工程表は現場管理をおこなうために欠かせません。
工程表があれば、適切なスケジュール調整や人員配置ができれば施工を効率的にかつ正確に進められます。
本記事は工程表を作成するうえで基礎となる、作成ツールや作り方のポイント、また工期に遅れが出た場合の対応方法について解説します。
目次
工程表の作成ツール
工程表の作成ツールには以下の種類があります。
それぞれの特徴を押さえて最も合う方法で作成しましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
手書き・紙面 | ・自由なデザインで作成できる | ・データとして残らない ・更新できない |
ワード | ・テンプレートが活用できる | ・表の細かい設定をおこないにくい |
エクセル | ・テンプレートが活用できる ・表の細かい設定やタブの活用が可能 | ・複数人で共同編集しにくい |
スプレッドシート | ・テンプレートが活用できる ・表の細かいやタブの設定が可能 ・複数人での共同編集が可能 | ・権限共有の手間がかかる ・Googleアカウントが必要 |
工程管理ソフト | ・さまざまなフォーマットに対応 ・テンプレートが活用できる ・表の細かい設定やタブの活用が可能 ・複数人での共同編集が可能 | ・有料の場合が多い |
工程表の管理ソフトなら、工程表の作成に限らず顧客管理や売上管理などの機能もあり、業務全体の効率アップにもつながります。
工程表の作り方のポイント
工程表には目的に合った種類や明記しておくべきことがあります。
ポイントを押さえて作成することで現場管理がスムーズになり、イレギュラーが起こった際に対応もしやすくなります。
現場管理をスムーズにおこなうために、作成前に以下のポイントを確認しましょう。
目的に合った種類の工程表を作成する
工程表には目的や作業内容に合わせてさまざまな種類があります。
代表的な工程表に、「バーチャート工程表」「ガントチャート工程表」があります。
バーチャート工程表は、縦軸に「作業項目」、横軸に「時間」を定め、各作業の着手から完了までの日程を表した工程表です。
ガントチャート工程表は、縦軸に「作業項目」、横軸に「進捗率」を定め、各作業の進捗率を図る工程表です。
工事の目的に合った、工程表を選びましょう。
詳しくは、工程表の種類と特徴を説明している記事をご覧ください。
無理のないスケジュールを設定する
工程ごとの期間設定は、無理のないスケジュールを立てることが大切です。
材料や人員確保のなどさまざまな角度から、実現可能かつ効率的なスケジュールに落とし込みましょう。
最初に余裕を持ったお引き渡し予定日や最終社内チェック日を設定すると、逆算して無理のないスケジュールを立てられます。
各工程の担当者を明記する
工程表には、各担当者の役割やタスクを明確にするという目的もあります。
一人ひとりがタスクを明確に把握することで、作業がスムーズに進み、現場での指揮も取りやすくなります。
担当者の能力により進捗率が変わるため、現場の大小なども考慮したうえで慎重に決定しましょう。
工程表の工期に遅れが出たときの対応
工程表を作成したうえで現場管理していても、トラブルや天災などによりスケジュールの変更が必要な場合はあります。
工程表をもとにきちんと現状を洗い出し、対策を練ることで完工日に遅れることなく工事を進めましょう。
イレギュラーなことが起こったときにも工程表は重要な役割を果たします。
ただし、問題が大きい場合や現場だけでは処理ができない問題だと判断したら、無理に自分たちで解決しようとするのではなく、すぐに設計監理者やオーナーに事実を伝え、早急に解決する方法を検討することも必要です。
関係者へ連絡する
まずは施主や職人に連絡を早急に入れ、遅れた事実を伝えます。
工期が遅れた理由とともに今後の対策も伝えることが重要です。まずは社内で現状の洗い出しと今後の対策について協議しましょう。
同じ理由でまた遅れを取ることがないように、以下を明確にすることが重要です。
- 遅れている日数
- 工期が遅れた理由
- 修正後の工期
- 工事の代金の金額変更
工事関係者は、当初のスケジュールに合わせて段取りを組み、他の現場と調整して人員確保しています。
工期遅れにより、工事を請け負えない業者が出てくる可能性もあります。
修正した工程表をもとに、関係者で再調整しましょう。
工程表を組み直す
工程表を組み直す際は、遅れた分をできるだけ取り戻すことができ、かつ実現可能な工程に調整する必要があります。
社内で協議して修正した工程表は、現場関係者に配り、確実に実行できるか話し合いましょう。
また、直接口頭での説明もおこなうことで、現場との認識のズレをなくします。
工期遅れの原因を究明する
原因の追求は今後の再初防止のために最も重要です。
工期が遅れる原因は、天災・資材の納期遅れ・人的ミス・現場での事故・施工方法によるものなどさまざまです。
例えば、資材の納期遅れであれば、発注書の記載ミスなのか発注先の納品ミスなのかを確認し、なぜミスが起こったのかを究明し管理体制を見直します。
現状の素材に対して合わない施工方法を行なっていたのであれば、次回から現地調査のときに素材の確認をチェック項目に入れて再発防止に努めましょう。
まとめ
今回は工程表の作成において基礎となる作成ツールやポイントを紹介しました。
工程表を作成するときは、目的に合った種類の工程表を使用し、無理のないスケジュールを設定するほか、各工程の担当者を明記しましょう。
トラブルが起こった際には、問題の最初を防ぐために原因を究明することが最も重要です。
「誰がどうしたことで問題が生じたのか」「問題を防ぐための根本的な解決策は何か」を深く考え、関係者がより気持ちの良く現場管理をおこなえるよう努めましょう。
また、工程表を作成する場合は、テンプレートの使用や工務店向けの業務効率化ツールがおすすめです。人的なミスを防ぎつつ、スピーディーに工程表を作成できます。
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