太陽光発電システムに加えて、電気自動車を購入してさらに電力を有効活用したいと考える施主も増えています。
工務店にも注文時に太陽光発電システムやV2Hなど、電力活用についての相談が寄せられているでしょう。
この記事では、電気自動車と太陽光発電をセットで使うメリットとデメリット、太陽光発電と電気自動車に加えてV2Hを導入すべき理由、初期費用を抑える方法を説明しています。
目次
電気自動車と太陽光発電をセットで使う5つのメリット
電気自動車と太陽光発電を併用する5つのメリットを説明します。
自家発電の電力で電気自動車を充電
太陽光発電システムで発電した電力で、電気自動車を充電できます。
電気自動車を自宅で充電する場合は、電力会社から購入した電力を電気自動車へ充電するため、電気料金が電気自動車購入前よりも高額になるリスクも。
太陽光発電設備を導入している場合は、自家発電した電力を使って電気自動車を充電できるため、電気料金を抑制できる点がメリットです。
余剰電力を屋外で使用可能
太陽光発電の余剰電力を電気自動車へ充電し、屋外で電力を使用できる点もメリットです。
たとえばアウトドアで家電を動かしたり、災害時の車中泊も可能となります。
太陽光発電システムで自家消費しきれない電力を売電するだけでなく、屋外利用に役立てる選択肢が増える点はメリットです。
電気自動車を蓄電池として利用
V2Hシステムを導入すれば、電気自動車を蓄電池代わりに利用できる点も施主にとってのメリットです。
太陽光システム単体だと、余剰電力を蓄電する場所がないため売電しか選択肢がありません。
電気自動車があれば、余剰電力をバッテリーに蓄電し、必要な時にV2Hシステムを通して家庭へ給電が可能です。
卒FIT対策
太陽光発電システムと電気自動車の併用で卒FIT対策ができます。
そもそもFITとは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことで、太陽光発電で発電した電力を固定価格で買い取る制度のことです。
FIT期間終了後は売電収入を得られなくなり、太陽光発電で得たエネルギーを収益化できません。
太陽光発電のメリットを最大化するために、電気自動車に電力を使用したり、蓄電池代わりに利用して自家消費する方法が有効です。
環境負荷の軽減
太陽光発電システムと電気自動車をあわせて使うと、環境負荷の軽減に貢献できます。
一般的な発電方法である火力発電や原子力発電は、発電時に二酸化炭素を排出し、環境破壊の原因になる点が懸念されています。
一方で再生可能エネルギーは環境負荷をかけず、二酸化炭素を排出せずに発電できる点がメリットです。
太陽光発電システムで発電した電力を活用することで、地球の環境を保護することにつながります。
電気自動車と太陽光発電をセットで使う2つのデメリット
太陽光発電システムと電気自動車の併用はメリットも多いですが、デメリットがある点も施主に伝えておきましょう。
導入費用が高額
太陽光発電システムの導入には100〜200万円以上の費用がかかります。
さらに電気自動車の購入費用相場は200万円以上となるため、施主の初期費用負担が多い点がデメリットです。
各種補助金を利用するとしても、費用負担が高い点はデメリットとなります。
太陽光発電システムの導入費用については、以下の記事を参考にしてください。
V2H機器なしだと節電効果が限定的
太陽光発電システムと電気自動車の併用は、電力の有効活用に役立ちます。
しかし、節電効果の観点ではV2H機器の併用がおすすめです。
V2H機器がないと、電気自動車から家庭への給電ができないためです。
家庭から電気自動車への充電は可能ですが、余剰電力を夜間に利用するなどの活用方法が取れないため、電気料金を抑える効果は低くなります。
電気自動車と太陽光発電に加えてV2Hを導入すべき理由
電気自動車と太陽光発電に加えて、V2Hを導入すべき理由を3つ紹介します。
電気自動車の電力を家庭で利用可能
V2Hシステムを導入すれば、電気自動車から家庭へ電力を供給できます。
一般家庭で使用する電力と、電気自動車の蓄電している電力は電流が異なるため、相互の行き来はできません。
しかし、V2Hにより電流を変換すれば、電気自動車に貯めておいたエネルギーを家庭で使えます。
日中に発電した電力を電気自動車へ蓄電して夜間に利用できるようになり、より節電効果を高められます。
災害対策
太陽光発電のみでは、太陽が出ない夜間や雨天は発電できないため、完璧な災害対策とはいえません。
電力会社からの電力供給が停止した場合でも、電気自動車とV2Hがあれば夜間でも家電を動かすことが可能です。
昼間に太陽光パネルで発電した電力を電気自動車へ蓄電し、夜間に使えば電力復旧期間も不便なく過ごせます。
停電対策についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
電気自動車の急速充電
V2Hシステムの利点は、電気自動車への急速充電が可能になる点です。
家庭用充電器の容量は3kWのため、30kWhの電気自動車を充電する場合は13.3時間かかります。
しかしV2Hの急速充電機能を利用すれば、6kWの出力が可能なため充電時間が半分で済みます。
自宅で効率的に電気自動車を充電できるため、ストレスフリーで電気自動車を利用できるでしょう。
電気自動車や太陽光発電の導入費用を抑える方法
電気自動車や太陽光発電の導入費用は高額であるため、営業担当としても強く勧めづらいかもしれません。
施主の負担を抑えて太陽光発電を導入する方法を押さえておきましょう。
太陽光リースの利用
初期費用なしで太陽光発電を設置できる太陽光リースなら、施主の負担を大幅に減らせます。
太陽光リースとは初期費用なしで太陽光発電設備を設置し、その代わりにリース料を毎月払う契約です。
リース期間は10〜15年程度で、その間施主は太陽光パネルで発電した電力を自家消費し、電気代の節約に役立てられます。
太陽光リースの概要やメリットについては、こちらの記事もご覧ください。
補助金の活用
太陽光発電システムや電気自動車の購入には、各種時補助金が用意されています。
代表的な補助金は以下2つです。
CEV補助金は電気自動車の購入費用に対する補助金で、最大85万円の補助金を受け取れます。
ZEH支援事業は新築住宅に限りますが、太陽光発電システムの補助金を50〜100万円の範囲で受け取れる可能性があります。
その他自治体単位での補助金も利用可能です。
たとえば東京都では、電気自動車の購入費用を最大45万円の範囲で補助しています。(【参考】令和6年度 ZEVの車両購入補助金のお知らせ|東京都)
補助額などは自治体によって変わるため、営業所所在地の自治体の補助金について知識をつけておき、施主に提案しましょう。
まとめ
電気自動車と太陽光発電を併用することで、環境にやさしいエネルギーを有効活用できます。
太陽光発電と電気自動車、さらにV2Hシステムの併用で災害対策もできるため、施主にも大きなメリットがある電力活用方法です。
初期費用が高額になりがちなデメリットを克服するには、太陽光リースも選択肢として施主に提案してください。
太陽光リースなら初期費用無料で、簡易V2Hシステムも同時に導入できます。
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10kW未満の太陽光発電設備を導入した場合、買い取り開始から10年でFIT期間が満了となります。