現場クラウドOneとは、情報共有を効率化するために作られたクラウドシステムです。
国土交通省の認定を受けたシステムで、施主・施工業社間の情報共有、自社内のコミュニケーション活性化に役立ちます。
本記事では、現場クラウドOneの概要や機能一覧、導入料金や導入方法、口コミ評判を紹介します。
目次
現場クラウドOneとは?
![現場クラウドOne](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/aa04c01f5c14f04dea861a5c534f830f.jpg)
現場クラウドOneとは、建設現場管理の情報共有を効率化するためのクラウドシステムです。
旧称は”現場クラウドfor サイボウズOffice”でしたが、2022年6月13日にリニューアルし、名称変更しました。
40,000件以上の導入実績があり、工務店や建設業界でも多く利用されています。
直感的な画面やスケジュール管理、メッセージや掲示板機能が搭載され、現場の情報共有がスムーズになると口コミの良いシステムです。
会社概要
現場クラウドOneを提供している会社は、株式会社現場サポートです。
2005年創業の17年の歴史をもつ企業であり、長年にわたって建設業界のDX化に貢献してきました。
鹿児島県の働き方改革推進企業に選定されたり、働きがいのある会社ランキング上位に入賞するなど信頼のおける企業です。
社名 | 株式会社 現場サポート |
資本金 | 1,830万円 |
設立年月日 | 2005年8月11日 |
事業所 | ・本社Office 〒890-0045 鹿児島市武1丁目35-4 ・福岡Office 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3丁目4番8号ダヴィンチ博多シティ3F |
代表電話番号 | TEL 099-251-9971 (本社・福岡共通) |
加盟団体 | 鹿児島県中小企業家同友会(当社代表:副代表理事) 一般社団法人 建設情報化協議会(賛助会員) 福岡県中小企業家同友会 一般社団法人鹿児島県情報サービス産業協会 鹿児島県経営品質協議会(当社代表幹事) 一般社団法人 施工管理ソフトウェア産業協会(副理事) |
事業内容 | 建設業向けパッケージソフトウェアやクラウドサービスの企画・開発・販売・サポート 付随するコンサルティング・業務受託 |
現場クラウドOneのサービス
現場クラウドOneの機能を解説します。
現場クラウドOneには、建設現場の情報共有をスムーズにする機能が多数搭載されています。
具体的にどのような機能が利用できるか、導入前に確認しましょう。
遠隔臨場機能
![遠隔臨場機能](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/3bbb898c4b0c8a4cde244259f7593cfb.png)
遠隔臨場機能とは、工事現場の監視と検査を効率化する機能です。
事務所から映像データを用いて検査と監視ができ、監督者が事務所から現場へ赴くタイムロスをなくせます。
立ち合いの調整なども楽になるため、監督者の負担を減らすとともに現場の作業効率も上がります。
3次元データ等表示機能
3次元データ等表示機能とは、クラウド上に図面ファイルをアップロードして共有できる機能です。
3Dデータの共有も可能となり、Web上で図面を確認できます。
スケジュール機能
スケジュール機能を使えば、発注者と受注者のスケジュールを確認・編集できます。
打ち合わせの時間調整や、立ち合いの予定を決める際に役立つ機能です。
メッセージ機能
メッセージ機能とは、社内でのチャットコミュニケーションをとれる機能です。
チャットには大容量ファイルを添付できるため、図面も送付できます。
ファイル管理機能
![ファイル管理機能](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/87bd26f8880c2f47fef617c996c3f14f.jpg)
ファイル管理機能とは、発注者と受注者の間で図面や写真などのファイルを共有する機能です。
工事途中の確認や資料の提示に役立ちます。
掲示板機能
掲示板機能は、施工状況を写真入りで共有できる機能です。
社内に工事進捗を共有し、リアルタイムでトラブルに対応する際に役立ちます。
ワークフロー機能
![ワークフロー機能](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/2d7166794a161ff9e55736eb59abe779.jpg)
ワークフロー機能とは、工事で発生する決済書類を作成・回覧・承認する機能です。
クラウド上で承認作業までできるため、承認の遅延などがなく、スムーズな決済作業ができるでしょう。
発議文書の作成機能
各種帳票の雛形を作成し、打ち合わせの帳簿を作成できます。
また、下書き機能や再利用機能でテンプレートとしての利用もでき、書類作成の手間が減るでしょう。
国交相や自治体に対応した帳票のテンプレートも標準装備しており、書類作成の事務効率が上がります。
電子成果品作成機能
システム上で工事情報を入力管理し、電子納品形式データの作成が可能です。
