オフグリッドとは、太陽光発電などで発電し自家消費する自給自足状態のことです。
環境への配慮や太陽光発電設備設置義務化の動きから、オフグリッドに関心の高い施主も増えているでしょう。
この記事では、工務店営業担当の方へ向けてオフグリッドの概要や蓄電池と太陽光発電設備の併用によるオフグリッド実現の方法、オフグリッドを実現した後に得られるメリットとデメリットを解説しています。
目次
オフグリッドとは電力の自給自足状態
オフグリッドとは、電力の自給自足状態を意味します。
身近なところにあるオフグリッドの例を踏まえて、オフグリッドの概要を解説します。
スマホを太陽光発電で充電
最も身近なオフグリッド状態とは、スマホの太陽光発電による充電です。
ソーラーパネルがついた蓄電池付きチャージャーを用いて、スマホを太陽光で充電します。
太陽光で発電したした電力を用いてスマホを充電することも、立派なオフグリッドです。
蓄電池を使用して一部家電をオフグリッド
太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に蓄電し、一部の家電の消費電力を自給自足している家庭もあります。
蓄電池を使用すれば、夜間や停電時も一部の家電を動かすことが可能です。
電力会社を使用しない完全なオフグリッド
太陽光パネルで発電した電力で、自宅の電力をすべて賄う完全なオフグリッドもあります。
家電の量が比較的少なく、太陽光発電パネルを多めに発電できる家庭では完全な自給自足が可能です。
ただし、実現できる家庭の条件には制限があり、一般家庭では実現がやや難しいでしょう。
太陽光発電と蓄電池でオフグリッドの導入が可能
太陽光発電設備と蓄電池を併用すれば、電気を自給自足するオフグリッド状態を実現できます。
すべての家電を太陽光発電電力で賄うことは難しいですが、一部の家電をオフグリッドにする家庭も増えています。
施主の関心も高いジャンルのため、工務店の営業担当も蓄電池によるオフグリッド実現の方法について知識をつけておきましょう。
太陽光発電電力の自家消費
太陽光発電設備を導入し、発電した電力を売電せず自家消費に回すことで、電力の一部オフグリッドが実現します。
日中など電力使用量が比較的低い時間帯は、太陽光発電の電力のみで自家消費することも可能です。
蓄電池に余剰電力を備蓄
日中に発電した電力を蓄電池へ備蓄しておけば、夜間や停電対策にもなります。
一般家庭での電力消費量が多い時間帯は夜間であるため、蓄電池の電力を用いれば電気料金の節約にもなるでしょう。
オフグリッドの実現に必要な費用
オフグリッド生活を実現するためには、具体的にどのような費用がかかるかと質問されることも増えているでしょう。
太陽光発電に興味はあっても、コスト面を気にしている施主は非常に多いです。
質問があった際にスムーズに答えられるよう、オフグリッド実現のための具体的なコストを押さえておきましょう。
太陽光発電設備費用
オフグリッド生活実現のために、太陽光発電設備の導入は欠かせません。
資源エネルギー庁が発表した「太陽光発電について」によると、10kW以上のシステム導入平均単価は25万円です。
パネルの平均購入費用は10kWで11.1万円、架台が3.6万円、パワコンが3.3万円と発表されています。作業に伴う工事費の平均は7.8万円という結果となりました。
蓄電池購入費用
オフグリッド生活の実現のため、太陽光発電設備とは別に蓄電池の購入も必須です。
蓄電池の購入と工事費用相場は、合計で80〜150万円とかなり高額となります。
費用面で迷ってしまう施主も多いため、その場合は初期費用無料のリース型太陽光発電設備をすすめるなど、選択肢を用意しておきましょう。
蓄電池を導入するメリットやデメリットは以下の記事でまとめています。
メンテナンス費用
太陽光発電設備導入後は、定期的メンテナンスも必要となります。
発電効率を保ち、また故障や劣化による事故などを防ぐためです。
メンテナンス費用は業者によっても異なりますが、定期点検の相場が2.9万円、清掃費用はパネル1枚につき1〜2万円です。
