太陽光発電設置が義務化?その背景と方針、現状や課題まで解説!

近年議論が盛んな太陽光発電設置の義務化。
8月23日に政府から太陽光発電設置義務化論も含めた今後の省エネ対策の方針が公表されました。

今回の公表での太陽光発電設置義務の位置づけを「現時点ではあくまでも将来的な選択肢の1つ」とされていますが、少なくとも導入拡大に向かう方針で間違いありません。

本記事では太陽光発電設置の義務化について、その背景から現時点での方針、太陽光発電の現状から課題まで解説します。

太陽光発電設置の義務化は「選択肢の1つ」

太陽光発電設置の義務化は「選択肢の1つ」

住宅や建築物における太陽光発電設置の義務化は、冒頭お話した通り現時点では「将来的な選択肢の1つ」という位置づけにとどまっています

その背景には太陽光発電の普及における課題が依然として大きくあり、今回のとりまとめ公表に至るまでも度々議論が重ねられてきました。
(課題については後ほど「太陽光発電導入の課題」で詳しく解説します。)

ただし導入拡大の必要性については省エネ・脱炭素社会への推進を先導している3省(環境省・経済産業省・国土交通省)の間で共通認識となっており、今後義務化の方向、少なくとも普及の方向に進んでいくことは間違いないでしょう。

実際に今回の公表においても、新築における太陽光発電設置の標準化や導入促進のための支援措置について言及されています

太陽光発電設置の義務化について理解するために、まずは義務化論の背景と現状の方針について確認しておきましょう。

太陽光発電設置の義務化は「選択肢の1つ」
  • 太陽光発電義務化論の背景
  • 太陽光発電普及の方針
  • 太陽光発電導入の現状

太陽光発電義務化論の背景

太陽光発電設置の義務化が議論されている背景としては、主に以下の2つがあげられます。

太陽光発電義務化論の背景
  • 2030年度までの温室効果ガス46%削減(2013年度比)目標
  • 2050年カーボンニュートラル、脱炭素化社会の実現目標

政府は2030年度にCO2などの温室効果ガスを2013年度比で43%削減するという目標を掲げています。

もともとは2015年に採択されたパリ協定において「2013年度比26%削減」とされていた目標でしたが、今年2021年4月に米国主催気候サミットにおいて菅総理大臣(当時)から「46%削減」を目指すことが宣言されました。

また菅総理大臣は2020年10月の所信表明演説において、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」とも宣言しています。

地球環境保全や脱原発の観点から以前より言及されてきた再生可能エネルギーの活用・普及ですが、これらの目標を達成するために注目されているものが代表的な再生可能エネルギーである太陽光発電です。

また目標は非常に高く設定されているため、政府による主導や事業者・生活者の努力が不可欠として、太陽光発電の設置義務化についても言及されています。

カーボンニュートラルとは二酸化炭素排出量を抑えることで「人の活動によって発生する二酸化炭素」と「森林などによって吸収される二酸化炭素」の量をプラスマイナスゼロにするという意味の言葉です。

太陽光発電普及の方針

冒頭述べたように太陽光発電設置の義務化は「将来的な選択肢の1つ」にとどまっていますが、今回の公表では「2030年までに新築戸建住宅の6割に導入すること」が目標として設定されています。

また2050年に目指すべき住宅・建築物の姿として、「導入が合理的な住宅・建築物における太陽光発電設備等の再生可能エネルギー導入が一般的となること」とも述べられています。

このように太陽光発電の設置は、現状さまざまな課題から義務化には至らなかったものの今後さらに設置普及が進められるものとみて間違いないでしょう。

実際にこれらの目標を達成するために国や地方自治体は率先して太陽光発電の活用に取り組むとしており、具体的には以下のような方策が検討されています。

太陽光発電普及推進のための国・地方自治体の取り組み例
  • 個人負担軽減の観点から、補助制度・融資・税制によって支援措置を講じること
  • 太陽光発電など再生可能エネルギー導入設備を設置したZEH・ZEBを要件化すること
  • 先進事例の創出や事例の横展開に取り組むとともに、わかりやすい情報提供に取り組むこと
  • 太陽光発電設備の後載せやメンテナンス・交換に対する備えのあり方を検討・周知普及すること

