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建設業のマネジメントとは?課題と具体的な取り組みを紹介

建設業のマネジメントとは?課題から具体的な取り組みまで解説
Construction manager and engineer working on building site

建設業のマネジメントとは、納期の遵守、品質・利益の確保を目的としてスケジュールやコスト、品質、情報、安全、人員などを管理することです。

この記事では、マネジメントの概要や課題、課題解決に向けた具体的な取り組みなどについて解説します。

マネジメントの質が工事の品質や自社の利益にもつながります。

建設業のマネジメントとは

建設業のマネジメントとは

建設業のマネジメントとは、スケジュールやコスト、品質、情報、安全、人員などを管理することです。

マネジメントの担当者は、案件の企画、設計、発注、施工、引き渡しと各段階でこれらの管理に取り組みます。

管理は、顧客の求める品質基準を満たし、納期までに完成させられるようにすることはもちろん、自社の利益を確保することなどを目的とします。

建設業におけるマネジメントの課題

建設業におけるマネジメントの課題

建設業には、マネジメントを難しくするさまざまな課題が存在します。

具体的な課題として以下の3点を紹介します。

建設業におけるマネジメントの課題
  • 若手人材の不足
  • 長時間労働
  • 幅広い人材の活躍

若手人材の不足

国土交通省は、建設業に就業している人の数は、2017年で平均498万人となっており、1997年のピーク時から約27%減少していることを明らかにしています。

日本は少子高齢化が進行したことで、特に若手人材が不足しており、いかにして若い人を採用し育成するかが大きな課題となっています。

このまま若手人材が不足すると、熟練技術者のスキルやノウハウを引き継ぐことができないだけでなく、作業効率も低下しかねません。

建設業は社会活動に欠かせない業界であるため、人手不足により国民の生活に支障をきたす可能性もあります。

【参考】建設業界の現状とこれまでの取組 – 国土交通省

長時間労働

若手人材が不足している背景の1つとして考えられるのが、長時間労働です。

国土交通省によると、建設業は他の産業と比べても実働労働時間や出勤日数が多いとされています。

若手人材を含め、建設業で働いてみたい人を増やすためには、長時間労働の是正は必要不可欠です。

例えば、週休2日制を導入する、残業時間の削減に取り組む、有給休暇の取得率を上げるといった取り組みを挙げられます。

【参考】建設業の働き方として目指していくべき方向性 – 国土交通省

幅広い人材の活躍

「建設業=体力のある男性が中心」というイメージが根強いことから、建設業に興味はあるものの、なかなか応募に踏み出せない女性や高齢者の方は存在します。

一人ひとりの特徴や強みなどを活かしつつ、年齢・性別に関係なく誰でも働ける環境の整備をしないことには、建設現場におけるマネジメントも困難なままとなるはずです。

マネジメント課題解決に向けてできること

マネジメント課題解決に向けてできること

ここでは、マネジメント課題を解決するために、どういった取り組みができるのか解説します。

具体的な解決策として以下の点を取り上げています。

マネジメント課題解決に向けてできること
  • 生産性向上
  • 職場環境の整備
  • キャリアアップが図れる仕組みの構築
  • 専門会社の利用

生産性向上

長時間労働の改善には、生産性の向上が必要不可欠です。

例えば、ICTを活用すれば測量や施工、見積書などの書類作成といった業務にかかる時間を削減することができます。

また、マルチデバイス対応のクラウド型の業務管理システムを導入すれば、社内や現場、自宅など、時間や場所を問わず業務に必要な資料の確認や編集ができるため、手間や負担軽減につながります。

生産性向上によって長時間労働が改善されれば、人材も集まりやすくなるでしょう。

職場環境の整備

年齢や性別に関係なく誰もが働けるように、職場環境を整備することも大切です。

例えば、女性の就業者を増やすために女性専用のトイレや更衣室を設置することができます。

また、「建設業=危険」なイメージを持っている人もいると考えられ、安全管理に努め、無事故を徹底することも大切です。

実際に、企業の経営者向けの研修では、女性が働きやすい環境の整備が訴えかけられているなど、職場環境の整備は建設業にとっても欠かせないポイントとなります。

キャリアアップが図れる仕組みの構築

キャリアアップを図れるような仕組みを構築することで、建設業に興味を持つ人が増える可能性があります。

例えば、資格や就業履歴にもとづいて処遇を決める、評価体制を整えて業務に対する適切な評価を下せるようにするといったことが挙げられます。

また、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用もおすすめです。

建設キャリアアップシステムとは、建設業に従事する人の資格の取得状況や就業履歴、社会保険の加入状況などを登録・蓄積するシステムのことで、従業員を評価する際などにも活用できます。

専門会社の利用

建設業におけるマネジメント業務は、自社内部でおこなわれてきました。

しかし、近年ではマネジメント業務を専門でおこなう企業やコストマネジメントに取り組むコンサルティング会社などに、マネジメントの一部を任せるケースも見られます。

専門会社を利用することで、担当者の負担が軽減され、ほかの業務に注力することができるでしょう。

建設業のマネジメントで求められるスキル

建設業のマネジメントで求められるスキル

ここでは、建設業でマネジメントに取り組む方に求められるスキルをご紹介します。

建設業でマネジメントするものは、スケジュールやコスト、品質、情報、安全などですが、全てに人が関わってくるため、人との関わり方もマネジメントするうえでは非常に重要です。

ここで取り上げる具体的なスキルは以下の通りです。

建設業のマネジメントで求められるスキル
  • 人をよく見る
  • 熱意を示す

人をよく見る

建設現場ではさまざまな人が働いていますが、一人ひとりの状況をよく観察することはマネジメントに取り組むうえでは非常に重要です。

例えば、「あの人は黙々と仕事に取り組むタイプの人だからあの作業を、この人は仲間とコミュニケーションをよくとっているから集団で行うあの作業を」といった形で人員の管理にも活用できます。

また、注意散漫で危なっかしい人、現場に入ってきたばかりの新人などの行動を注視することで、トラブルや事故の防止につながります。

熱意を示す

従業員のモチベーションを高めるためには、マネジメントに取り組む人自身が業務に対する熱意を示すことも大切です。

例えば、従業員に対して指示を出しているだけで、自分は事務所の中で何もしていないといった状況では、従業員はやる気をなくしてしまいます。

作業スピードも低下するため、スケジュールにも影響が出かねません。やる気が低下した状態では、注意散漫となり怪我や事故なども起こりやすくなるはずです。

このような事態を避けるためには、マネジメントに取り組む人が積極的に作業に取り組み、ほかの従業員に対してやる気や熱意を示す必要があります。

例えば、誰よりも先に現場にくる、大きな声で挨拶をする、礼節をわきまえた振る舞いをとる、といったことが考えられます。

まとめ

今回は、建設業におけるマネジメントの概要と、マネジメントにも影響する建設業の課題、課題解決に向けた取り組み、マネジメントに取り組む際に求められるスキルなどについて解説しました。

建設業のマネジメントは、納期の遵守、品質の確保、利益の確保を目的としてスケジュールやコスト、品質、情報、安全、人員などの管理に取り組みます。

これらの管理をスムーズにするためには、人材不足や長時間労働といった課題の解決が必要不可欠です。

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この記事の監修者

中島崚真 (一級建築士 日本建築学会 会員)

1976年生福岡県出身。空間は人の感情に共鳴する。揺れ動く心と高鳴る胸の鼓動、揺り動かされる感情のデザインを意識して設計活動をしている。
design creation office FIVE COLOR[S] INK 一級建築士事務所