また、機器が故障した場合は交換費用などもかかります。
太陽光発電に必要なメンテナンスの内容や費用相場は以下の記事でも紹介しています。
オフグリッド関連の補助金も利用可能
オフグリッドを目指して太陽光発電設備を導入する場合は、補助金の活用をおすすめします。
自治体によって補助金制度には違いがありますが、太陽光発電の導入時に利用できる補助金を活用して、初期コストを抑えましょう。
施主に伝えるべき太陽光発電関連で使える補助金の情報は以下の記事でまとめています。
オフグリッドでエコ・省エネの実現が可能
オフグリッド生活の実現で、エコ・省エネを目指せます。
太陽光発電と蓄電池の併用によるメリットを把握し、施主に自信を持っておすすめできるよう知識をつけておいてください。
電気使用量の削減
蓄電池を利用したオフグリッドが実現すれば、電気使用量を削減できます。
太陽光発電で発電した電力で家電の一部を動かせるため、当然電力会社から購入する電力量は減少するでしょう。
電気使用量が減れば節電にも繋がるうえ、自宅で支払う電気料金も安くなります。
環境負荷の軽減
オフグリッドの実現で環境負荷を軽減し、エコに貢献できます。
近年問題になっている環境問題を解決するためには、地球に住む個人個人でのエコへの意識向上が必要です。
オフグリッド生活には環境負荷の低い再生可能エネルギーを使用するため、環境への負荷を軽減し、なおかつ電力を使用した今の便利な生活を維持できるというメリットがあります。
電力逼迫による停電対策
近年エネルギー資源の高騰などにより、電力逼迫への警鐘が鳴らされています。
電力逼迫状態が悪化すると、大規模停電に発展することもあるでしょう。
地震大国である日本は、大規模地震によりいつ停電が発生するかわかりません。
蓄電池を使ったオフグリッド生活を導入しておけば、万が一停電した場合も蓄電池に備蓄した電力を使用して、必要最低限の家電を動かせます。
停電対策としても蓄電池を併用したオフグリッド生活は有効な手段です。
太陽光発電による停電対策については、以下の記事も参考にしてください。
一般住宅ではオフグリッドの実現は困難
完璧なオフグリッド生活の実現は、一般住宅では実現が困難です。
蓄電池を使用したオフグリッドのデメリットについても施主に説明できるよう、把握しておきましょう。
立地条件・天候
一般住宅でオフグリッドの実現が難しいとされる理由は、立地条件や天候です。
日当たりの良い高所に立っている住宅でなければ、完璧なオフグリッドは難しいでしょう。
また梅雨や雨が続けば日照時間が担保できず、発電量が減ります。
そのため、一般住宅での完全なオフグリッドは難しいとされています。
自宅の電力消費量と太陽光パネル発電量
一般住宅の電力消費量と太陽光パネルの発電量の関係で、完璧なオフグリッド生活は難しいとされています。
よほど節電意識が高く必要最低限の家電しか使わない住宅でなければ、すべての消費電力を自家消費で賄うことは困難です。
太陽光パネルの設置面積を増やせばそれだけ費用もかかるため、オフグリッドと購入した電力の併用が好ましいでしょう。
メンテナンス・維持費用が高額
太陽光発電設備の導入後は、定期的な点検や機器の交換が必要です。
そのため維持費用がかかるため、簡単に導入を決意できる施主は少ないでしょう。
オフグリッドに欠かせない蓄電池にも寿命があり、メーカーによりますが平均的に15年周期での交換が必要です。
電力消費量を抑えて電気代を抑えられるものの、維持費が高額なこともオフグリッドの完璧な実現を妨げている要素といえるでしょう。
蓄電池の寿命については以下の記事で解説しています。
まとめ
太陽光発電設備と蓄電池の併用で、オフグリッド生活を目指せます。しかし導入費用や維持費用の問題で、導入を迷う施主もいるはずです。
そのような時は、初期費用がかからないリース型の太陽光発電設備をおすすめすると良いでしょう。
しかし、リース型の太陽光発電を利用できる優良業者がわからないと悩んでいる方もいるはずです。
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