。
一方で万博やリニア新幹線など、今後の需要が見込まれる要素もあります。そのため、受注が増え始めるタイミングを見越して、今のうちからIT化(ICT化)の推進や人材獲得などに取り組んでいきましょう。

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