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土木工事見積書の作成方法は?書き方のポイントを解説!

土木工事見積書の作成方法は?書き方のポイントを解説!

土木工事の見積書は、プロジェクトのコスト管理において不可欠なものです。

本記事では、土木工事における見積書の役割と構成、具体的な作成手順、作成時のポイントに焦点を当て、分かりやすく解説します。

土木工事の見積書がどのように機能し、どのように作成されるべきかを深く理解できるので、ぜひ最後までお読みください。

本記事は下記のような方におすすめです
  • 土木工事見積書の知識を深めたい
  • プロジェクト計画や予算管理に興味がある
  • 見積書作成の基本から応用まで理解したい

土木工事の見積書とは?

土木工事の見積書作成は、プロジェクト成功への最初の一歩です。はじめに、見積書の基本的な役割について確認していきます。

土木工事の見積書の役割

土木工事の見積書が担う役割には「信頼の構築」「社内外の情報共有」「トラブルの予防」の3つがあります。

信頼の構築

見積書は、プロジェクトの費用と範囲を明確にすることで、発注者と施工者間の正確なコミュニケーションを促進し、信頼関係を構築します。

詳細な見積書は、工事に関わるすべての費用を開示し、予期せぬ問題が発生した場合でも、迅速な解決策を導く基礎となります。

発注者は、見積書によって工事の全体像を理解でき、重要な意思決定をすることが可能です。

社内外の情報共有

見積書は、社内外での情報共有の重要なツールとして機能します。

社内では、見積書によって、異なる部門がプロジェクトの目的と役割を明確に理解でき、効率的に協力して作業を進めることが可能です。

社外においては、発注者に対して、プロジェクトの計画と進捗状況を透明に伝え、一貫した理解を築くための基盤となります。

トラブルの予防

見積書は、将来的なトラブルを予防し、リスクを管理する役割も果たします。

明確な見積書は契約の基盤となり、工事中に発生するトラブルや誤解を防ぐことが可能です。

また、予期せぬ事態が生じた場合の追加費用や変更の扱いについても、事前に定めておくことができます。

土木工事見積書の構成

土木工事の見積書は「見積書表紙」「見積内訳書」「見積条件書」の3つから構成されています。それぞれについて、ポイントを解説します。

土木工事見積書の構成
  • 見積書表紙
  • 見積内訳書
  • 見積条件書

見積書表紙

見積書表紙は、書類の最初のページであり、一目でプロジェクトの概要を把握できるように記されています。

プロジェクトのタイトル、見積もりの合計金額、発行日、関連する連絡先情報などが含まれます。

表紙は、第一印象を決める部分であり、正確で分かりやすい情報提供が必要です。

見積内訳書

見積内訳書は、プロジェクトの具体的なコストを細かく分析する部分です。

必要な材料、労務、機械使用料などの個々のコストを明示し、それらの合計がどのように算出されたかを示します。

例えば、道路工事の場合、アスファルトの単価、必要量、作業員の数と労務単価、使用する機械のレンタル料などが具体的に記載されます。

内訳書は、プロジェクトのコスト構造を理解するための鍵となる部分です。

見積条件書

見積条件書は、見積書の中でも特に重要な部分で、工事の範囲、条件、そして特記事項が記されます。

工事の詳細な範囲、工事期間、支払い条件などが定められ、両者間の誤解やトラブルを避けるために必要な情報です。

見積条件書は、契約の基礎となり、後の工事進行において重要な役割を果たします。

土木工事見積書の作成手順

土木工事見積書の作成手順

土木工事の正確な見積もりは、プロジェクトのコスト管理と効率的な実行を確保します。ここでは、見積書作成の基本的なステップについて詳しく解説します。

土木工事見積書の作成手順
  • 人工費の見積もりを算出する
  • 材料費の見積もりを算出する
  • 工事費の見積もりを算出する
  • 書類を作成する

人工費の見積もりを算出する

人工費の見積もりは、以下の手順に従って効果的に算出します。

1.作業要件の確認

  • プロジェクトの全体的な範囲と、具体的な作業内容を理解します。
  • どの種類の作業が必要か、どの程度のスキルや経験が要求されるかを評価します。

2.必要な人員の特定

  • 各作業に必要な人員の数を決定します。
  • 特定の技能を要する作業には、その分野の専門家を含めます。

3.作業時間の見積もり

  • 各作業に必要な時間を見積もります。
  • プロジェクトの全期間にわたって、必要な人員の総作業時間を計算します。

4.労務単価の決定

  • 各作業員の労務単価を決定します。
  • 地域や業界標準、経験や技能レベルに基づいた適切な単価を設定します。

5.総人工費の算出

  • 決定された単価と総作業時間を掛け合わせ、総人工費を算出します。
  • 必要に応じて、残業手当やその他の追加費用も計算に含めます。

材料費の見積もりを算出する

材料費の見積もりは、以下の手順に従って効果的に算出します。

1.プロジェクト要件の詳細確認

  • プロジェクトの設計図や仕様書を基に、必要な材料の種類と量を特定します。
  • 工事の全体像を理解し、使用する材料の範囲を確認します。

2.材料リストの作成

  • 必要な各材料の具体的なリストを作成します。
  • 材料ごとに必要な数量をリストアップします。

3.材料コストの調査

  • 各材料の単位あたりのコストを、市場調査やサプライヤーからの見積もりを通じて調査します。
  • 地域や供給状況による価格の変動を考慮に入れます。

4.総材料費の算出

