工務店の業務において、業務の進捗状況を確認するために日報の作成は欠かせません。しかし、日報を紙やエクセルで管理していると使い勝手が悪く、最悪の場合は上司が日報を確認しない状態になることもあります。
このような状態では、従業員は日報を作成する意欲を失くしてしまうでしょう。
今回は、日報の作成・確認に役立つ工務店向けの「日報アプリ」について解説します。日報アプリの目的別の種類や選び方のポイントを解説しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
日報アプリとは
日報とは、毎日の業務の進捗状況を報告・共有するための日誌のことです。
日報に記載すべき具体的な項目については、作業日報の書き方について説明している記事をご参照ください。
そして、その日報をアプリで管理するのが日報アプリです。従来の日報は紙ベースやエクセルで管理していましたが、アプリであれば、スマートフォンやタブレットから日報の作成や確認を簡単に行うことができます。時間や場所に関係なく日報が扱えるため、業務効率化も図れるでしょう。
なお、日報アプリは、大きく分けて社内共有型とデータベース型の2つに分けることができます。それぞれのタイプについて確認していきましょう。
社内共有型
社内共有型の日報アプリは、部署間のコミュニケーションを重視したい場合に向いています。
社内共有型日報アプリの特徴は、部署や店舗、現場などの垣根を超えた日報共有ができる点です。部署が異なると、どうしてもお互いの業務内容が把握できませんが、アプリを使用することで業務の見える化が図れます。
また、他部署での成功事例を日報アプリに記載しておけば、他の部署の業務にも活かせるかもしれません。そして日々の日報を継続して作成していけば、日報上の情報は会社の財産にもなるでしょう。
さらに、社内共有型の日報アプリの場合、日報に対するコメントを残すことができたり、チャットによる会話ができるものもあります。これらの機能を活用することで、社員同士でのコミュニケーションの活性化も図れるでしょう。
データベース型
データベース型の日報アプリは、日報に記載した内容が自動的にデータベース化されることが特徴です。
日報のフォーマットに沿って業務内容を入力すると、自動的に業務の情報が集計されます。例えば、「どの社員がいつどのような商談を行なったのか」といったことも記録に残ります。
データベース化されることによって、企業側は従業員の仕事に関する情報を効率よく管理することができます。
工務店向け作業日報アプリの選び方
ここでは、工務店向けの作業日報アプリの選び方について解説します。アプリによって特徴が異なるため、選び方を間違えると「せっかく導入したのに自社に適していない」といった事態にもなりかねません。このような事態を回避するために、次に紹介する選び方のポイントを押さえておきましょう。
自社の目的に合っているか
日報アプリを選ぶ際は、なぜアプリを導入するのか、その目的を考えることが重要です。例えば、社内でのコミュニケーションを活性化したいのか、それとも業務に関する情報を効率よく管理したいのかによって社内共有型のアプリを選ぶべきなのか、データベース型のアプリを選ぶべきなのか変わります。
現場から確認ができるか
工務店の場合、現場で働く人もいるため、「現場から日報にアクセスできるかどうか」は重要なポイントです。アプリであれば、基本的にパソコンはもちろん、スマートフォンやタブレット端末などマルチデバイス対応となっているため、ほとんどの場合が現場での日報作成や確認にも対応しています。日報作成・確認の手間を省くことができれば、業務がより効率的になるでしょう。
テンプレートをカスタマイズしてできるか
日報アプリを選ぶ場合、現場の状況に応じてテンプレートをカスタマイズできるかどうかも重要なポイントです。
従来の日報作成は、現場に足を運び、バインダーに挟んだ紙に業務の詳細を走り書きにし、その紙を持って会社に戻り、紙に書き込んだ情報をエクセルなどに打ち込むという形で行われていたのではないでしょうか。
手書きやエクセルを使った日報は、現場などの外出先から提出ができません。メールで必要な情報を打ち込んで日報を提出することもできますが、結局誰かがその内容を日報に入力する手間が発生します。
このような手間もアプリであれば省くことができます。アプリによっては、日報のテンプレートをカスタマイズできるものもあり、現場の状況に応じた日報のテンプレートを用意することができます。
また、その場で打ち込んだ情報がそのまま日報に反映されるため、わざわざ会社に戻って日報を作成し直す必要もありません。場合によっては、移動中にササっと日報を作成することもできるでしょう。
業務を一元管理する方法
日報アプリを利用すると、基本的に日報作成の機能しか利用できません。社内で他のシステムを使用している場合は、日報アプリと他システムとの連携が難しい可能性もあるでしょう。そうなると、従業員が使用するツールが多くなり、業務の効率が悪くなってしまいます。
日報のみが必要な場合は、日報アプリを導入しても問題ありませんが、日報以外にもさまざまな情報共有がしたい場合は、それらを一元化して管理する方法を検討する必要があるでしょう。ここでは、業務を一元管理する方法について解説します。
基幹システムを導入
日報を含めた業務の一元管理を行う場合、基幹システムの導入がおすすめです。基幹システムは、日報の作成や共有はもちろんのこと、顧客情報の管理、見積作成、工程表、実行予算、発注、支払い、メンテナンス情報など幅広い情報の管理・共有が可能となります。情報の一元管理ができるので、社内での情報共有もスムーズに行えるでしょう。
また、情報共有が全社的に行われれば、業務の属人化も防ぐことができます。特定の社員しか業務内容がわからない、といった事態にも陥らないため、業務の引き継ぎも効率よく行えるはずです。
ただし、基幹システムの導入にあたっては基本的に費用が発生します。予算的に費用を最小限に抑えたい、できれば無料で利用したい、といった場合はアプリを利用してみてください。
工務店での利用に向いている基幹システムの導入を検討している場合は、ぜひ「建築システム10社比較記事」を参考にしてください。
作業日報アプリ:まとめ
今回は、工務店向けに作業日報アプリの概要とアプリの選び方、業務を一元管理する方法について解説しました。日報アプリを利用することで、場所や時間にとらわれることなくいつでも日報の作成・確認ができるようになります。
また、社内での情報共有もスムーズに行えるようになるため、業務効率化も図れるでしょう。
一方で、日報の作成・確認だけでなく、工務店の業務全体を一元管理したい場合は、業務ごとにさまざまなアプリを使用するのではなく基幹システムを導入することをおすすめします。
ぜひ、自社のニーズに最適な日報アプリや基幹システムを利用してはいかがでしょうか。