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【建設業】人事評価制度を導入すべき理由!評価ポイントや導入方法

人事評価制度がきちんとしていないと、社員の不平不満につながる恐れがあります。
そこで、本記事では、建設業において人事評価制度を導入する理由や具体的な評価ポイント、さらには導入方法などについて解説します。

人事評価制度を導入するメリットや方法を知りたい工務店の担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

人事評価制度を導入すべき理由

人事評価制度を導入すべき理由

そもそもなぜ人事評価制度を導入すべきなのか、その理由について解説します。

人事評価制度を導入すべき理
  • 経営ビジョンや方針の明示
  • 人材育成・開発の基準になる
  • 適切な人員配置ができる
  • 社員のモチベーション向上につながる

経営ビジョンや方針の明示

人事評価制度を活用して、経営ビジョンや方針を明示することができます。会社の理念やこれからの方向性、あるべき社員の姿などを評価項目に落とし込むことで、経営ビジョンを反映させることができるでしょう。経営ビジョンや方針を掲げるだけでは、なかなか社員に周知徹底されないでしょう。しかし評価につながるとなれば、社員間での認知・理解も深まっていくはずです。

人材育成・開発の基準になる

会社が求める人材に関する評価項目を設定すれば、人材育成を行う際の基準にもなります。また、人事評価が昇給や昇進につながるとわかっていれば、社員は評価項目を満たそうとするでしょう。つまり会社が求める人材に近づこうとするということです。このように、人事評価制度を活用すれば、人材育成や開発を促進することもできるでしょう。

適切な人員配置ができる

人事評価制度は、人員配置にも活用可能です。例えば、能力や会社への貢献度、さらには業績などを評価項目として設定し評価できるようにすれば、昇進や異動などスキルや貢献度に応じて適切な人員配置を行うことができるでしょう。

社員のモチベーション向上につながる

評価制度が整備され、会社や上司から評価されるポイントが明確になれば、社員も仕事に取り組みやすくなります。また、評価次第で昇進や昇給があるなら、モチベーションも高まるでしょう。このように、適切な人事評価制度の導入は社員のモチベーションにも大きな影響を与えます。

人事評価のポイント

人事評価のポイント

工務店には、いわゆるブルーカラーと呼ばれる人と、ホワイトカラーと呼ばれる人がそれぞれ存在します。そのため、人事評価を行う際には、それぞれの仕事内容に応じて基準を2つ設ける必要があります。ここでは、ブルーカラーとホワイトカラーの概要と評価基準のポイントについて解説します。

ブルーカラー

ブルーカラーとは、主に現場で作業を行う人のことを指します。これは、現場で作業を行う人たちが着用する作業着の襟が青かったことが由来とされています。

工務店の場合、作業現場で実際に工事を行う人や現場監督などがブルーカラーに当てはまります。ブルーカラーの評価基準を検討する場合は、現場での実務経験年数や資格の有無などを考慮するようにしましょう。また、一般的な勤務に対する姿勢なども評価基準となります。

ホワイトカラー

ホワイトカラーとは、主に事務所などで働く内勤者のことを指します。これは、ワイシャツの襟が白いことが由来とされています。

工務店の場合、経理などの事務作業を担当する社員や営業担当の社員などが該当します。ホワイトカラーの評価基準を検討する場合は、仕事の成果や経験年数、勤務態度などを考慮するようにしましょう。また、業務に関連する資格を所有しているかどうかも大切なポイントです。

人事評価方法

人事評価方法

ここでは、具体的な人事評価方法として3つの方法を紹介します。それぞれの特徴を踏まえた上で、自社に適した方法を選んでみてください。

人事評価方法
  • 業績評価
  • 能力評価
  • 情意評価

業績評価

業績評価とは、社員の成果や目標に対する達成度合いをもとに評価する方法です。社員の経験年数やスキルなどに応じて期待される役割を果たすことができているか、成果を残せているか、といったことを数値化して評価されます。また、成果に到るまでのプロセスを評価することもあります。

能力評価

能力評価は、その名の通り社員の能力を基準として評価する方法です。業務を通してスキルを身につけているか、自身の能力をしっかりと発揮できているか、といった点が評価されます。能力は経験年数や役職によって求められるものが異なるため、評価基準を作成する際は、その点に注意しなければなりません。