【参考】経済産業省 脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方

なお国による太陽光発電の補助金は2014年に終了以降立ち上げられていませんが、ZEH関連の補助・支援事業の枠内で補助金が受けられる可能性があります。

ZEHとは、エネルギーの消費量を抑えつつ自らエネルギーを創り出し、一年間のエネルギー消費量が概ねゼロ以下となる住宅のことです。

2030年、2050年の目標を受けてZEHも普及が推進されており、多くの補助金が用意されています。

太陽光発電導入の現状

義務化を視野に入れて普及が推進されている太陽光発電ですが、住宅用太陽光発電導入率は2019年度で全体の9%にとどまっています。

住宅用太陽光発電導入件数
【引用】一般社団法人 太陽光発電協会 太陽光発電の現状 ー 制度の見直し検討と成長戦略 ー 調達価格等算定委員会資料

また年間の導入件数も低調であり、6割の目標が掲げられている新築での設置率も近年は15%程度にとどまっています。

このように現状からすると、太陽光発電を「住宅に標準的に設置されているもの」とするには正直難しいといえます。

このような現状を変えていき目標を達成するためにも、コストをはじめとした課題の解決とそのために必要な国・地方自治体による支援が必要です。

太陽光発電普及の課題

太陽光発電普及の課題

太陽光発電設置の義務化が今まで見送られてきており、また今回も将来的な選択肢の1つにとどまっている理由として、現状さまざまな課題があり導入や普及の難しさを度々指摘されていることがあげられます。

最後に太陽光発電普及の主な課題として、以下の3つについて解説します。

太陽光発電普及の課題
  • コスト面での課題
  • 技術面での課題
  • 安全面での課題

コスト面での課題

太陽光発電において最も大きな課題として指摘されていることは、導入・管理共にコストがかかることです。

太陽光発電を利用するためには太陽光パネルの設置費用のほかに、パワーコンディショナーの導入・設置費用がかかります。
また導入後も定期点検費用や保険料、機器の修理や交換にも費用がかかるなどランニングコストも必要です。

太陽光発電を導入すると売電や災害時の対応などさまざまなメリットがあります。しかし、現状ではメリットを感じられるまでに支払わなければならないコストが個人で支払うものとしては決して少なくないといえるでしょう。

このため太陽光パネルの低コスト化による導入コストの削減やシステムの長寿命化によるランニングコストの低減、それらを支える国や地方自治体の補助が求められています

パワーコンディショナーとは、太陽光発電などによって創った電気を家庭での利用や充電、売電などに利用できるように変換する機械のことです。

太陽光発電を導入する際はパワーコンディショナーも一緒に設置する必要があります。

技術面での課題

太陽光発電は太陽光を電力に変換するという性質上、発電量が地形や気象条件などの環境に大きく左右されるため、どうしても導入に不向きな場所が存在します

同等の設備を導入したとしても、多雪地域など日照量が少ない場所では効率的な発電が行えません。

このように技術的・構造的にいかなる場所においても活用できるシステムではないことが現状であるため、この点も普及を困難にしている課題の1つといえます。

安全面での課題

太陽光発電は太陽光パネルを屋外に設置する必要があるため、風雨によって破損する可能性があります

浸水や破損した太陽光発電設備に接触すると感電する恐れがあり、また飛散した太陽光パネルが近隣の住宅を損壊させる危険性も指摘されています。

このほかに設置不良による火災の危険性もあるため、安全性を向上させることも普及のために必要です。

まとめ

今回は太陽光発電設置の義務化について、その背景から現時点での方針、太陽光発電の現状から課題まで解説しました。

現時点ではコストや技術、安全などの課題から「将来的な選択肢の1つ」にとどまっている義務化ですが、今後省エネ推進の要として普及が推進されていくでしょう。

またそれに伴い太陽光発電に関する技術の向上や関連補助制度も拡充されることが見込まれます。

このため太陽光発電の設置が義務化・標準化された際に今から備えておくことが必要ですが、新しい技術やシステムを取り入れる前に一度業務の洗い出し・効率化を行うことをおすすめします。

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