工事帳票を電子化したい工務店・建設事業者におすすめの機能です。
工事帳票データの一括ダウンロード機能
作成した工事帳票は、必要な時に一括ダウンロードが可能です。
また、文書一覧表の出力で自社の帳票管理も効率化します。
現場クラウドOneの特長
現場クラウドOneの特長を紹介します。
現場クラウドOneは、受発注者情報共有システムを搭載しており、またアプリ上でも情報の閲覧や操作が可能です。
導入前に、現場クラウドOneの詳細を把握しておきましょう。
受発注者間情報共有システム機能要件に対応
現場クラウドOneは受発注者間情報共有システム機能要件に対応しています。
受発注者間情報共有システム機能要件とは、国土交通省が定めた「工事施工中における受発注者間の情報共有システム機能要件」に基づく基準です。
建設業者がシステムを導入する際に、情報者と情報共有しやすいシステムがどのようなものかを定義しています。
国土交通省は、施工中に受発注者間で情報を共有できるシステム導入を推進しています。
施工業者と施主の間で情報格差が生まれ、契約後のトラブルを防ぎ、建設現場における生産性向上を目指すための施策です。
現場クラウドOneは、国土交通省が推奨するシステム要件を満たしており、円滑に施主との情報共有をおこなえるシステムといえます。
NETIS登録済みシステム
現場クラウドOneはNETISに登録済みのシステムです。
NETISとは、国土交通省の新技術提供システムです。
民間で開発された新技術を、より広く共有するために国土交通省が提供した技術提供・シェアがおこなえるデータベースとなっています。
NETISの活用は、国土交通省工事における成績評定の加点評価対象となります。
現場クラウドOneは、NETISへ登録されており、施工台帳の作成支援や情報共有面において、国に認められているシステムです。
スマートフォン・タブレット対応
現場クラウドOneは、スマートフォンやタブレットに対応しており、事務所に戻らなくても外からシステム操作、閲覧できます。
ワークフロー承認も外からできるため、社員の移動時間や作業時間を大幅に短縮できるでしょう。
手厚いサポート
現場クラウドOneは充実したサポートを提供しています。
- マニュアル
- サポートセンターの設立
- 運用フォローあり
- 定期的な無償セミナー
- Webフォーム・チャットボット・FAQ完備
現場クラウドOneは、導入後の操作のためのマニュアルを用意しています。
マニュアルでもわからない細かな質問は、サポートセンターへの問い合わせや遠隔での指示も可能です。
また、運用について不安がある方に二人三脚で寄り添い、フォローする体制も確立しています。
定期的に無償のセミナーも開催されるため、自社でシステム研修をする手間を省ける点もメリットです。
Webフォームやチャットボット、FAQページも用意されていて、軽微な疑問はいつでも解決できるでしょう。
現場クラウドOneの料金
![現場クラウドOneの料金](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/shutterstock_1231087390-scaled.jpeg)
現場クラウドOneを導入するにあたり、コスト面を不安に思っている方もいるでしょう。
現場クラウドOneは、初期費用無料で導入可能かつ月額費用も9,800円(税抜)からと安価に導入できます。
初期費用は0円
現場クラウドOneの初期費用は0円です。
新規申込の際のサーバー設置は無料で対応できます。
月額利用料は9,800円から
現場クラウドOneの月額利用料は、月額9,800円(税抜)からです。
運用支援サービスやオプションを利用する場合は、上記金額に追加料金がかかります。
事前に見積りを依頼できるため、運用も併せて相談してみましょう。
システム導入のコストが気になる方は、「IT導入補助金」の申請も検討してみてください。
IT導入補助金の概要・導入方法、サービスについては以下の記事で解説しています。
現場クラウド One導入の流れ
![現場クラウド One導入の流れ](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/shutterstock_1935752509-scaled.jpeg)
現場クラウドOneを導入する流れは以下の通りです。
デモンストレーションによるテスト
現場クラウドOneは、デモンストレーションによるテストができます。
無料のデモシステムを使用して、使いやすいシステムかどうか確認しましょう。
デモンストレーションは、Webフォームまたは以下の問い合わせ先から申し込めます。
電話:099-814-4183(9〜12時・13〜18時:土日祝を除く)
見積り依頼
デモンストレーションを使用したあとに、見積りを依頼しましょう。
利用するオプションなどにより価格が異なります。
自社で必要な機能を担当者と相談し、使いやすいシステムになるように調整しましょう。
成約・導入開始
現場クラウドOneが成約したあとは、サーバーの設置作業をおこない、実際にシステムを使い始めます。
サポート体制が整っているため、不明点があればいつでも問い合わせしましょう。
現場クラウドOne利用者の本音をチェック!