情意評価

情意評価は、社員の仕事に対する意欲や態度を基準として評価する方法です。

具体的には、下記のような評価基準があると良いでしょう。

・自身の担当業務にどれくらい積極的に関わっているか

・チームメンバーと協力しあって業務に取り組めているか

・責任を持って仕事に取り組めているかといったことが評価されます。

ただし、情意は評価する人の主観による判断が起こりやすい点には注意が必要です。

3つの人事評価手段

3つの人事評価手段

ここでは、人事評価を行う際に活用できる3つの手段について解説します。

3つの人事評価手段
  • 目標管理制度(MBO)
  • コンピテンシー評価
  • 360度評価(多面評価)

目標管理制度(MBO)

目標管理制度とは、事前に目標を設定した上で、目標に対してどのくらいまで到達できているかを管理しながら評価する方法のことです。目標は社員一人ひとりが設定するため、個人の達成度合いが把握できるほか、上司のマネジメントも行いやすくなります。

また、目標が達成できれば、社員のモチベーションアップも期待できるでしょう。

一方で、目標に関係のない業務には力を注ぎにくくなるほか、社員がノルマを課されているように感じてしまう点などには注意が必要です。

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、高い成果を上げている社員の行動特性をモデル化し、それを基準として評価する方法のことです。成果を残す人の行動特性を客観的に分析できるほか、評価者と被評価者の相性などが影響しない点が特徴としてあげられます。一方で、行動特性のモデル化や妥当性の検証が必要になるなど、導入に時間がかかる点はデメリットだといえます。

360度評価(多面評価)

360度評価とは、上司をはじめとして同僚や部下など、異なる立場、異なる部署の社員が1人の人を評価する方法のことです。上司だけの評価だと、相性によって偏りが生じる可能性があります。しかし、多面的な評価となれば客観性を担保することができます。

また、自己評価と他者評価を比べることで、自身の課題や強みなどを把握することもできるでしょう。

一方で、多面的な評価といっても主観を完全に排除することはできません。また、評価方法次第では、職場の雰囲気を悪くする恐れもあります。

人事評価制度の導入方法

人事評価制度の導入方法

ここでは、人事評価制度を導入するまでの大まかな流れについて解説します。

人事評価制度の導入方法
  • 評価項目と評価方法の設定
  • 処遇の規定を設定
  • 評価システムの導入検討
  • 従業員への説明と実施

評価方法と評価項目の設定

まずは、どのような評価方法をとるのか決めましょう。評価方法は会社の経営ビジョンや理念、課題などを踏まえた上で、自社に適していて運用を継続できそうなものを選ぶようにしましょう。

評価方法が決まったら、評価項目を決めていきます。評価基準を満たすような項目を設定する必要があるほか、職種や役職の違いも考慮しなければなりません。

処遇の規定を設定

評価の結果が社員の給料や昇進に影響する場合、処遇の規定を設定する必要があります。どのような評価結果の時に、どのような処遇となるのか、その関係性が明確になるように規定を作りましょう。また、それに伴い就業規則などを変更する必要がある場合は、監督署への届出も必要となります。

評価システムの導入検討

人事評価制度を導入する際には、評価システムを導入することも検討しておきましょう。手作業による評価だと、評価が完了するまでに時間がかかるほか、ミスが発生する可能性もゼロではありません。

一方で、システムを導入すれば効率よく評価を行うことができます。また、評価一覧の閲覧や紙やエクセルへの出力に対応しているものもあるため、使い勝手がいいといえるでしょう。システムを導入する際は、予算と運用目的を明確にした上で、比較検討してみてください。

従業員への説明と実施

人事評価制度は、社員の処遇にも影響を与えるものであるため、運用開始前には社員に対する説明が欠かせません。また、実際に評価を行う側となる管理職に対する事前研修も行うようにしましょう。これらの説明や研修が済んだら実際に運用を開始します。

フィードバック面談

実際に評価した後は、フィードバック面談を行うことが重要です。フィードバックを行うことで、評価結果の共有が可能となり、評価対象社員の意見を聞くこともできます。また、評価内容から、これから取り組むべき課題やその解決方法などについても共有できます。これを次の評価につなげることもできるでしょう。

評価結果が良ければ、社員のモチベーションもアップするため、さらに成果を上げてくれるかもしれません。

まとめ

今回は、工務店が人事評価制度を導入すべき理由や、具体的な評価方法、手段、導入時の流れについて解説しました。適切な評価制度が導入されれば、会社としてのビジョンを社員と共有しやすくなるだけでなく、社員のモチベーションアップも期待することができます。

制度の導入にあたっては、評価方法、項目などを慎重に考え、必要に応じて評価システムを活用するようにしましょう。