無料テンプレートはこちら

工事価格とは?内訳から計算方法まで分かりやすく解説

工事価格とは?内訳から計算方法まで分かりやすく解説

建設工事の価格を決定する過程は、さまざまな費用の計算に基づきます。

この記事では工事価格について、構成する費用の内訳から具体的な計算方法まで詳しく解説します。

工事価格の計算過程が分かれば、工事の見積もりやコスト管理において、より深く理解することができるでしょう。

効果的なプロジェクト管理に役立つ情報となるため、ぜひ参考にしてください。

本記事は下記のような方におすすめです
  • 工事価格の内訳を知りたい
  • 工事価格の計算方法を知りたい
  • 積算の流れについて知りたい

工事価格とは

工事価格とは、建設プロジェクトの全体的な金額を反映するものです。

プロジェクトの規模、材料の種類、必要な労働力、使用する機械、さらには工事現場の地理的な条件などによって決定されます。

まずは、工事価格は「工事原価」と「一般管理費」から成り立っていることを確認しましょう。

工事価格

工事原価

  • 直接工事費
    • 材料費
    • 労務費
    • 直接経費
  • 間接工事費
    • 共通仮設費
    • 現場管理費

一般管理費

工事価格とは
  • 工事原価と一般管理費
  • 直接工事費と間接工事費

工事原価と一般管理費

工事価格を構成する「工事原価」と「一般管理費」について、それぞれ詳しく解説します。

工事価格

工事原価

  • 直接工事費
    • 材料費
    • 労務費
    • 直接経費
  • 間接工事費
    • 共通仮設費
    • 現場管理費

一般管理費

工事原価

工事原価は、建設プロジェクトにおいて、工事現場で発生する全ての費用を指します。

これには、直接プロジェクトにかかる費用(直接工事費)と、間接的にプロジェクトに関連する費用(間接工事費)が含まれます。

プロジェクトの全体的な予算策定や、コスト管理に直結する費用です。

一般管理費

一般管理費は、工事のプロジェクトには直接関係しないものの、建設会社の運営に必要な経費を指します。

建設プロジェクトを効果的に運営するために不可欠な費用であり、プロジェクトの総コストを算出する際に求められます。

直接工事費と間接工事費

工事原価を構成する「直接工事費」と「間接工事費」について、それぞれ詳しく解説します。

工事価格

工事原価

  • 直接工事費
    • 材料費
    • 労務費
    • 直接経費
  • 間接工事費
    • 共通仮設費
    • 現場管理費

一般管理費

直接工事費

直接工事費は、工事の施工に直接関わる費用であり、材料の購入、労務の支払い、使用機械のレンタル料などが該当します。

具体例として、建築物を構成するために必要なセメント、鉄骨の購入費、現場で働く職人やエンジニアへの給与などです。

プロジェクトの遂行に直結する費用であるため、プロジェクトの規模や仕様によって大きく変動する可能性があります。

間接工事費

間接工事費は、工事現場で共通して必要となる費用(共通仮設費)や、工事全体の管理に関連する費用(現場管理費)を指します。

  • 共通仮設費:工事現場で必要となる仮設トイレや仮囲い、安全訓練の実施に関わる費用など。
  • 現場管理費:現場事務所の設置費や資材の運搬費、現場の管理に関わる人件費など。

