太陽光発電を導入すると、「自立運転機能」を用いて停電時にも電力を供給できます。
しかし、具体的な使用方法や使用できる電力量についてイマイチ分かっていないという方も少なくありません。
太陽光発電の導入を勧める際に説得力をもって停電時の使用方法について説明ができれば、訴求力の向上にもつながります。
今回は太陽光発電の停電時の使い方について、使用できる上限の電力量や使用時の注意点、さらに災害時の備えをさらに万全にする3つのポイントまで交えて解説します。
目次
太陽光発電の停電時の使い方
災害などにより停電が起きた際、太陽光発電は「自立運転機能」を用いることで電力を供給できます。
ただし、カバーできる電力量には上限があるなど使用上の注意点もいくつか存在します。
太陽光発電の大きなメリットである停電対策について正しく理解するために、以下の3つについてチェックしておきましょう。
- 自立運転機能の使い方
- 自立運転機能で使える電力量
- 停電時に太陽光発電を使用する際の注意点
自立運転機能の使い方
自立運転機能とは、停電時にも太陽光発電によって生み出した電力を家庭内に供給できるようにするパワーコンディショナーの機能です。
メーカーや機種により多少違いはあるものの、基本的には以下の方法で自立運転モードへと切り替えて電力を使用できるようになります。
- 主電源のブレーカーを落とす。
- 太陽光発電のブレーカーを落とす。
- パワーコンディショナーを再起動し、自立運転モードに切り替える。
- 使用したい電気製品を自立運転用コンセントに接続する。
(自立運転用コンセントは、一般的にパワーコンディショナーの側面または底面にあります。)
パワーコンディショナーとは、太陽光発電などによって創った電気を家庭での利用や充電、売電などに利用できるように変換する機械のことです。
以下の記事で役割や仕組み、種類や選び方について詳しく解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
自立運転機能で使える電力量
停電時にも電力供給がおこなえる自立運転機能ですが、使用できる電力量の上限は1,500Wである点には注意が必要です。
一般的に生活に使用する家電が単体で1,500Wを超えることはあまりありませんが、複数同時使用すると上限値を超えてしまう可能性があるため注意しましょう。
なお、生活家電の一般的な消費電力の目安は以下のとおりです。
家電製品 | 消費電力 |
---|---|
冷蔵庫 | 150W~500W |
電子レンジ | 1300W |
オーブントースター | 1200W~1350W |
炊飯器 | 350W~1200W |
洗濯機 | 500W~900W |
アイロン | 1200W~1400W |
掃除機 | 1000W~1100W |
ドライヤー | 600W~1200W |
ヘアアイロン | 150W~240W |
掃除機 | 1000W~1100W |
液晶テレビ | 40W~220W |
デスクトップパソコン | 150W~300W |
ノートパソコン | 50W~120W |
炊飯器など同一製品でも機器や使用方法によって大きく電力消費量に差があるものもありますが、基本的に1000Wを超える製品については注意して使用しましょう。
またエアコンの消費電力を記載しませんでしたが、自立運転機能はエコアンやIH調理器など消費電力が大きく200Vコンセントを使用するものには対応していないためです。
「自立運転機能でカバーできる家電製品は100Vコンセントを使用するもののみ」ということも知っておきましょう。
電源立ち上げ時のみ、瞬間的に表記よりも大きな電力が必要な製品も存在します。
自立運転機能で使用できる電力は1,500Wまでのため、余裕を持って使用するよう注意しましょう。
停電時に太陽光発電を使用する際の注意点
電力消費量上限のほかにも、自立運転機能を使用する際は天候や時間に気を付けましょう。
あくまでも太陽光発電で発生した電力を供給するため夜間は使用できないほか、雨天や曇天時には稼働率が低下します。
このように自立運転機能での電力供給にはさまざまな制限があるため、限られた電力を効率的に運用していくことが求められます。
災害時の備えを万全にするために押さえておきたい3つのポイント
先ほど限られた電力を効率的に運用していく必要性についてお話しましたが、ここからはその具体的な方法について解説します。
今回は太陽光発電による災害・停電対策をより万全にするために押さえておきたいポイントとして、以下の3つを解説します。
- 夜間対応のために蓄電池の導入を検討する
- 停電復旧までにかかる日数を把握しておく
- 延長ケーブルや電源タップを用意しておく
夜間対応のために蓄電池の導入を検討する
夜間使用ができない点が災害時に太陽光発電を使用する上でネックとなりますが、それはあくまでも太陽光発電を単体で使用する場合のお話です。
蓄電池やV2Hといった蓄電システムをあわせて導入すると太陽光発電の電力をたくわえて好きなタイミングで供給できるため、夜間対応も可能となります。
また雨天・曇天時にも安定的に電力供給をおこなえるようになるでしょう。
蓄電池には、停電時に家全体に電力を供給する「全負荷型」と、特定の回路にのみ電力を供給する「特定負荷型」があります。
全負荷型は家全体をカバーするため10kWh程度など大容量のものが多く、特定負荷型は5kWh程度のものが多く展開されています。
停電復旧までにかかる日数を把握しておく
太陽光発電での災害・停電対応にはさまざまな制限があるため、「いつ通常の電力供給状況へ復旧するか」について把握しておくことは重要です。
電力の復旧はライフラインの中では比較的早く、参考として東日本大震災の時も1週間程度で復旧しています。
【参考】内閣府 東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会第1回会合 被害に関するデータ等
ただしライフラインの中では比較的早いといえど、復旧までの間太陽光発電が100%稼働できる晴天の日が続くとは限らない点には注意が必要です。
安定的に災害・停電対策をおこなうためには、やはり蓄電システムの導入をおすすめします。
ある程度の費用が必要である点がネックの蓄電システム導入ですが、近年太陽光発電設備や蓄電池を0円で設置できるサービスが注目を集めています。
それぞれ別記事で仕組みやメリットなどについて詳しく解説しているため、ぜひあわせてご確認ください。
延長ケーブルや電源タップを用意しておく
さまざまな家電を使用できるように、延長ケーブルや電源タップを用意しておくこともおすすめです。
パワーコンディショナーに付属している自立運転用コンセントだけでは、差込口の数的にも距離的にも使用できる家電が制限されてしまうためです。
電力消費量上限に気を付けつつ、差込口が複数ある延長ケーブルや電源タップを用意して必要な家電を使用しましょう。
まとめ
今回は太陽光発電の停電時の使い方について、使用できる上限の電力量や使用時の注意点、さらに災害時の備えをさらに万全にする3つのポイントまで交えて解説しました。
停電時にも電力供給できる点は太陽光発電の大きなメリットの1つですが、消費電力量には上限があるほか夜間には使用できなかったり雨天・曇天時には稼働率が低下してしまったりする点には注意が必要です。
ただし、蓄電池やV2Hをはじめとした蓄電システムを導入することでそうした注意点にも対応が可能です。
必要な費用が大きくなってしまう点がデメリットですが、本記事でも少し触れたように0円太陽光を活用することで対策できます。
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また太陽光発電は台風による機能不全などのリスクが指摘されていますが、ダブルZEROでは「太陽光発電+簡易版V2Hシステム」という構造のためより安定的な災害対策が行えます。
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