![現場クラウドOne利用者の本音をチェック!](https://kenchikugenba-knowledge.com/wp-content/uploads/2022/10/shutterstock_1472424881-scaled.jpeg)
現場クラウドOne利用者の本音や導入後の口コミを見てみましょう。
導入後にコミュニケーションや現場管理の効率化を実感した口コミが多く見つかりました。
遠隔臨場を使用して立ち合いが効率化した
現場クラウドOneを導入した”株式会社技工団”は、遠隔臨場オプションを使用し、立ち合いの効率化を実感した、と口コミを投稿しています。
他社のWEB会議システムでは画面が小さく見にくいことがありましたが、「現場クラウドOne」の遠隔臨場機能モバイルアプリで配信された画面は大きくて見やすく、シンプルな構成で操作性も良いと思います。
情報共有システムと遠隔臨場機能がセットになっていて、何かあれば同じサポートセンターを活用できるというところもポイントです。
【引用】中国エリア 株式会社技工団様 遠隔臨場オプション導入事例
受発注者間のコミュニケーションが活性化した
鹿児島県【かごしま国体】鴨池公園安全協議会は、現場クラウドOneを導入し、情報共有システムの掲示板を活用してコミュニケーションの活性化に成功しました。
情報共有システムを活用することで全体的なコミュニケーションの機会が増えたと感じます。
現場同士は近いので、コミュニケーションはとりやすかったのですが、発注者はそうもいきません。これまで発注者との共有は、会える時にまとめて行うというのが基本でした。情報共有システムを導入することによって、些細な事でも即座に、そして簡単に共有が出来るので、時間・場所を選ばずコミュニケーションが取れました。そうすることで常に相手が見えており、お互いに安心して業務を進めることができたと思います。
【引用】鹿児島県【かごしま国体】鴨池公園安全協議会 導入事例
現場の動きが可視化された
吉原建設株式会社は、現場クラウドOneで現場の可視化ができたという口コミを寄せています。
メール通知が来て、書類の内容が把握できるのに驚きました。現場で相談をして、内容通りに現場ができているかの確認が情報共有システムでできるようになりました。現場の進捗が進んでいることが把握できます。
基本的には、現場の担当者に任せています。深く立ち入ることはなくても、現場の把握をすることが大事だと思っています。情報共有・現場の見える化で、提出物の遅れがなくなるなどの現場担当者の意識の良い変化もありました。
【引用】宮崎エリア 吉原建設株式会社様 導入事例
結論:現場クラウド Oneの総合評価は★★★☆☆
現場クラウドOneは、情報共有をスムーズにできる優良なシステムです。
国土交通省のNETISに登録され、また情報共有システム要件定義を満たすなど、公的に承認されている点も安心感があります。
また口コミにあるように、遠隔で現場の監視ができるようになったため、スケジュールを立てやすく効率的に検査ができるようになるなど、現場効率向上に役立つシステムです。
掲示板やファイル管理機能では、自社内のみならず施主との情報共有も活性化します。
また現場の動きをリアルタイムで把握できるため、管理意識の向上にも役立つでしょう。
業務対応範囲がやや限られる面に不安があるため、情報共有に特化した機能を使いたい工務店におすすめのシステムです。
まとめ
現場クラウドOneは、自社内・施主との情報共有の活性化に役立つシステムです。現場の遠隔監視も可能なため、リモートワークや長時間労働の是正に有効でしょう。
ただし、現場クラウドOneは、情報共有に特化しているため、現場管理やほか業務も一元管理したい場合は、他のシステムを導入することをおすすめします。