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建設業はなぜ後継者不足なのか?現状と後継者不足への対策も解説

建設業は以前より人手不足が問題となっている業界ですが、同時に経営を引き継ぐ後継者不足の問題に直面しています。

建設業では、業績が好調であっても後継者となる人材が見つからず、事業を継続できないため、最悪の場合、廃業してしまうケースもあります。

実際に建設会社や工務店を経営されている方でも、なかなか後継者となる人物が見つからず、どう事業を継続していこうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

今回は、建設業の後継者不足について、現状や原因、対策を交えて解説します。

本記事はこのような方におすすめ!
  • 後継者が見つからず悩んでいる方
  • 後継者不足への対策を知りたい方
  • 後継者不足に関する現状を知りたい方

建設業における後継者不足の現状

建設業における後継者不足の現状

そもそも、建設業に限らず、多くの中小企業において後継者不足が顕著です。

帝国データバンクが公表している「全国企業後継者不在率動向調査(2021 年)」では、下図のように年々回復傾向にあるものの、2021年の後継者不在率が61.5%と高い数値が示されています。

全国企業後継者不在率動向調査(2021 年)
【引用】帝国データバンク「全国企業後継者不在率動向調査(2021 年)」

また、この調査では業種別の後継者不在率も算出しています。下図によれば、2021年の建設業における後継者不在率は67.4%と全業種の中でも最も高い値です。

全国企業後継者不在率動向調査(2021 年)
【引用】帝国データバンク「全国企業後継者不在率動向調査(2021 年)」

このように、中小企業の後継者不足は全国規模でまだ問題として残っています。建設業における改善傾向にはあるものの、依然と高い割合で後継者不足に悩まされている建設会社や工務店が多くあることが伺えます。

建設業における後継者不足の原因

建設業における後継者不足の原因

なぜ建設業において後継者不足の問題が発生してしまうのかについて解説します。

具体的には以下の原因が挙げられるでしょう。

建設業における後継者不足の原因
  • 少子高齢化
  • 事業承継に時間がかかる

少子高齢化

1つ目の原因は、少子高齢化です。

特に家族内で事業を継承する場合、親の会社は基本的に子どもが継ぐことになるでしょう。

近年は少子化が進み子供の数も減ってきているため、後継者となる子ども自体が少ない、もしくはいないといった現象が起きています。

また、高齢化の進行も後継者不足に拍車をかけており、東京商工リサーチの調査によると、2021年の社長の平均年齢は62.77歳と過去最高を更新しています。

高齢化が進むほど、経営者として活動できなくなる高齢の経営者が増え、後継者の選定が間に合わないというケースも今後想定されるでしょう。

事業承継に時間がかかる

2つ目の原因は、事業承継に時間がかかる点です。

一般的に事業承継では、後継者を経営者として育てていく必要があるため、長い期間を必要とします。

このため、事業承継に時間を割けない経営者も多く、さらには、事業承継を検討する頃には違う企業に就職してしまうケースも少なくありません。

また、建設業で事業承継をおこなう場合、後継者は建設業許可をそのまま引き継ぐことができず、再度申請して取得する必要があります。

建設業許可をとるための要件として、「経営業務管理責任者」や「専任技術者」を自社内に置く必要がありますが、この2つの役職はある程度の業務経験がないと取得できません。

こうした役職の要件を満たす人材が不足しがちなことも、後継者不足の問題点として挙げられます。

建設業における後継者不足への対策

建設業における後継者不足への対策

建設業における後継者不足への対策について解説します。

具体的には以下4つの対策が重要となるでしょう。

建設業における後継者不足への対策
  • 従業員を後継者として育てる
  • 親族を後継者として育てる
  • M&Aによる会社の譲渡
  • 後継者とのマッチングサービスを利用する

