塗装工事とは、建物の外壁や屋根などに塗料を塗って、美観を保ちながら劣化や風雨から守る工事です。
しかし、具体的な作業内容や費用について、よくわからないという方も多いでしょう。
この記事では、塗装工事の基礎知識から施工の流れ、費用相場、さらに業務効率化につながるシステムの活用方法まで解説します。
塗装工事とは?

建物の外壁や屋根は、日々雨風や紫外線にさらされ、時間とともに劣化していきます。
塗装工事は、これらのダメージから建物を守り、美観を維持するために欠かせない工事です。
ここでは、塗装工事の基本的な役割や発生しやすいトラブルについて解説します。
塗装工事の役割
塗装工事には、以下のような重要な役割があります。
- 雨や紫外線から外壁や屋根を守る。
- 防水性や耐久性を高めて劣化や腐食を防ぐ。
- 建物の見た目をきれいに保ち、外観の印象を良くする。
- 経年による色あせや汚れを取り戻す。
- 夏の熱を遮り室内温度の上昇を抑える。
- 冬の室内熱を逃がしにくくする。
- カビ・コケ・藻の発生を抑える。
- 健康や衛生面のリスクを低減する。
塗装工事で発生しやすいトラブル
塗装工事では、以下のようなトラブルが発生するケースがあります。
- 塗装後、数年以内に塗装がはがれたり割れたりする。
→解決策:下地処理を丁寧に行い、建物や素材に合った塗料を選ぶ。
- 塗装が均一に仕上がらず、色ムラがあり見た目が悪くなる。
→解決策:工程ごとの塗布量・乾燥時間を厳守する。
- 風で塗料が飛び、車や近隣住宅などに塗料が付着する。
→解決策:工事前に近隣住民へ丁寧に説明し、飛散防止ネットを設置する。
塗装工事の種類と方法

塗装工事には、さまざまな種類や工法があります。
ここでは、塗装箇所ごとの違いや工法、塗料の種類について見ていきます。
塗装箇所ごとの違い
塗装箇所ごとの違いは、以下のとおりです。
外壁塗装
建物の外壁に施される塗装で、最も一般的な塗装工事です。美観の向上だけでなく、雨風や紫外線から外壁を守る役割があります。
屋根塗装
屋根は建物の中で最も過酷な環境にさらされる部分です。特に夏場の直射日光や雨水の影響を受けやすいため、遮熱塗料や防水塗料がよく使用されます。
鉄部塗装
門扉、フェンス、シャッターなどの鉄部には、サビを防ぐための塗装が必要です。一般的に、錆止め塗料を使用したうえで、仕上げ塗料を塗ります。
木部塗装
ウッドデッキや木製の扉などには、木材専用の塗料を使用します。防腐・防虫・防水効果のある塗料を選びます。
塗装の主な工法
塗装の主な工法は、以下のとおりです。
刷毛
細かい部分や端の部分を塗るのに適しています。職人の技術が求められますが、均一に塗るのが難しい場合もあります。
ローラー
広い面積を塗るのに適した工法です。塗料の飛散が少なく、施工しやすい点が特徴です。
吹き付け
塗料を霧状にして吹き付ける方法で、大きな建物や工場などの塗装によく使用されます。仕上がりが美しく、均一に塗れるメリットがあります。
塗料の種類と特徴
塗料には下表の種類があり、目的に応じて選ぶ必要があります。
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
アクリル | 5~8年 | 価格は安いが耐久性が低い。 |
ウレタン | 8~10年 | 柔軟性があり、ひび割れに強い。 |
シリコン | 10~15年 | 耐久性・コストのバランスがよい。 |
フッ素 | 15~20年 | 高価だが耐久性が高い。 |
無機塗料 | 20~25年 | 最も耐久性が高いがコストがかかる。 |
塗装工事の流れ

塗装工事は単に塗料を塗るだけではなく、下地の処理や養生など、いくつもの工程を経て進められます。
以下は、塗装工事の一連の流れです。
1.近隣挨拶
足場の設置や高圧洗浄、塗料の臭い、作業音などが発生するため、近隣住民へ工事の内容や期間を事前に伝えます。
近隣住民への配慮が欠けると、クレームやトラブルにつながる場合があります。
2.足場設置
作業員が安全に作業できるように足場を組み立てます。
塗装を行う建物の高さに応じて、単管足場やくさび式足場などを使用します。
3.高圧洗浄
塗装を行う前に、外壁や屋根の汚れをしっかりと落とします。
長年塗り替えをしていない外壁には、汚れが蓄積しているため、丁寧な洗浄が必要です。
4.下地処理
ひび割れや剥がれがある場合は、補修材を使って修復し、表面を滑らかに整えます。
適切な下地処理を行わないと、新しい塗料がすぐに剥がれる原因となるため、慎重に作業を進めます。
5.養生作業
窓や玄関、エアコンの室外機、植木など、塗料が付着してはいけない部分を養生します。
養生作業が不十分だと、塗料が飛び散って余計な部分に付着してしまうため、特に細かい部分は慎重に行います。
6.下塗り
シーラーやプライマーと呼ばれる下塗り専用の塗料を塗布し、上塗りの塗料が剥がれにくくします。
外壁の素材によって適切な下塗り材を選びます。
7.中塗り
塗装の厚みを確保し、塗料の性能を最大限に引き出します。
中塗りを行うことで、耐久性が向上し、長期間美しい状態を保てます。
8.上塗り
最終的な仕上げの工程で、中塗りと同じく重ね塗りし、塗装の厚みを確保します。
上塗りをしっかり行うことで、塗膜の強度が増し、外壁や屋根を長期間保護できます。
9.完了検査
塗装の仕上がりを確認するために完了検査を行います。
塗りムラや塗り残しがないか、塗膜の厚みが適切かどうかをチェックし、不具合があれば手直しを行います。
10.足場解体
すべての塗装作業が終わった後、足場を解体します。
解体後は建物周囲の清掃を行い、塗料の飛散やゴミの回収も徹底します。
11.引き渡し
施主立ち会いのもとで最終確認を行います。
塗装の仕上がりや、依頼内容と違いがないかをチェックし、問題がなければ工事完了となります。
塗装工事にかかる費用

