ビジネスにおけるマイルストーンとは、プロジェクトの進捗状況を確認するため中間地点を意味します。建設業界では、長期間に及ぶ工事・プロジェクトの管理に役立ちます。
本記事ではマイルストーンの活用方法や作成手順について解説します。
目次
マイルストーンとは
マイルストーンは、出発地点からの距離を図るために置かれた標石を語源とします。近年では、プロジェクトの進捗状況を確認するため中間地点のことを意味するビジネス用語として使われています。
マイルストーンを活用することで「いつまでに」「何をおこなう」といった内容が把握しやすくなり、工事やプロジェクトの長期化が予想される場合によく活用されます。
これからマイルストーンの活用を考えている方は参考としてください。
マイルストーンとスケジュールの違いとは
マイルストーンとスケジュールは混同されがちですが、実は全く意味合いが異なります。
スケジュールは”計画全体”のことを表しますが、マイルストーンは計画を管理するうえで大切な”節目”のことを表します。
建築業界は長期間でのスケジュール管理が必要とされるため、マイルストーンを活用して作業を可視化し、業務効率を向上させましょう。
マイルストーンを導入する4つのメリット
マイルストーンを導入することで得られるメリットは以下の通りです。
- 進捗状況を管理しやすい
- モチベーションの向上
- 作業漏れを防止
- 軌道修正が可能
進捗状況を管理しやすい
マイルストーンを設定することで、進捗状況を管理しやすくなります。
工事やプロジェクトが長期にわたる場合、ゴールまでの道筋が不透明になってしまいがちです。
しかし、マイルストーンを設定することで道筋を明確化し、確実にゴールまでたどり着くことができます。
モチベーションの向上
ゴールまでの道筋を示すことで、従業員のモチベーション向上を期待できます。
長期間の工事・プロジェクトとなると、マンネリ化でモチベーションが低下してしまうこともあるはずです。
しかし、各工程ごとに目標を設定することで達成感を得ながら作業に取り組むことができ、従業員のモチベーションの維持・向上に効果的です。
作業漏れを防止
マイルストーンで作業工程の管理をおこなうことで、作業漏れを防止することができます。
どんな仕事でも作業漏れなどの人的ミスは避けることができません。しかし、作業の節目節目でタスクの進捗状況を確認しながら進めることで作業漏れを防げます。
万が一、作業漏れが発生していても早い段階で気付き、トラブルを最小限に抑えることができるでしょう。
軌道修正が可能
工事の遅れを早い段階で把握し、軌道修正をおこなえます。
マイルストーンを設定することでタスクごとの進捗状況が把握しやすくなり、予定と実績に差異がないかのチェックが簡単です。
当初の計画より遅れが出てしまった時は「いつ」「どのような理由で」遅れてしまったのかを確認することが重要です。
マイルストーンは工程の問題点を発見し、軌道修正していくうえでとても大事な役割を担っています。
マイルストーンの書き方
マイルストーンの作成時に重要なポイントを3つ紹介します。
- ガントチャートを作成
- 期日やタスクを割り出す
- 担当者を設定
ガントチャートを作成
マイルストーンを活用する場合は、ガントチャートを作成しましょう。
ガントチャートとは、作業内容を細かく書き出して表形式にしたものです。作業内容・順序などが可視化できるため、担当者やスケジュールを誰でも簡単に把握することができます。
プロジェクト計画の要点をつかむためにも、まずはガントチャートを丁寧に作成してください。
期日やタスクを割り出す
ガントチャートを作成したら、マイルストーンを達成するために必要な作業内容や期日を書き出します。
- 工程やスケジュールの管理がしやすくなる
- 目標を可視化することで、誰でも進捗状況を把握できる
- 作業の遅延を防ぐことができる
長期にわたる工事やプロジェクトの場合は、2週間~4週間の単位で割り出すことをおすすめします。
担当者を設定
誰がどのタスクを管理するのか、担当者を選定します。
マイルストーンやガントチャートを完成させても計画通りに進むとは限りません。各タスクの進捗状況をチェックする担当者がいることで、ミスや遅れに対して早めに対処することができます。
担当者の力量によっては作業の進捗に影響がでてしまうこともあるため、人選は慎重におこなってください。
マイルストーン作成時の注意点
マイルストーンを作成する時は、どのような点に注意すべきでしょうか。以下5点を参考にしてください。
- タスク漏れがないかを確認
- 現実的な設定になっているか確認
- 担当者に偏りがないか確認
- 余裕工程を把握
- 予定と実績を把握
タスク漏れがないかを確認
計画を進めるうえで必要なタスクが漏れることなく洗い出されているか確認してください。
マイルストーンを達成するために必要とされるタスクが漏れてしまうと、計画通り進めることが難しくなります。
タスク漏れを防ぐためにも丁寧に洗い出し、再度確認するといいでしょう。
現実的な設定になっているか確認
マイルストーンの設定は現実的かどうか、担当者と確認を取りながら進めてください。
タスクの重みや現場のスピード感など、担当者でなければわからないことは多々あります。
理想だけでマイルストーンを作成してしまうと、予定通りスケジュールが進まずにトラブルとなってしまうことも考えられます。
計画通りに進めるためにも、担当者と確認を取り合いながら設定してください。
担当者に偏りがないか確認
タスクの担当者に偏りが出ないように確認してください。
どんなに優秀な人でも、同時に複数のタスクをミス無く進めることは難しいです。
一人にタスクが偏ってしまうと、どこかで作業の遅れや、プロジェクトの進行自体に悪影響が出てしまうことも考えられます。
マイルストーンを設定する時は、担当者に偏りが出ていないか確認するようにしてください。
余裕工程を把握
担当者が余裕工程を把握しておくことで、早い段階で工期の遅れに気付き、軌道修正できます。
現場は悪天候などにより、スケジュール通りに進まないこともあるはずです。不測の事態に備えて、協力会社はあらかじめ「余裕工程」を考えています。
例えば、余裕工程が20日含まれた工事がスタートして間もなく、10日の遅延が判明したとします。担当者が余裕工程を把握していなかった場合、スケジュールに遅れが生じてしまいます。
残りの日数をうまく使って軌道修正をおこない、安心感を持って工事を進めるためにも、余裕工程をしっかりと把握してください。
予定と実績を把握
予定と実績を把握することで、工期の進捗状況を確認できます。
当初の予定では10人の大工が5日間で作業を完了させる予定でしたが、3日経過した時点で工期に遅れが出ていることが判明したとします。
予定に対して実績に遅れが出ている場合、原因を把握して改善することが重要です。遅延の原因を放置して工事を進めてしまうと、工期がどんどんずれ込み、竣工予定日に間に合わなくなることも考えられます。
工事を計画通りに進めていくためにも、定期的に予定と実績を比較してください。
まとめ
マイルストーンを上手に活用することで、スケジュールの把握や複雑な工程の管理がこれまでより簡単となります。
マイルストーンを採用した工事・プロジェクト管理には、業務効率化ソフトの導入もおすすめです。
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