従業員を後継者として育てる

1つ目は、従業員を後継者として指導することが挙げられます。

もし、自社内に経営者となりうる優秀な従業員がいる場合、後継者として育てていくことで、後継者不足を解決できるでしょう。

メリットとして、外部から後継者を招くよりも、すでに自社の事業に精通しているため、スムーズに会社の経営を引き継げる点が挙げられます。

また、後継者候補の従業員が営業に従事していた場合は、取引先との信頼関係もすでに構築している状態でしょう。

経営を後継者に引き継いだ後も、これまでと変わらず、取引先と良好な関係を保つことができるため、事業活動を進めやすくなります。

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親族を後継者として育てる

2つ目が、親族を後継者として指導する方法です。

親族内で事業承継をおこなう場合は、必然的にこの方法を選ぶこととなるでしょう。

親族を教育する場合、なるべく早めに後継者候補を定め、従業員として働いてもらうことがおすすめです。

親族内の後継者候補が、突然、経営者として会社に入社してしまうと、後継者候補へのプレッシャーが大きいばかりでなく、他の従業員の反発を招いたり、事業内容への理解が浅いことにより、事業継続が困難となってしまうなど、さまざまなリスクが発生しかねません。

親族内で事業を引き継ぐ場合は、少なくとも数年は従業員として事業への理解を深めてもらい、取引先や従業員と良好な関係を築いてもらった方がいいでしょう。

また、実際に従業員としての仕事ぶりを見ることで、本当に経営者として適任なのかを判断しやすくなります。

M&Aによる会社の譲渡

3つ目はM&Aによる会社の譲渡が挙げられます。

従業員や親族に後継者がいない場合には、この方法が選択肢として挙がってくるでしょう。

M&Aとは企業の合併や買収のことを指し、この場合は希望する相手企業に対して自社を売却します。

M&Aにはさまざまなタイプが存在し、会社を丸ごと売却するケースもあれば、相手企業と資本提携するケースもあります。

こうしたM&Aを検討する場合は、手続きなどに多くの時間を費やしたり、専門的な知識が要求されることもあるため、M&Aのサポートを専門的におこなっている業者に相談するといいでしょう。

後継者とのマッチングサービスを利用する

最後に、後継者候補とマッチングできるサービスを利用する方法です。

有名なものでいえば、「後継者人材バンク」という国を母体とした団体が運営しているマッチングサービスがあります。

このサービスに登録することで、創業を目指す起業家などの後継者となりうる人材にアプローチできるため、後継者候補を見つけることが可能です。

都道府県ごとに事業承継・引き継ぎ支援センターが窓口となっているため、後継者の選定に悩んでいる方は、一度相談するといいでしょう。

どうしても廃業してしまう場合に注意すべきこと

どうしても廃業してしまう場合に注意すべきこと

どうしても後継者が見つからず、廃業となってしまう企業の注意点について解説します。

廃業となる場合、株式会社では株主総会の決議をもって清算人を決定し、手続きに進んでいきます。

廃業には、多くの手続きが必要です。解散登記などの登記関係の手続きをはじめ、税金や労働保険料の申告、さらに建設業の許可をもっている場合は30日以内に廃業届を出さなければなりません。

また、廃業に際しては従業員へのケアも大切です。

退職金の上乗せや、失業保険を受けるための離職票作成などの対応により、従業員の離職後の負担をなるべく減らすべきでしょう。

こうした廃業後の従業員へのケアは、ハローワークでもアドバイスしているため、不安な方は一度相談するといいでしょう。

まとめ

建設業では、昨今の少子高齢化問題をはじめとして、さまざまな要因から後継者不足に陥っています。

早期から後継者候補の選定と教育をおこなうことがベストですが、厳しい場合はM&Aや後継者を外部から招くという方法も検討した方がいいでしょう。

こうした後継者への事業継承の問題は複雑となりやすいため、事業承継を専門にサポートしている業者等に一度相談することをおすすめします。

また、後継者不足に悩む企業の多くは、人手不足にも悩んでいます。「業務効率化ソフト」の導入で、少ない人員で業務を回してはいかがでしょうか。

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