工務において適正な利益を得るためには、原価管理が重要です。
利益を残しながら無理な交渉なく原価管理するためには、どのようなことをおこなうと良いのでしょうか。
原価管理のコツとより効率的に管理するためのシステムを紹介します。
目次
施工管理において原価管理が重要な理由
施工管理において重要なことは利益率を上げることです。
利益率を上げるためには工事原価を下げることが必要ですが、下請け業者ありきで成り立っている建築業において、やみくもに原価を下げる交渉をすれば良いというわけではありません。
また、固定費を下げるために人件費を削ることも、マンパワーが重要な工務においては事業を衰退させる結果となってしまいます。
協力業者や自社の人材をきちんと確保しながら利益を出すためには、適切に原価管理をすることが必要です。
原価管理のコツ
原価管理を行うには留意しておくべきことや、おこなうべきことがあります。
以下のことを意識して管理するクセを付けることで適切な原価管理をおこなことが可能です。
着工前に目標を決める
着工前に残す利益の目標値を決めることは原価管理の基本です。
必ず目標の利益が残るように余裕を持った発注を計画しましょう。
財布の中身を知らないと、欲しいものをついつい買ってしまうことと同じで、原価管理も目標値とそれに対する現状把握が重要です。
最終原価を常に予測しておく
目標原価を定めて現状把握を行ったうえで、常に最終原価を予測しておくことも大切です。
最終的な結果に辿り着く前に、予測することで課題に対して早めの対策を打つことも可能です。
また、「~してしまった。」ではなく「~しそうだ。」と上司に報告することで、助言をもらえて軌道修正できることもあるかもしれません。
常に最終原価を予測し、経営者などに確認できる仕組みをつくりましょう。
実行予算と実績を対比する
目標値に対する実績を項目ごとに記録し、全体で利益を保てるよう調整しましょう。
また、目標に対して実績が伴わなかった場合は原因を解明し、次の現場の原価管理に反映させることが非常に重要です。
契約外の工事は追加料金を交渉する
施工現場では契約外の工事が発生することがあります。
サービスで施工した方がお客さまから好感を持たれると感じるかもしれませんが、適正な料金を請求しなければ、作業員への適正料金の支払いや会社の利益の確保ができなくなってしまいます。
必ず記録を残してきちんと説明したうえで、早めに追加料金の交渉をしましょう。
発注額を適正にする
現場の利益を目標通りに確保できるかは、受注時にほぼ決まっているといえます。
現場の担当者は、外注への発注額や購入額が適正なのかを常に意識しましょう。
協力業者からの見積りを鵜呑みにするのではなく、適正な価格かどうかを自身で確認する必要があります。
過去のデータや他社データ、原価・人工からの計算などを参考に精査したうえで、交渉が必要であれば交渉し、受注額を確定しましょう。
おすすめの工事原価管理システム
原価管理を適切に行うために、原価管理システムを使うこともおすすめです。
システムを使うことで業務効率化ができるとともにヒューマンエラーがなくなり正確に管理することもできます。
以下におすすめの原価管理システムをまとめました。自社の課題に合うシステムを選定してみましょう。
AnyONE
AnyONEは、建築業界に特化したクラウド型の業務支援ソフトです。
大手・中堅企業様から一人親方様まで、規模感を問わず活用できます。
幅広い種類の資料を一元管理できるため、実行予算書や発注書などの関連資料を一括して確認することが可能です。
また、エクセルからのコピー&ペーストや一括貼り付けも可能なため、ITリテラシーがあまり高くなくても導入しやすく、協力業者にツールの使用を強いる必要もないため新規導入に最も適したソフトです。
実績としても、導入実績2700社超で、業界No.1を誇る基幹システムのため、品質も期待できます。
初めてシステムの導入を検討される方、まずは原価管理から試して他の機能も付けるか決めたい方、実績のあるシステムを選びたい方におすすめです。
【料金】
ツール利用料は、月額費用換算です。毎月費用が発生します。
プランや利用人数によって利用料は変わるため、詳しくはAnyONE公式サイトよりお問い合わせください。
※バージョンアップやヘルプデスクは無料
どっと原価NEO
「どっと原価NEO」は、業務フローに沿って必要となるさまざまな種類の帳票を出力できます。
見積書・実行予算書から、日報・出面管理表・工事台帳・工事経歴書、経営数値を見える化するための多角的な集計データに至るまで全社的な情報を一元化しており、いつでも簡単に必要な帳票を出力することができます。
また、オリジナル帳票はエクセルで作成することができます。
最適なシステム構築を豊富なオプションから選びたい方やエクセルを使い慣れている人に向いているシステムです。
【料金】
プランにより異なるためこちらをご参照ください。
弥生 本家シリーズ
会計管理システムで有名な「弥生会計」のシリーズである「本家シリーズ」は、Windowsに対応したインストール型ソフトです。
「原価本家」のほかに、出面、入金支払、見積、歩掛などのツールが用意されており、経理管理を一元化できます。
また、会計システムの奉行シリーズや弥生シリーズへの連携ができるため、すでに「弥生会計」シリーズを導入している企業にもおすすめです。
【料金】
原価管理版:800,000円(税抜き)
※クラウド版もあります
【お試し】
お試し版はありません(2022年5月現在)
【お問い合わせ先】
株式会社アイキューブ(TEL : 03-3366-8389)
まとめ
今回は原価管理のコツとおすすめの管理システムについて紹介しました。
適切な原価管理を行うためには、実行予算書で目標値を定め、施工中も常に実績と目標の差を確認することで目標に近づけるよう工夫を重ねることが重要です。
管理システムは導入費や運用費がかかりますが、その分工数削減や利益率向上などを実現でき、従業員がより集中すべきところに集中できるため事業の繁栄にもつながります。
システムに任せられるところはシステムに任せて、効率的に利益向上に努めましょう。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。