土間コンクリートの施工で施主に提出する見積書の正しい書き方がわからず、手が止まってしまうと悩んでいる方もいるでしょう。
見積書は施主が契約を検討する重要な役割があるため、担当者は正しい書き方を理解しておくことが大切です。
見積書に記載ミスがあると契約後のトラブルにもなるため、十分注意しておくようにしましょう。
当記事では、土間コンクリートの見積書の書き方や記載項目、費用計算、効率化のコツまで詳しく紹介します。
見積書の正しい書き方を理解できるため、ぜひ参考にご覧ください。
目次
土間コンクリートの見積書とは
土間コンクリートの見積書とは、施工作業に必要な費用が記載された書類です。
土間コンクリートの工事では仮設工事や鋤取り、残土処分、砕石敷き込みなどの作業が必要になるため、全体的な工事費用を施主に理解してもらうために見積書が必要となります。
さらに必要に応じて、解体工事の見積書だけでなく工事内容の説明やサービス・保証に関する添付書類も提示します。
施主に送付するケースも多いです。
わかりやすい見積書を作成することで、施主に内容を理解してもらいながらスムーズに土間コンクリートの工事を進められるでしょう。
土間コンクリートの見積書が必要なシーン
土間コンクリート工事を進めるには、多くの作業が必要になるため施主はどれくらいの費用がかかるのか事前に知りたいと考えています。
作業員数が増えるにつれて人件費の単価も高くなるため、事前に費用を伝えておかなければ施主との間にトラブルが発生する可能性が高いためです。
また、外構工事では資材費がかかるため、資材費も見積書に含める必要があります。
そこで全体的な費用についてまとめた土間コンクリート工事の見積書を提示すれば、工事終了後にトラブルを防止できます。
お互いが納得した上で作業を進めるためにも、見積書は必ず用意しておくようにしましょう。
土間コンクリートの見積書項目と書き方
土間コンクリートの見積書項目と書き方として、以下の内容を参考にご覧ください。
基本項目
見積書の基本項目として、以下の項目を記入します。
- 宛名
- 差出人の氏名
- 見積書の通し番号
- 発行日
- 見積りの合計金額
- 見積り内容
- 各項目の小計・消費税・合計金額
土間コンクリートの見積書は作業の各項目を除き、一般的な書き方と同じです。
工事内容について補足説明があるなら、見積書の備考欄に記入してください。
全体に関連する内容や条件などがあれば、備考欄に記入しておくようにしましょう。
見積書の書き方の基本はこちらの記事で紹介しています。
仮設工事
仮設工事は、基礎となる測量などをチェックするための工程です。
土間コンクリート工事を行うために、構造物の位置や高さを測定する工程の費用を記載します。
水盛・遣方・墨出しなどの項目を記載しますが、まとめるか各工程で記載するかは工務店や業者によって異なります。
鋤取り
鋤取りは、地面を整地するための作業です。
地面の不均一になっている部分を綺麗にする工程であり、不要な草や土、植物、石などを取り除きます。
土間コンクリートは車が乗るぐらいの荷重がかかる場合、20cmぐらいの厚みで敷くことが多いです。
コンクリートを流し込むために土を掘る必要があるため、掘削費用を記載します。
鋤取りを適切に行わなければコンクリートが不均一になるため、亀裂やひび割れを防ぐためにも重要な作業となっています。
人力で土を掘るには手間と時間がかかるため、重機を使って進めることが多いです。
残土処分
残土処分は、鋤取りで削り取った土や材料を適切に処分する作業です。
削り取った土を処分するための費用となっており、地域によって処分価格は変動しています。
処分場まで運搬しながら土や材料を廃棄する必要があるため、運搬費用も土処分として含まれます。
残土処分は環境規制や法律に従って行われる必要があるため、違法な処分は厳重に罰せられる可能性があるため注意が必要です。
残土処分は、専門の廃棄物処理会社に依頼して実施されるケースが多いです。
残土は取り除く土の体積が多いほど価格が高くなるため、施主に理解してもらうためにも見積書の備考欄に理由を記載しておきましょう。
砕石敷き込み
砕石敷き込みは、地面を均一にして安定させる工程です。
コンクリートを流し込む前に、砕石を敷く工程にかかる費用となっています。
コンクリートの下の安定した層を作ることを目的としており、砕石を敷いた後に転圧器で押し固めて地面を均一にします。
DIYのコンクリート工事では砕石敷き込みの工程が飛ばされることもあるため、施工ミスを防ぐためにも必ず記載しておきましょう。
インターライン
インターラインは、コンクリートの収縮に伴ってできる亀裂を抑えるために作る溝のことです。
亀裂を防止するために作る溝に関わる費用となっており、目地を装飾するためには追加費用がかかります。
コンクリートは気温や表面の温度と内側の温度差によって体積が変わるため、パネル間または区画間に区切りを作り、収縮や拡張で体積変化を吸収しながらコンクリートの割れや損傷を防ぎます。
見積書では㎡単価で記載されることが多く、業者によっては「一式」とまとめられることも多いです。
