電気代削減や災害時対応など多くのメリットを持つ蓄電池ですが、近年その蓄電池を初期費用0円で設置できるサービスが展開されています。
通常150万円程度の初期費用がかかるため導入を足踏みされる方も多い蓄電池ですが、どのような仕組みで0円導入が実現しているのでしょうか。
今回は0円蓄電池について、その仕組みからメリット・デメリット、そして利用できる補助金の有無まで解説します。
目次
0円で蓄電池を設置できるサービスとは
0円蓄電池とは、月々の利用料を支払うことで初期費用をかけずに蓄電池を導入するサービスです。
0円太陽光とセットで提供されていることが一般的ですが、近年では「エネカリ」など蓄電池のみを対象としたサービスも展開されています。
0円蓄電池について理解するために、まずは以下の2点を押さえてきましょう。
そもそも蓄電池とは
蓄電池とは、電気を蓄えて必要な時に電力の供給ができるバッテリーのことです。
電力会社から供給される電力のほか太陽光発電によって生じた電力も蓄えることができ、またその電力を電気自動車にも利用することができるため、家庭におけるエネルギーマネジメントへの関心の高まりとともに近年需要の高まりを見せています。
0円で蓄電池が導入できる効果を理解するためにも、蓄電池自体のメリット・デメリットを簡単に確認しておきましょう。
蓄電池のメリット
蓄電池のメリットとしては、主に以下の3つがあげられます。
蓄電池のデメリット
蓄電池のデメリットとしては、主に以下の3つがあげられます。
- 初期費用がかかる
蓄電池は初期費用が高く、本体価格と工事費を合わせて150万円程度必要です。
蓄電できる容量によっても異なりますが、安くとも80万円程度は必要となるでしょう。 - 設置スペースの確保が必要
蓄電池のサイズは容量により異なりますが、エアコン室外機1~2台分程度の大きさがあるためある程度の設置スペースが必要です。
また半分程度の大きさにはなるものの、屋内に設置する必要があるタイプも存在するため注意が必要です。 - 経年劣化に注意が必要
蓄電池の寿命は一般的に10~15年と言われていますが、使用と共に性能が低下する可能性がある点には注意が必要です。
使用頻度・状況によっては蓄電容量が低下するといった可能性があります。
0円蓄電池の仕組み
0円蓄電池は、初期費用を0円とする代わりに月々の利用料を支払うという仕組みで成り立っています。
一般的に10年~15年程度の長期間に渡り月1万円程度の継続的な支払いが必要となりますが、150万円程度必要な蓄電池を0円で導入でき、すぐに電気代削減や災害対応、エネルギーマネジメントといった恩恵を受けられます。
また詳しくは後ほど「0円蓄電池のメリット」でお話しますが、初期費用が0円となるだけでなく損害補償やサポートがセットとなっている場合もあり、契約期間満了後には蓄電池が無償で譲渡されることが一般的です。
このような特徴からも、0円蓄電池は業務用コピー機などで行われているリースと同じような仕組みであると考えてよいでしょう。
0円蓄電池のメリットとデメリット
蓄電池自体のメリットやデメリット、そして0円蓄電池の仕組みについて理解した上で、0円蓄電池のメリットとデメリットについても見ていきましょう。
0円蓄電池のメリット
0円蓄電池のメリットとしては、主に以下の3つがあげられます。
初期費用・メンテナンス費用がかからない
0円蓄電池という名前の通り、初期費用をかけずに蓄電池を導入できることは最大のメリットです。
先ほど「蓄電池のデメリット」でも一番にデメリットとしてあげたように蓄電池の導入には安くとも80万円程度、一般的には150万円必要ですが、0円蓄電池ではそれだけのまとまった予算がなくとも蓄電池を導入できます。
また初期費用だけでなく、メンテナンス費用も別途必要とならない点も特筆すべき点といえるでしょう。
契約期間中の故障対応や損害補償、問い合わせサポートなどは月額費用に含まれています。
卒FITに対応できる
蓄電池を導入すると保有する電力をコントロールできるため、卒FIT後に電力を売電から自家消費に回すといった対応ができます。
FIT(Feed-in Tariff)とは再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことで、FIT期間内(FIT適用開始から10年間)は国が定めた一定の価格で太陽光発電による電力を売電できる仕組みです。
卒FITとはこの期間を満了することを指しますが、FIT期間内は1kWhあたり数十円だった買い取り価格が卒FIT後は十円未満へと下落します。