塗装工事の費用は、建物の大きさや塗装面積、使用する塗料の種類などによって大きく異なります。
ここでは、外壁塗装の費用相場と価格を左右する要因について紹介します。
外壁塗装の費用相場
外壁塗装の坪数ごとの費用相場と塗料ごとの単価相場は、下表のとおりです。
ただし、あくまでも目安であり、実際は家屋ごとに塗装面積が異なります。
【坪数ごとの費用相場】
坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
---|---|---|
20坪 | 約79㎡ | 40~90万円 |
30坪 | 約119㎡ | 60~100万円 |
40坪 | 約158㎡ | 80~130万円 |
50坪 | 約198㎡ | 100~160万円 |
60坪 | 約238㎡ | 120~200万円 |
【塗料の種類ごとの単価相場】
塗装の種類 | ㎡あたりの単価相場 |
---|---|
アクリル塗料 | 1,000円~1,800円 |
ウレタン塗料 | 1,700円~2,500円 |
シリコン塗料 | 2,100円~3,500円 |
フッ素塗料 | 2,000円~5,000円 |
無機塗料 | 3,500円~5,500円 |
価格を左右する要因
塗装工事の費用は、以下のような要因によって変動します。
塗装する面積
建物の大きさや塗装する範囲が広くなるほど、必要な塗料や作業時間が増えるため、費用も高くなります。
外壁だけでなく、屋根や付帯部(雨どいや軒天、破風板など)も塗装する場合は、追加費用が発生します。
塗料の種類とグレード
塗料には、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機塗料など、さまざまな種類があります。
耐久性が高いほど費用は高くなりますが、メンテナンス回数を減らせるため、長期的にはコストを抑えられます。
建物の劣化状況
ひび割れや剥がれ、カビ・コケの発生がある場合は、塗装前に下地処理や補修が必要です。
下地処理や補修の規模によって、追加費用が発生するケースがあります。
施工方法
刷毛やローラーによる手塗りと、スプレーによる吹き付け工法では、作業の手間や仕上がりに違いがあります。
吹き付け工法はスピーディーに仕上がりますが、塗料の飛散リスクがあるため、養生をしっかり行います。
足場代
外壁や屋根の塗装を行う場合、ほとんどのケースで足場の設置が必要です。
足場の設置費用は15万~30万円が相場で、工事費用の大きな割合を占めています。
施工管理システムで塗装工事を効率化する方法

塗装工事の現場では、スケジュール管理やコスト管理、品質管理が重要なポイントとなります。
ここでは、施工管理システムを活用するメリットと、具体的に効率化する方法について説明します。
工程管理の可視化でスケジュール遅れを防止
塗装工事では、天候や作業の遅れによってスケジュールがずれるケースがあります。
施工管理システムを導入すれば、各工程の進捗状況を一元管理し、職人や関係者がリアルタイムで情報を共有できます。
例えば「高圧洗浄完了」「下塗り開始」「上塗り完了」といった進捗をスマホやタブレットで即時更新することで、現場の状況確認が可能です。
工事全体の見通しが良くなり、無駄な待機時間を減らせるでしょう。
リアルタイムでのコスト管理で利益率アップ
塗装工事では、塗料や人件費、足場設置費など、さまざまなコストが発生します。
手作業での集計では、工事が完了するまで正確な費用を把握するのが困難で、予算オーバーにもなりかねません。
施工管理システムを活用すると「どの工程にどれくらいの費用がかかっているか」をリアルタイムで確認でき、無駄な支出を抑えられます。
例えば、予定よりも塗料の消費量が多い場合、すぐに発注を調整し、余分なコストを削減できます。
品質基準の統一とトラブルの防止
塗装工事では、塗料の乾燥時間や塗りムラのチェックが不十分だと、施工後にトラブルが発生する場合もあります。
施工管理システムを活用すると、チェックリストや写真管理機能を利用し、作業の品質を統一できます。
作業完了ごとに写真を撮影し、クラウド上で共有すれば、遠隔でも仕上がりの確認が可能です。
万が一のクレーム対応にも役立つため、顧客満足度の向上につながるでしょう。
まとめ

塗装工事とは、建物を美しく保つだけでなく、雨風や紫外線などの外的ダメージから守る大切な工事です。
工程の多さやトラブルのリスクも伴いますが、事前の準備や適切な施工によって未然に防ぐことができます。
施工管理システムを導入すれば、工程管理やコスト管理がしやすくなり、品質の安定と業務の効率化が実現できるでしょう。
スムーズな現場運営と無駄の削減を目指し、高品質な塗装工事を提供しましょう。
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