電子帳簿保存法とは?改正内容や工務店のメリット・注意点を解説

電子帳簿保存法とは?改正内容や工務店のメリット・注意点を解説

工務店の帳簿を電子作成・保存すればペーパーレス化や業務効率化につながります。

帳簿の電子作成・保存を行うにあたっては、「電子帳簿保存法」を理解することが重要です。

今回は、電子帳簿保存法の大まかな内容と、2020年に行われた改正のポイント、さらにはメリットや注意点を解説します。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、帳簿の電子保存に関するルールを定めた法律です。

ここでは、同法について以下の4点を解説します。

電子帳簿保存法とは?
  • 法律の概要
  • 電子保存の対象書類
  • スキャンしたデータの保存も可能
  • e-文書法との違い
帳票の電子化とは?背景とメリット・デメリットを解説

法律の概要

電子帳簿保存法は1998年に成立した法律で、国税関連の帳簿や証憑などを電子データで保存できるように各種ルールが定められています。電子帳簿保存法が定められる以前は帳簿類などの書類は、基本的に紙で保存していましたが、電子保存が認められたことで、コスト削減や書類管理を担当者の業務負担軽減などにつながりました。

電子保存の対象書類

電子帳簿保存法で電子保存の対象となる書類は大きく分けて以下の3種類です。

電子保存の対象書類
  • 帳簿
  • 決算関係書類
  • その他の証憑類

そして、それぞれの具体的な書類は以下通りです。

帳簿現金出納帳・仕訳帳・経費帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳など
決算関係書類貸借対照表・損益計算書・棚卸表など
その他証憑類契約書・請求書・見積書・注文書・レシート・領収書など

しかし、電子帳簿保存法の対象外となる書類もあります。

具体的には以下のようなものが挙げられるため、間違わないように確認しましょう。

  • 手書きで作成した主要簿手
  • 手書きで作成した請求書の写し・補助簿
  • 取引先から受け取った請求書 など

スキャンしたデータの保存も可能

帳簿や商標は、書類をスキャンしてデータ化したうえで保存することもできます。以前までは、スキャンして保存する場合には電子署名が必要でしたが、法改正によって現在では電子署名不要となり、スマートフォンで撮影したものも保存可能です。

なお、スキャンして保存する方法が認められている書類と、認められていない書類には以下のようなものがあります。

認められている書類契約書、請求書、見積書、納品書などの取引先に関係する証憑類 など
認められていない書類帳簿、貸借対照表、損益計算書などの、決算に関係する書類 など

e-文書法との違い

電子帳簿保存法と混同しやすい法律に「e-文書法」があります。この法律は、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」という電子保存に関する2つの法律の総称です。

電子帳簿保存法もe-文書法も電子保存に関するルールを定めている点は同じですが、対象となる文書が異なります。

e-文書法は、それまで紙で保存しなければならなかった文書全般の電子保存を認めるものです。e-文書法の適用対象となる法律は約250にのぼります。一方の電子帳簿保存法は、国税関係の書類に関するルールを取り扱う法律を対象としています。この点が、両法律の大きな違いです。

電子帳簿保存を行うには

電子帳簿保存を行うには

帳簿の電子保存を行うにあたっては、事前に所轄の税務署長承認を得なければなりません。具体的には、「国税関係帳簿の電磁的記録による保存等の承認申請書」と添付資料を電子保存の開始予定日の3ヶ月前までに提出し、申請する必要があります。

課税期間の途中から電子保存を始めることはできないため、課税期間が始まる前までに申請しておきましょう。

2020年電子帳簿保存法改正のポイント

2020年電子帳簿保存法改正のポイント

電子帳簿保存法は、2020年に改正が行われました。改正の主なポイントとしてあげられるのが、電子取引の際の保存要件の緩和です。

改正前の電子帳簿保存法では、事前に所轄の税務署長の承認を得る必要がありました。しかし、電子帳簿保存法改正後は事前承認が不要になりました。これによって事業者側の事務負担が軽減されます。

また、電子帳簿に関する過少申告加算税の軽減措置が整備されました。こちらは、申告漏れがあった際に課される過少申告加算税が5%軽減されるというものです。

軽減措置を受けるためには、国税関係の帳簿を一定の要件を満たしたうえで保存し、なおかつ、軽減措置の適用を受ける旨を記載した届出書を事前に所轄の税務署長に提出する必要があります。

そのほかスキャンして保存する方法についても、税務署長による事前承認制度の廃止やタイムスタンプ要件・検索要件といった各種要件の緩和などが法改正によって行われています。

電子帳簿保存法によるメリット

電子帳簿保存法によるメリット

企業が電子帳簿保存法に対応することで得られるメリットは、少なくありません。例えば、帳簿や証憑類をデータ化することで、ペーパレスが実現するため、紙代やインク代などの各種コスト削減につながります。また、取引先との書類のやり取りにも電子データを活用すれば、郵送コストも削減できるでしょう。

そのほかにも、紙の帳簿や証憑類を保管するスペースを確保する必要がなくなるほか、情報漏洩や紛失といったセキュリティ対応の負担も軽減されます。

メリットについて詳しく知りたい方は、電子帳簿保存法の具体的なメリットを解説している記事をご覧ください。

帳票電子保存時の注意点

帳票電子保存時の注意点

帳簿の電子保存を行う際には、初期費用が発生することと、帳票のスキャン方法に注意しなければなりません。

初期費用が発生する

電子帳簿保存法の適用を受けたい場合、対応するソフトやシステムの導入が必要となるため、初期費用や運用コストが発生します。企業によっては、予算の捻出が厳しいケースもあると考えられるため、事前に予算を確認しソフトやシステムを導入した際のコストを把握しておきましょう。

スキャンするときのポイントを理解する

先述の通り書類をスキャンして電子データ化し、電子保存できますが、スキャンの際にはいくつかの点に注意しなければなりません。

例えば、書類によってはカラー設定が「グレースケール」でスキャンして保存することが認められないケースがあります。

基本的には一般書類のみ、グレースケールによるスキャンが認められています。一方で、お金や物の流れに連動している重要書類はカラースキャンや撮影によるデータ化を行わななければなりません。

また、書類が大きいために一度でスキャンしきれないような場合は、複数回のスキャンが認められています。

例えば、複数ページにわたる契約書や請求書は複数回のスキャンが可能です。しかし、一度でスキャンを終わらせるために、書類の原本の大きさを変更してスキャンすることは認められていません。

そのほかにも、スキャンした書類は一定期間手元に保管しておきましょう。これでは、検査の際にスキャンした書類に不備が見つかるケースや書類のスキャンミスが発覚する恐れがあるためです。

まとめ

今回は、電子帳簿保存法について、法律の大まかな内容と電子保存の方法、直帰の法改正のポイント、メリットや注意点などを解説しました。

電子帳簿保存法では、電子保存ができる書類とできない書類が定められています。

また、法改正によって保存要件が緩和されていますが、何でもかんでも保存できるわけではありません。そのため、企業には法律の内容を理解したうえでの適切な対応が求められます。

また、帳票自体を電子化すれば管理しやすいです。帳票作成・管理ツールの導入を検討してはいかがでしょか。

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