  • 各材料の単価と必要量を掛け合わせて、材料ごとの総コストを算出します。
  • 全ての材料のコストを合計して、総材料費を求めます。

5.予備費の計上

  • 予期せぬ事態や価格変動に備え、適切な割合で予備費を計上します。
  • 一般的には、総材料費の5%~10%を予備費として加えます。

工事費の見積もりを算出する

工事費の見積もりは、以下の手順に従って効果的に算出します。

1.プロジェクトの範囲と仕様の詳細確認

  • 工事に関する詳細な仕様書や計画書を確認し、必要な作業の範囲を理解します。
  • 特定の作業や工程に必要な技術や機器を特定します。

2.作業工程の分析

  • プロジェクトの全工程を分析し、各工程にかかる時間とリソースを推定します。
  • 必要な作業員の数、使用する機械や設備の種類を決定します。

3.作業単価の調査

  • 各作業工程や使用する機械に対する単価を調査します。
  • 建設業界の標準価格や、過去の類似プロジェクトのデータを参考にします。

4.総工事費の算出

  • 各作業工程の単価と必要時間、機械や設備の使用料を掛け合わせて、総工事費を算出します。
  • 間接費や管理費などの間接コストも計算に含めます。

5.予備費の計上

  • 工事中の予期せぬ事態や、追加作業に対応するための予備費を加えます。
  • 一般的には、総工事費の5%~10%を予備費として設定します。

書類を作成する

工事費の見積もりが完了したら、次は正式な書類を作成します。

書類には「内訳明細書」「数量調査書」「見積書」があり、プロジェクトの詳細を正式に記録し、関係者間での合意を固めるためのものです。

内訳明細書

内訳明細書には、材料の単価、使用量、関連するコストなど、各コスト項目の詳細な説明が記載されます。

数量調査書

数量調査書には、プロジェクトに必要な材料や資源の数量が記録され、資材の発注や管理に使用します。

見積書

見積書は、プロジェクトに関する正式な提案として、発注者との合意形成に用いられます。

土木工事の見積書作成のポイント

土木工事の見積書の作成において、重要となるポイントを解説します。

土木工事の見積のポイント
  • 施工計画を立てる
  • 労務費を把握する
  • 現地調査を行う
  • 有効期限を設定する
  • システムを活用する

施工計画を立てる

施工計画の作成は、工事の見積もり作成において最も重要な部分です。

計画を立てる際には、作業の流れ、使用する機材や材料、必要な作業員の数、さらには作業環境や安全対策に至るまで、あらゆる要素を考慮に入れる必要があります。

例えば、道路工事の計画では、工事区間の長さ、使用するアスファルトの種類や量、交通規制の必要性、安全標識の設置などが詳細に計画されます。

また、雨季に実施する工事では、降雨による工事の遅延を避けるための対策も必要になるかもしれません。

このように計画を立てる際は、環境条件や気象状況などの外部要因も考慮し、予期せぬトラブルに備えた対策を講じることが重要です。

労務費を把握する

労務費の正確な把握は、見積もりの信頼性を高めるために不可欠です。

労務費には、作業員の日当や時間給、必要に応じた加算料金(例えば、残業手当や休日手当)が含まれます。

地域や業界によって労務費は異なるため、最新の労働市場の動向を把握し、適切な単価を設定しなければなりません。

例えば、特殊な技能を要する作業には、一般的な作業員よりも高い単価を設定することが一般的です。

また、労働時間の長さや作業の難易度も考慮に入れることが必要です。

現地調査を行う

土木工事の見積もり作成においては、実際の工事現場を訪れ、地形、地質、周辺環境などの実情を詳細に把握します。

例えば、橋梁の建設においては、川の流れや岸の状態、近隣の交通状況などを確認する必要があります。

また、地盤が軟弱な場所では、通常よりも強固な基礎工事が必要になるかもしれません。

現地調査を行うことにより、計画書や設計図だけでは把握できない多くの要素を直接確認することが可能となります。

有効期限を設定する

見積書には有効期限を設定し、見積もりが提示された時点の価格や条件が、どれだけの期間有効であるかを明確にします。

例えば、材料費や労務費は市場の状況により変動するため、長期にわたる工事では価格変動を考慮に入れた期限設定が必要となります。

一般的に、見積もりの有効期限は、提出日から数週間から数ヶ月程度が一般的です。

この期間内に契約が成立しなかった場合、新たな見積もりが必要となることがあります。

システムを活用する

現代の土木工事においては、見積もり作成のためのシステムの活用が一般的になっています。

システムを使用することで、積算や見積もりのプロセスを効率化し、より精度の高い計算が可能となります。

例えば、労務費や材料費の計算、さらには複雑な工事費用の算出などが簡単かつ迅速に行えます。

多くの場合、現在の市場価格や労務単価などのデータベースが組み込まれており、最新の情報に基づいた見積もりが可能となります。

まとめ

土木工事の見積書作成は、緻密な計画と正確な情報に基づいて行われます。

適切な見積書は、プロジェクトの効率的な実行を保証し、コストの透明性を高め、全ての関係者間の信頼を築く重要な一歩となります。

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この記事の監修者

せいた

保有資格:建設業経理士1級、国際会計修士(専門職)、日商簿記2級、宅地建物取引士

大学卒業後、スーパーゼネコンに13年間勤務。
経理や財務に8年間、民間建築工事の現場管理に5年間携わる。施工実績は20件に及ぶ。

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