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住宅を水害から守る方法とは?水害の現状と水害対策を解説

近年はゲリラ豪雨の影響で、水害のリスクが高まっており水害対策の重要性を再認識している方も多いでしょう。

特に夏から秋にかけては台風や集中豪雨が発生しやすく、毎年どこかの地域では大雨による甚大な被害が出ています。

これから家を建てる方やリフォームを考えている方に対して、水害の現状と併せて事前対策について説明・提案できるように確認しておきましょう。

水害の現状

水害の現状

日本は活発な前線や台風によって大雨が起きやすく、水害や土砂災害が発生しやすい環境です。

水害統計によると、平成20年~平成29年の10年間で約97%の市町村で水害や土砂災害が発生したと公表されました。

河川事業概要2021ー国土交通省
【引用】河川事業概要2021ー国土交通省

近年は、台風や活発な前線による大雨だけではなく、短時間に猛烈な雨をもたらす雨(ゲリラ豪雨)の被害が全国各地で確認されています。

気象庁が発表している全国[アメダス]1時間降水量50mm以上の年間発生回数によると、観測が始まった1976年~1985年の10年間は平均226回でした。
しかし2011年~2020年は平均334回と、およそ1.4倍にまで増加しています。

日本は台風の発生頻度が多く、ゲリラ豪雨の発生回数も増えているため今まで以上に水害のリスクが高まるでしょう。

身の安全を守るだけではなく、今まで以上に水害対策の重要性は増しています。

水害の種類

水害の種類

水害には、外水氾濫と内水氾濫の2種類が存在することを知っていますか。

外水氾濫と内水氾濫とでは対策方法が異なるため、それぞれの特徴について理解しておきましょう。

水害の種類
  • 外水氾濫
  • 内水氾濫

外水氾濫

外水氾濫とは、豪雨などで河川の水位が上がることによって、堤防から水が溢れたり、堤防が決壊することで起こる氾濫のことです。

大量の水が堤防を超えて一気に流れ込むため、平坦な地域にまで被害をもたらすこともあります。

河川に近い地域は住宅の浸水被害だけではなく、自動車が流されてしまったり、逃げ遅れてしまった人たちへの人的被害など、被害が大きくなってしまうこともあるでしょう。

下水などから水があふれ出てくる内水氾濫とは違い、泥を多く含んだ水が河から流れ混んできます。

一度外水氾濫が発生すると水が引いても泥は堆積してしまうため、復旧にかなりの時間が必要です。

内水氾濫

内水氾濫とは、下水道の処理能力を上回るほどの雨が降って排水が追いつかなくなり、土地や道路に多量の水があふれ出てしまう状態のことです。

例えば、マンホールの蓋から水が噴き出している状態を思い浮かべてください。

特に市街地のような地表がアスファルトで覆われている場所は、雨水が地面に浸透しにくいため集中豪雨などが発生すると内水氾濫が起きやすくなっています。

耐水害住宅とは

【引用】水害に負けない家を創る!実録映像ドキュメント「耐水害住宅実大実験2020」-Youtube

耐水害住宅とは2020年秋に一条工務店より販売が開始された、水害に耐える住宅のことです。

近年は台風や豪雨による被害が増加しており、耐水害住宅へ関心を持っている方も多いでしょう。

耐水害住宅の特徴として、下記4つの水害対策が施されています。

耐水害住宅4つの特徴
  1. 浸水対策
  2. 逆流対策
  3. 水没対策
  4. 浮力対策

上記4つの特徴の詳しい詳しい仕様については、一条工務店のホームページをご確認ください。

耐水害住宅は下記2つのタイプに分けられます。

耐水害住宅のタイプ
  • スタンダードタイプ
  • 浮上タイプ

スタンダードタイプ

スタンダードタイプは屋外の水位が1.0mを超えると床下に水を引き込み始めます。

建物が浮力によって浮く前に水を引き込んで重りにすることで、浮上・流されるのを防ぎます。

浮上タイプ

建物を浮かせて浸水を防ぐ家はこれまで存在しませんでしたが、一条工務店は建物の浮力を活かして、船のように”浮く”家を作りました。

浮上タイプには係留装置が取り付けられているため、水が引くとほぼ元の位置に戻るようになっています。

水害のリスクが高い地域向けに開発されているため、建築予定地が河川の近くや低い位置となっている場合に検討してみるとよいでしょう。

建築前の水害対策

水害対策

水害対策は家を建ててから行うよりも、建築前に対策を講じた方が効果的です。
ここでは建築前の水害対策を3つ紹介します。

建築前のの水害対策を把握し、顧客に提案できるようにしましょう。

建築前の水害対策
