V2Hシステムと相性の良い電気自動車「bz4x」は、大容量バッテリーと先進技術を搭載した高機能の車です。
工務店では施主がV2H導入と同時に新車購入を検討しており、おすすめの車種を聞かれる機会もあるはずです。
そのようなときの予備知識として、bz4xについて知識を入れておきましょう。
この記事ではトヨタ「bz4x」の概要やV2Hと関連する機能、V2Hと併用するメリット、デメリットを解説します。
また、最後にbz4xの購入に利用できる補助金について紹介します。
目次
トヨタ「bz4x」とは
トヨタのbz4xの概要について解説します。
トヨタとスバルが共同開発した電気自動車
トヨタbz4xとは、トヨタとスバルが共同開発した電気自動車です。
洗練されたデザインと広々としたインテリアだけでなく、先進技術を搭載した電気自動車として注目されています。
試乗したユーザーからは「レスポンスが思った以上に良い」「加速力がある」など、電気自動車への期待以上の乗り心地が評価されていました。(【参考】bZ4X試乗体験者の声 | トヨタ自動車WEBサイト)
bz4xのスペック表
bz4xのスペックをまとめました。
価格はGグレードで550万円から、バッテリー容量は71.4kWhの大容量です。
航続距離はFWDで567km、4WDで551kmと非常に長く、パワフルな電気自動車といえます。
V2H/V2Lに対応しており、太陽光発電やV2Hとの併用にもぴったりな電気自動車です。
車種名 | bz4x |
価格 | 550万円〜 |
バッテリー容量 | 71.4kWh |
航続距離 | FWD 567km 4WD 551km |
電費 | FED 126Wh/km 4WD 131Wh/km |
V2H/V2Lへの対応 | ◯ |
bz4xはV2H対応車!V2Hに関連する機能を解説
bz4xはV2Hに対応しています。
施主がV2Hを導入する際にbz4xの購入を検討している場合に備えて、充電性能などを把握しておきましょう。
充電時間
bz4xの充電時間は以下のとおりです。
200V 3kW(16A) | 約21時間 |
200V 6kW(30A) | 約12時間 |
50kW(125A) | 約60分 |
90kW(200A) | 約40分 |
大容量バッテリーながら、急速充電を使用すれば素早く充電して走行できます。
また、普通充電の場合はタイマー機能を使い、自動での充電の開始が可能です。
バッテリー容量
bz4xのバッテリー容量は71.4kWhと大容量です。
家庭でのエネルギー消費量について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査によると、一般家庭が消費する電力は年間で4,175kWhです。
上記データを元に計算すると、1日あたりの電力消費量は11.43kWhと計算できます。
つまり、bz4xのバッテリー電力をV2Hで家庭に給電すれば、約6日間は電力を供給できます。
東日本大震災で発生した大規模停電においても、8割の世帯が3日以内、8日以内に94%の世帯に電力供給が復旧しています。
過去のデータを参考にしても、bz4xは大停電が発生した際の備えとしても十分なバッテリー容量を備えた電気自動車といえるでしょう。
バッテリー寿命
bz4xのバッテリーには、10年間20万kmの保証がついています。
万が一上記の期間内にバッテリーに不具合が生じた場合は、保証が利用できます。
電気自動車のバッテリーは走行条件などにより変動しますが、最低でも通常利用の範囲であれば10年間は使用できると考えて良いでしょう。
トヨタ「bz4x」をV2Hで蓄電池代わりに利用するメリット
トヨタbz4xをV2Hで蓄電池代わりに利用するメリットを4つ紹介します。
電気代の節約
bz4xをV2Hと併用すれば、電気代の節約になります。
充電スポットでbz4xに充電したエネルギーを家庭へ給電すれば、その間電力会社から電力を購入する必要がありません。
無料の充電スポットを利用すれば、実質無料で電力を家庭へ運べる点も魅力です。
また、太陽光発電を併用している場合は、日中に発電したエネルギーを電気自動車へ充電しておき、夜間に電気自動車から家庭へ給電して電力購入量を減らせます。
災害時の停電対策
bz4xとV2Hの併用で、災害時の停電対策になります。