間接工事費は、直接的な建設活動とは異なりますが、工事を円滑かつ安全に進めるために不可欠な費用だといえます。

工事原価の詳細な内訳

工事原価は、建設プロジェクトの総費用です。工事原価の詳細な内訳を深く掘り下げていきます。

積算の正確さは、プロジェクトの信頼性を高め、予算超過や資金不足を防ぐために極めて重要です。

工事原価の詳細な内訳
  • 直接工事費の内訳
  • 間接工事費の内訳

直接工事費の内訳

直接工事費は、建設プロジェクトで直接使われる「材料費」「労務費」「直接経費」から成り立っています。それぞれ詳しく解説します。

工事価格

工事原価

  • 直接工事費
    • 材料費
    • 労務費
    • 直接経費
  • 間接工事費
    • 共通仮設費
    • 現場管理費

一般管理費

材料費

材料費は、建築物の構造に必要な鉄筋、セメント、内装に用いる木材や塗料など、プロジェクトに直接使用されるあらゆる材料のコストを指します。

使用する材料の種類や量、市場価格によって変動することがあります。

労務費

労務費は、現場で働く作業員や技術者の人件費を指します。労務費の計算では、作業に必要な人数とその作業にかかる時間をもとに算出されます。

具体的な計算方法としては、所要人数(設計作業量×該当作業の歩掛)に基本日額と割増賃金を掛け合わせます。

一定の作業量をおこなうために必要な作業員数を計算し、人数に対して労務単価を掛けることで、総労務費を求めることが可能です。

直接経費

直接経費は、プロジェクトを進行する上で直接必要となる特許使用料や、機械のレンタル料などを指します。

プロジェクトの性質や規模に応じて変動することがあります。

間接工事費の内訳

間接工事費は、工事原価の中で間接的ながらも重要な経費である「共通仮設費」「現場管理費」から成り立っています。それぞれ主な内容を解説します。

工事価格

工事原価

  • 直接工事費
    • 材料費
    • 労務費
    • 直接経費
  • 間接工事費
    • 共通仮設費
    • 現場管理費

一般管理費

共通仮設費

共通仮設費は、プロジェクトに共通して必要な仮設物や設備にかかる費用を指します。

工事現場に設置する仮設事務所や仮囲い、安全ネット、工事中の照明や電源供給のための設備費用などが含まれます。

プロジェクト全体の効率的、かつ安全な進行を支えるために不可欠な費用です。

現場管理費

現場管理費は、工事現場の管理と運営に関わる網羅的な費用を指します。

具体例としては、現場監督や安全管理者の人件費、品質検査や安全監査に関する費用、法的な許可や申請に関わる行政手数料などが含まれます。

プロジェクトの円滑な進行を保証し、法的な要件を満たすために重要な費用です。

一般管理費とは

一般管理費は、建設プロジェクトにおいて、工事現場で直接発生しない経費を指します。建設会社の経営維持に必要な経費であり、工事価格の中でも重要な位置を占めます。

工事価格

工事原価

  • 直接工事費
    • 材料費
    • 労務費
    • 直接経費
  • 間接工事費
    • 共通仮設費
    • 現場管理費

一般管理費

一般管理費の詳細な内訳

一般管理費には複数の項目が含まれ、それぞれが建設プロジェクトの全体的な費用に影響を与えます。

一般管理費は、企業の規模や業務内容によって異なることがありますが、一般的には以下の11種類のような費用が含まれます。

費用内容
役員報酬会社の役員、取締役に支払われる報酬
従業員給料手当事務職や管理職などの非現業部門で働く従業員の基本給、賞与、手当などの支払い
法定福利費従業員の社会保険料や退職金など、法律に基づく福利費用
広告宣伝費商品やサービスの宣伝に関する費用
通信費インターネット、電話、郵便などの企業の通信インフラの維持に関連する費用
消耗品費文房具、プリンターのインク、コンピューターソフトウェアなどの事務用消耗品
会議・接待費取引先との会議や接待にかかる費用
地代家賃オフィスや倉庫、店舗など賃貸料
保険料事業運営に関わるリスクをカバーするための各種保険料
租税公課印紙税、登録免許税、固定資産税、都市計画税、道路占用料などの費用
減価償却費企業が保有する固定資産の価値減少に伴う費用

工事価格の計算方法

工事価格の計算は、建設プロジェクトの管理において中心的な業務といえます。ここからは、工事価格を算定する積算業務の流れと計算方法について解説します。

工事価格の計算方法
  • 積算業務の流れ
  • 実際の計算方法
  • 計算上の注意点

積算業務の流れ

積算とは、工事の実行計画を正確に評価し、工事費用を算出する業務のことを指します。

積算業務には高度な専門知識と経験が求められ、見積もりの精度が工事の成功を大きく左右するといっても過言ではありません。

積算業務の流れは、以下のように進行します。

項目内容
1.プロジェクトの要件と範囲の確定プロジェクトの範囲と要件を詳細に分析します。
建築計画や設計図面の精査がおこなわれます。
2.材料費の算出プロジェクトに必要な材料の種類、量、コストを決定します。
市場価格の調査や、仕入れ先との交渉も含まれます。
3.労務費の算出プロジェクトに必要な人員の数と、関連する費用を計算します。
4.直接経費の算出必要な機械や設備のレンタル費用、特許料、水道光熱費などを評価し、加算します。
5.共通仮設費と現場管理費の算出プロジェクトの進行に必要な一般的な設備や、間接的に発生するコストを見積もります。
6.一般管理費の算出建設会社の運営に必要な経費を算出します。
7.合計費用の算出1~6の全てのコストを加算し、総工事費を算出します。
8.見積書の作成算出された総工事費に基づいて、詳細な見積書を作成します。
9.見積書のレビューと調整見積書は精査され、必要に応じて調整がおこなわわれます。

実際の計算方法

工事価格の計算は、工事原価と一般管理費の合計から成り立っています。以下に、実際の計算方法を例示します。

工事項目数量金額(円)計算方法
材料費一式5,000,000A
労務費一式3,000,000B
直接経費一式2,000,000C
直接工事費計10,000,000D(A+B+C)
共通仮設費一式1,000,000E
現場管理費一式1,500,000F
工事原価12,500,000G(D+E+F)
一般管理費一式2,000,000H
工事価格14,500,000I(G+H)

計算上の注意点

工事価格の計算に際して、特に重要な注意点を4つ紹介します。

材料費の計算

材料費は、使用する材料の数量と単価を正確に把握する必要があります。市場価格の変動や供給状況によって材料費は変わることがあるため、最新の情報に基づいて計算することが重要です。

労務費の計算

労務費は、作業に必要な労働時間と労働単価を正確に見積もることが必要です。特に複雑な作業や特殊技能を要する作業では、通常より高い労働単価が適用される場合があります。

直接経費の計算

直接経費は、特定の工事にのみ適用される特許使用料や、工事現場の水道光熱費、機械のレンタル費用などを適切に計上する必要があります。

一般管理費の計算

一般管理費は、会社の経営状況によって大きく変動する可能性があるため、過去のデータや業界平均を参考にしつつ、現在の経済状況を考慮に入れることが肝要です。

まとめ

この記事では工事価格について、工事原価と一般管理費、さらには詳細な内訳がどのように影響するかに焦点を当てて解説しました。

工事価格の計算は、単に数値を合わせる作業ではなく、プロジェクト全体の成功に直結します。

積算担当者は、見積もり作成やコスト管理において、より効果的な工事の実現に貢献する重要な役割を果たします。

見積もり作成やコスト管理には、工務店・建築業界向けの業務効率化ソフトが役立つでしょう。

建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。

エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。

また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。

大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。

AnyONEで効率化できる主な業務
  • 顧客管理
  • 工事・施工管理
  • 見積り・実行予算・発注管理
  • 入出金管理
  • アフター管理

AnyONE
【引用】AnyONE

この記事の監修者

せいた

保有資格:建設業経理士1級、国際会計修士(専門職)、日商簿記2級、宅地建物取引士

大学卒業後、スーパーゼネコンに13年間勤務。
経理や財務に8年間、民間建築工事の現場管理に5年間携わる。施工実績は20件に及ぶ。