  • ハザードマップを活用
  • 高床式・高基礎式にする 
  • 耐水性の外壁を採用する

ハザードマップを活用

水害や土砂崩れのリスクについて調べるためには、国や県が作成したハザードマップの活用がおすすめです。

洪水ハザードマップに記載されている内容は作成もとによって異なる場合がありますが、主に下記7つの情報を確認できます。

  1. 浸水想定区域と浸水深
  2. 河川の氾濫特性
  3. 災害学習情報
  4. 避難場所
  5. 避難時の危険箇所
  6. 避難情報の伝達方法
  7. 気象情報のありか

上記7つの情報は、どれも安心して生活するうえで欠かせない情報です。
事前にハザードマップを確認して、施主に水害リスクを軽減できる工事を提案できるようにしましょう。

高床式・高基礎式 

川沿いや低い土地に家を建てる場合、高床式か高基礎の採用をおすすめします。

高床式

高床式とは、住宅の1階部分をガレージなどにして居住空間を2階にする住宅のことをです。

居住部分が高い位置にあるため、水害が起きても水の侵入を心配する必要がありません。

しかし、1階部分が柱だけの構造は耐震性が弱くなってしまうため、お客さまへ案内する際にはメリットとデメリットを丁寧に伝えるとよいでしょう。

高基礎

高基礎とは、基礎を高くした住宅のことです。

基礎を高くすることで、浸水の可能性を下げることができます。

仮に浸水してしまったとしても被害は比較的小さく、復旧も容易な場合が多いでしょう。

浸水対策としては約1mが一般的とされています。

耐水性外壁の採用

防水外壁とは、表面に防水塗料が塗られた外壁のことです。

建物自体を防水外壁で囲むことで、建物への浸水被害を最小限に抑えることができます。

外壁は常に雨や紫外線のダメージを受けているため、外壁の性能を維持するためには定期的なメンテナンスの提案も行いましょう。

リフォームで行える水害対策

リフォームで行える水害対策

リフォームで行える水害対策として有効工事を4つ紹介します。

リフォーム工事の提案を行う際の参考にしてください。

リフォームで行える水害対策
  • 複層ガラスへ変更
  • 屋根の下にルーフィングを設置
  • シャッター取り付け
  • 強度のある雨樋へ変更

複層ガラスへ変更

複層ガラスとは、名前の通り複数のガラスから作られています。
ガラスとガラスの間に乾燥空気やアルゴンガスなどが封入されており、単層の窓よりも浸水しにくい作りです。

断熱や結露対策として取り付けられることが多いですが、水害対策としても活躍してくれるでしょう。

屋根の下にルーフィングを設置

ルーフィングとは屋根の下に敷く防水シートのことです、代表的なルーフィングは下記の3つです。

  • アスファルトルーフィング
  • 透湿ルーフィング
  • 遮熱ルーフィング

あまり目にすることのない建材のため重要視する型は多くないかもしれませんが、実は屋根よりも重要な建材とも言われ、

グレードが低いものだと雨漏りの原因になることもあります。
ルーフィングには、費用を掛ける価値があることを顧客に理解してもらいましょう。

シャッター取り付け

車庫や出入り口にシャッターを取り付けることで水害対策となります。

水害対策といえば土のうを思い浮かべる方も多いかもしれません。
災害時用に土のうを保管している家庭は少なく、一袋20kg程の土のうを積みあげることは大変で、家庭用の水害対策としては不向きでした。

しかし、シャッターであれば女性や高齢者でも簡単に使用でき、水害対策として有効です。

強度のある雨樋へ変更

雨どいは降った雨を適切に排泄する役割があるため、雨に強い住宅にするためには「スチール製」や「高耐候性特殊樹脂」といった強度の強い雨どいへの交換をおすすめします。

ただし、強度が強くても排水がうまく行われなければ意味がないため定期的に清掃を行うなど、こまめなメンテナンスが重要なことは顧客へ説明しましょう。

まとめ

本記事では、水害の現状と対策について紹介してきました。

水害のリスクを抑えるためには事前の対策が有効です。
しかしいま住んでいる住宅でもリフォームによっても十分に対策は行えます。

顧客が理想のマイホームで安心して生活ができるように水害対策への理解を深め、適切な提案を行えるようにしましょう。

しかし、通常の業務に加えて顧客に提案するための勉強時間を確保するのは大変です。

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  • 入出金管理
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