土間コンクリート打設
土間コンクリート打設は、コンクリートを打設する工程です。
コンクリート打ちに必要な材料費や人工代となっており、必要に応じて養生費やワイヤーメッシュ代も含みます。
地域により価格が大きく変動しており、30平米分なら約18万円〜20万円程度となっています。
土間コンクリート工事で最も費用がかかる部分なため、単価や相場を理解しながら間違いのないよう記載しておきましょう。
重機回送
重機回送は、土の除去や運搬を行う作業です。
土の除去や運搬に使うショベルカー・トラックなどを輸送と移動・人件費に関連する費用となっており、重機を利用する施工では必ず見積書に記載されています。
インターラインと同じく、重機回送の費用は「一式」として記載されることが多いです。
諸経費
諸経費は、営業費用や保険代、光熱費、保証料などの費用です。
詳細は、業者や工務店の規模によって大きく異なります。
経費を値引きすると利益率にも影響を及ぼすため、適切な費用を記載するようにしましょう。
養生・清掃
養生・清掃は、工事途中の材料や廃材、コンクリート表面の清掃や廃材処理を指します。
業者によっては見積書に含まないケースもありますが、ほかの工程に含めているケースも多いです。
土間コンクリートの見積書の相場と計算事例
土間コンクリートの見積書の相場は工事範囲によって大きく異なり、面積等によって費用が変わります。
上記項目における各単価相場については、下記の表を参考にご覧ください。
| 作業項目 | 単価相場 |
|---|---|
| 仮設工事 | 5,000円〜10,000円 |
| 鋤取り | 600〜1,200㎡(平米) /円 |
| 残土処分 | 5000〜9,000円㎡(平米)/円 |
| 砕石敷き込み | 800〜2,000㎡(平米)/円 |
| インターライン | 2,000〜5,000㎡(平米)/円 |
| 土間コンクリート打設 | 6000〜8500㎡(平米)/円 |
| 重機回送 | 22,000〜35,000円 |
| 諸経費 | 工事金額の10%前後 |
| 養生・清掃 | 数千円~5万円 |
見積書の単価相場は工事内容によって変動するため、作業項目に合わせて適切な価格設定を行うようにしましょう。
土間コンクリートの見積書作成でよくある失敗と対処法
土間コンクリートの見積書作成でよくある失敗と対処法として、以下のようなポイントが挙げられます。
養生費の計上漏れ
養生費とは、土間コンクリート工事の養生の際に既存の建物や周辺環境を保護するために必要な費用のことです。
見積書に養生費を記載していなかった場合、計上漏れのトラブルが発生します。
見積書に養生費の項目を作成し、記載漏れを防ぎましょう。
使用しているテンプレートに養生費が含まれていない場合、自社で項目を追加します。
端数処理の不統一
施工面積や材料費の計算時に生じる端数の処理方法（四捨五入、切り上げ、切り捨て）によって、最終的な見積金額が変動する可能性があります。
自社で端数処理ルールを統一することで、 最終的な見積金額を明確化できます。
土間コンクリートの見積書作成を効率化する方法
土間コンクリートの見積書作成を効率化するためには、以下のような方法があります。
見積り作成ツールの活用
土間コンクリートの見積書を作成するときは、見積り作成ツールの活用をおすすめします。
インターネット上には施工向けの見積り作成ツールが豊富にあるため、初心者でも簡単に見積書を作成できます。
直感的な操作や多機能なツールも多く、柔軟な使い方が可能です。
当メディアが推奨している建築業向け業務管理システム「AnyONE」を利用すれば、見積書の作成だけでなく顧客管理や施工管理、入出金管理なども行えます。
独自の入力・管理しやすい画面で情報を一元化できるため、現場の作業効率を大幅に向上できます。
土間コンクリートの見積書作成を行うときは、ぜひ利用を検討してください。
テンプレート利用
社内でExcelソフトを使用している場合、見積書のテンプレートを使用することで簡単に作成できます。
テンプレートを使用すれば、必要な項目を記載するだけで見積書を作成可能です。
インターネット上から無料でダウンロードできるため、費用は一切かかりません。
すでにExcelソフトを導入しているなら、施工向けのテンプレートを利用するようにしましょう。
まとめ
今回は土間コンクリートの見積書の書き方や記載項目、費用計算、効率化のコツまで詳しく紹介しました。
土間コンクリートの見積書には記載すべき項目が豊富にあるため、内容をまとめながら正しく作成する必要があります。
必要に応じて、解体工事の見積書だけでなく工事内容の説明やサービス・保証に関する添付書類を提示することも大切です。
効率良く見積書を作成したいときは、専用の見積書作成ソフトやテンプレートを導入してください。
当記事で紹介した土間コンクリートの見積りの仕方やおすすめソフトを参考にしながら、施主に信頼される見積書作成を目指しましょう。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。
