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工務店(住宅業界)における差別化戦略とは?戦略のポイント解説

工務店や住宅業界において、他社との差別化を図り売上アップにつなげることは重要です。

しかし、どのように差別化戦略を図ればいいのかわからないという方もいるでしょう。

本記事では、差別化戦略の概要から、工務店における差別化戦略の必要性や戦略立案時のポイントについて解説しています。差別化戦略について理解したい方はぜひ参考にしてみてください。

差別化戦略とは

差別化戦略とは

差別化戦略とは、他社との差別化を図ったうえで競争優位性を確保するために立案する戦略です。企業が差別化戦略を図る場合、サービス内容や商品の特徴などから他社との違いを明確にします。差別化戦略は、メーカーやサービス業だけでなく、工務店や住宅業界などでも欠かせないものです。

工務店における差別化戦略の必要性

工務店における差別化戦略の必要性

工務店における差別化戦略は、顧客からの受注につなげるためにも欠かせません。ここではなぜ工務店が差別化戦略を行う必要があるのか、以下の点を交えながら解説します。

工務店における差別化戦略の必要性
  • 着工数の現象
  • 価格競争を避ける
  • 自社の強みの明確化
  • 選択過多の状況を脱する

着工数の現象

差別化戦略が必要とされる背景の1つが、住宅の着工数減少です。
国土交通省の「建築着工統計調査報告」によると、1989年の新設住宅戸数は1,662,612戸であったのに対して、2020年は815,340戸と30年間で半分以下に減少しています。

単純に着工数自体が少なくなっている中で、工務店がこれから先も経営を続けていくためには、顧客からの発注が欠かせません。
他社との違いを明確にし、自社に発注するメリットを理解してもらうための差別化戦略が必要です。

【参考】国土交通省-建築着工統計調査報告

価格競争を避ける

差別化戦略を行えば、企業は競合他社との価格競争に巻き込まれる心配がありません。
差別化により他社とは異なる独自のポジションが確立できれば、価格を下げなくても発注してくれる顧客が出てくると考えられます。

例えば、自社で特許を取得した技術による家づくりが行えれば、他社は真似できません。
特許技術による家づくりが顧客にとって魅力的なものであれば、他社より価格が高くてもその技術を求めて発注する人が出てくるはずです。
価格に関係なく受注できるようになれば、企業は価格競争を行う必要がありません。

価格競争が始まると、いくら受注してもなかなか利益につながらない厳しい状況に陥ります。
価格競争を避けるためにも、差別化戦略が必要だといえるでしょう。

自社の強みの明確化

差別化を図るために、他社の分析や自社との比較を行い自社の強みを明確にしましょう。

自社では強みと思っていなかったものの、他社を分析して自社の強みが発覚するケースは少なくないです。
例えば、同じ工事にかける工数を比較したところ、自社の方が短期で対応できると分かれば、「短期で対応可能!」という強みが明確となります。
逆に他社と比べた時に自社の弱みが見えてくれば、自社の改善点がわかるため、今後のマーケティングに活かせるでしょう。

このように、差別化戦略には自社の強みや弱み、市場におけるポジショニングなどを明確にすることが必要です。

選択過多の状況を脱する

差別化できれば、顧客が「どの工務店に発注すればいいのかわからない」という状況に陥りづらくなるため、選択過多の状況から脱出できます。

インターネットで「●●市(家づくりを検討している市)工務店」と検索すると、たくさんのホームページが出てくるはずです。
家を作ろうとしている人の目の前にたくさんのホームページが出てくると、途方もなく感じてしまうでしょう。
最悪の場合、「情報が多すぎてどれも同じに見える」となる可能性もあるかもしれません。

差別化がしっかりと取られた状態なら、他の工務店と同じだと認識されず、選択過多の状況に陥りづらくなるでしょう。

差別化戦略を行う時のポイント

差別化戦略を行う時のポイント

工務店が差別化戦略を行う場合、以下の4つのポイントを押さえなければなりません。
これらのポイントを押さえることで、家づくりを検討している顧客に自社をアピールできるでしょう。

差別化戦略を行う時のポイント
  • 顧客ニーズの把握
  • ターゲットの明確化
  • 自社のサービス内容の把握
  • 競合他社の分析

顧客ニーズの把握

いくら他社との差別化ができていても、差別化の内容が顧客の求めるものでなければ受注にはつながらないため、顧客ニーズは必ず把握しなければなりません。

例えば「うちは100年以上の歴史がある会社!」という点を他社との差別化ポイントとして押し出していたとしても、顧客の求める家づくりに対応できなければ受注にはつながらないでしょう。
このような事態を避けるためにも、顧客のニーズを適切に把握する必要があります。

ニーズを把握する方法の1つとしては、アンケートやインタビューを通じた顧客の意見収集が挙げられます。

例えば「家づくりで重視するポイントはなんですか?」と質問すれば、そこで得た回答は顧客のニーズだと考えられるため、そこに的を絞って差別化戦略を立てていくイメージです。


特にインターネットやSNSでは流行のニーズを把握できます。
さまざまな方法を活用し、顧客が何を求めているのかを明らかにしてみてください。

ターゲットの明確化

差別化戦略立案時により顧客のイメージしやすくなるため、ターゲットは明確に設定してください。

ターゲットは、「30代の夫婦で共働き、子供は1人、自動車所有、世帯年収●●万円、週末は家族でショッピングに行く機会が多い」などできるだけ具体的に作り上げるのがポイントです。

ターゲット像が明確になれば差別化戦略を図る時に「この差別化ポイントにターゲットは興味を持つかな?」と、ターゲットに寄り添った戦略の立案が可能となります。

自社のサービス内容の把握

差別化戦略では、自社がどのようなサービスを提供しているのか把握していなければ差別化が図れません。

具体的には、自社が提供しているサービスや工法などをすべて洗い出し、それぞれの特徴やメリットなどを整理しましょう。

また、サービス内容だけでなく自社の歴史などもチェックしてみてください。
他社にはない自社ならではのエピソードが見つかる可能性があります。

  • 会社設立以来10,000件の施工実績がある
  • ●●市で有名な××の施工を担当していた

顧客によっては、「10,000件も実績があるなら安心できそう」と考え、発注してくれるケースもあるかもしれません。
自社のサービス内容や情報を洗い出して差別化を図れるポイントを見つけましょう。

競合他社の分析

差別化戦略は他社の存在があって初めて成り立つものであるため、競合他社の分析は欠かせません。

分析を行えば、例えば競合も自社と同じ強みを有していると発覚する可能性もあります。逆に、競合分析の結果他社の弱みが見えてくるケースもあるでしょう。

このように他社についての理解が差別化戦略のベースとなるため、必ず他社分析は行ってください。

ちなみに競合他社以外にも、他業界のトップ企業の分析もおすすめです。
業界でトップに位置する企業は、どのような点を自社の強みとして押し差別化戦略を行っているのか理解できれば、自社の戦略立案にも大いに役立つでしょう。

まとめ

今回は、差別化戦略の概要から、工務店や住宅業界における差別化戦略の必要性、行う際のポイントについて解説しました。

着工数が減っている中で工務店が生き残っていくには、受注の確保が欠かせません。
差別化戦略を実施すれば、顧客の目にとまりやすくなるため、受注増加にもつながるでしょう。

今回の内容を参考にぜひ差別化戦略立案に取り組んでください。