停電時はV2Hで電気自動車のバッテリーの電力を家庭へ給電できるためです。
bz4xはバッテリー容量が71.4kWhと大容量のため、一般的な家庭の電力(11.43kWh)の約6日分を賄える計算になります。
万が一停電が長引いた場合でも、電気自動車を使って電力が復旧したエリアへ移動し、充電スポットから電力を持ち運ぶことも可能です。
V2Hによる停電対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
電力の有効活用
bz4xのような電気自動車とV2Hの併用で、電力を有効活用できます。
太陽光発電システムを導入している場合に、家庭で使いきれない電力を売電するか、蓄電しておいて夜間に使用する必要があります。
しかし、売電価格は年々下がっており、また卒FITした後に使いきれない余剰電力を無駄にしてしまう可能性があるでしょう。
そこでbz4xのバッテリーを蓄電池代わりに使用すれば、太陽光発電システムで発電した電力を貯めておき、必要な時に利用できます。
劣化に強いバッテリーで安心
V2Hのデメリットの1つとして、充放電サイクルが増加することによるバッテリー劣化が上げられます。
しかし、bz4xのバッテリーは電池の劣化を防ぐ技術を盛り込んで製造されており、V2H利用下での劣化リスクも低いといわれています。(【参考】トヨタ新型EV「bZ4X」、価格競争で勝つ | 日経クロステック(xTECH))
もちろんV2Hを利用すれば、走行のみの場合と比べて充放電サイクルの頻度が増えるため、劣化速度が速くなる可能性は否定できません。
ただし、bz4xは10年間20万kmのバッテリー保証もついているため、安心して利用できるでしょう。
トヨタ「bz4x」をV2Hで蓄電池代わりに利用するデメリット
トヨタ「bz4x」をV2Hと併用する場合のデメリットは、初期費用が非常に高額になることです。
bz4xの購入価格は550万円〜650万円で、電気自動車の中でも高級車の部類に入ります。
電気自動車の購入費用に加えて、V2H機器の購入費用と設置工事の費用、さらに太陽光発電を併用する場合は太陽光発電システムの設置費用がかかります。
V2H本体の費用は80〜100万円程度、設置工事が30万円程度と考えると、電気自動車とV2Hの設置だけで680万円の予算を見ておかなければなりません。
また、太陽光発電システムの導入費用は85〜143万円程度のため、太陽光発電とV2H、bz4xを揃える場合は施主810万円の予算がかかります。
電気自動車を含めて810万円以上の予算がかかる可能性があるため、施主にとってはかなりの負担になる点に配慮しましょう。
施主の負担を抑えるには、初期費用0円で始められる太陽光リースがおすすめです。
太陽光リースの概要については、以下の記事で紹介しています。
また、V2Hの設置費用に利用できる補助金情報も把握しておき、施主に案内できるようにしましょう
トヨタ「bz4x」の購入には補助金が利用可能
bz4xは、電気自動車の購入補助金の対象となっています。
令和5年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」においては、グレードに関係なく最大85万円の補助金が利用できます。
さらに、施主の居住エリアによっては地方自治体の補助金対象となる可能性もあるため、自治体の補助金についても調べておきましょう。
電気自動車の購入に利用できる補助金情報は、以下の記事でまとめています。
まとめ
bz4xはトヨタやスバルと共同開発した最新技術を搭載した電気自動車です。
71.4kWhと大容量のバッテリーを搭載しており、V2Hと併用すれば家庭へ約6日間給電できます。
ただし、高性能の電気自動車であるため本体価格が高額で、V2Hや太陽光発電設備との併用でかなりの初期費用がかかる点は難点です。
施主がbz4xやV2Hの導入費用の高さで導入を迷っている場合は、負担を軽減する補助金についても案内できるよう知識をつけておきましょう。
また、bz4xとV2H、太陽光発電との併用の場合は費用負担の少ない「太陽光リース」がおすすめです。
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