このため卒FITを迎えた家庭は太陽光発電のメリットである売電の旨味を大きく失うこととなりますが、蓄電池を導入すると売電から自家消費へとシフトして創エネの恩恵を継続的に受けられます。
卒FIT後は電力を売るのではなく蓄えておくことで、夜間に使用して電気代を削減したり電気自動車に供給したりできるでしょう。
契約満了後は自分のものになる
「0円蓄電池の仕組み」で0円蓄電池はリースと同じような仕組みだとお話しましたが、一般的なリースと同様契約期間満了後は返却することなくそのまま蓄電池を利用できます。
初期費用をかけずに導入して電気代削減や災害対応、卒FIT対応といった恩恵を受けながら、支払いが完了した後も継続的に自由に利用できる点は大きなメリットといえるでしょう。
0円蓄電池のデメリット
0円蓄電池のデメリットとしては、主に以下の2つがあげられます。
途中解約できない長期契約
初期費用やメンテナンス費用をかけずに蓄電池を導入できる0円蓄電池ですが、一般的に契約期間が10~15年程度と長期となっている点には注意が必要です。
また基本的にその間の中途解約は認められないため、10~15年は継続的に支払いが発生することは認識しておきましょう。
なおどうしても解約したい場合は、サービス残期間分の月額利用料を一括で支払う必要があります。
トータルコストが割高になる
0円蓄電池は初期費用がかからない一方、トータルで見た場合のコストは割高になる点は注意しましょう。
0円蓄電池の事業者は少なくとも蓄電池の本体価格を回収し、月額の利用料から利益を得る必要があります。
このため本体一括購入の場合と契約期間満了時の利用料総額を比べた場合、10年契約で10~20万円程度、15年契約では30万~50万円程度割高となるように価格設定されていることが一般的です。
ただし月額利用料にはメンテナンス費用やサポート費用が含まれているため、その点は考慮する必要はあるでしょう。
0円蓄電池の補助金
0円蓄電池に対する補助金としては、以下のように自治体によるものが盛んです。
また、ZEH補助金の対象となる可能性もあります。
これらの補助金を活用することで数十万円程度の補助を受けられることもあるため、0円蓄電池を利用・提案する際は必ず提供事業者に確認するようにしましょう。
まとめ
今回は0円蓄電池について、その仕組みからメリット・デメリット、利用できる補助金の有無まで解説しました。
0円蓄電池は、初期費用やメンテナンス費用をかけずに電気代削減や災害対応などの蓄電池のメリットを得られるサービスです。
ただし一方で契約期間が10~15年と長期であり、一括購入の場合と比べるとコストが割高になる点は認識しておく必要があるでしょう。
近年初期費用0円でエネルギー設備を導入できるサービスが多数登場していますが、建築現場博士がおすすめするサービスは「ダブルZERO」です。
電気自動車(HV車・PHV車・EV車)から家庭内への給電を可能にした「スマートエルラインライト」と0円太陽光を組み合わせることにより、初期費用0円で「太陽光発電+家庭用蓄電池」と同等の省エネ対策・災害対策を実現しています。
また太陽光発電は台風による機能不全などのリスクが指摘されていますが、ダブルZEROでは「太陽光発電+簡易版V2Hシステム」という構造のためより安定的な災害対策が行えます。
電気自動車を充電するだけではなく、貯めた電気をご家庭で使用する仕組みを指します。
何といっても無料のため、施主への提案・他社との差別化も行いやすいでしょう。
ダブルZEROは、太陽光設置と災害対策を初期費用0円で行える唯一のサービスです。
「太陽光発電+簡易版V2Hシステム」という盤石な防災対策が初期費用0円で実現できるサービスとなっているため、訴求力としても大きく期待できるといえるでしょう。
蓄電池を導入することで電気を蓄える時間と利用する時間を管理できるため、電気代を削減できます。
例えば日中料金が高い代わりに深夜料金が安くなるような電力プランと蓄電池を併用することで、深夜に蓄えた安い電気を日中に使用して電気代を削減することが可能です。
蓄電池を導入することで、災害などにより停電が起こった際にも蓄えておいた電力を利用できます。
太陽光発電にも同様のメリットがありますが、太陽光発電が日照のある日中しか電力を供給できない一方蓄電池は夜間の電力供給も可能です。
先述の通り、蓄電池は太陽光発電との連携が可能です。
省エネ設備同士で連携しエネルギーマネジメントを行うことで、省エネ効果をさらに高められます。