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V2Hの普及率が日本で上昇傾向!2024年以降のV2の見通し

V2Hの普及率は日本ではまだ低いものの、ここ数年で上昇しています。

工務店にとってはV2Hの設置工事や機器導入を勧めるチャンスでもあるでしょう。

この記事では、V2Hの普及率が日本でまだ低い理由と今後上昇する見通しについて解説します。

こちらの記事はこのような方におすすめです
  • V2Hの普及率が今後上がるか知りたい
  • V2H機器や太陽光発電システムの販促のため、電力活用の正しい知識をつけたい
  • 施主にV2Hが今後普及していく見通しを伝えたい

V2Hの普及率は年々上昇中

V2Hの普及率は年々上昇中

V2Hの普及率は0.6%程度といわれており、割合としてはまだ普及している家庭は多くありません。

諸外国に比べると電気自動車の普及率は低く、電力活用の仕組みは広く一般に広まっていないことは事実です。

現状では日本での新車に占める電気自動車の割合はわずか3.6%ですが、販売台数は年々増加しています。

ニチコンの蓄電システム、V2Hシステムの紹介と VPPへの取り組み状況によると、2022年時点のV2H累計販売台数は1万台程度ですが、2023年時点では2万台です。

つまり、2022年度からV2Hへの注目度は増しており、購入者は増加傾向にあります。

日本でV2Hの普及率がまだ低い7つの理由

日本でのV2Hの普及率がまだ低い理由を紹介します。

日本でV2Hの普及率がまだ低い理由
  • 電気自動車を所有している人が少ない
  • V2Hシステムの認知度が低い
  • 初期費用が高額である
  • 日本政府は2030年までにV2H機器を含めた急速充電器の増設を目指す方針
  • 電気自動車への関心度の高さ
  • 高騰する電気料金への意識の高まり
  • 補助金の拡充

電気自動車を所有している人が少ない

日本でのV2H普及率が低い理由は、電気自動車の所有者が少ないためです。

V2Hシステムは電気自動車のバッテリーを使い、電力を活用する仕組みであるため、電気自動車を持っていなければ導入できません。

【2024最新版】世界の電気自動車(EV)の動向は?普及率から総台数、販売台数まで解説によると、2023年時点の新車販売台数における電気自動車の比率は3.6%と同じアジア圏の中国が38%、韓国が7.9%であることを考えても、かなり低い割合です。

電気自動車がより普及していくことで、V2Hを検討する世帯も増えると予測されていますが、まだまだ「電気自動車は稼働できる距離が短い」などの偏見もあり、日本では十分に電気自動車が普及していません。

ただし、日本でも電気自動車の所有者数は年々増加しています。

2017年2018年2019年2020年2021年2022年
乗用車91,357105,919117,315123,706138,325162,387
軽自動車18,80818,85819,24220,18621,16164,187
合計111,679126,289138,120145,763161,363228,977
引用:EV等 保有台数統計資料。CEV、EV・PHV用充電設備、V2H充放電設備、外部給電器、水素ステーションの補助金交付を行う次世代自動車振興センター

日本の電気自動車(乗用車)の利用者数は2017年の91.357台と比べると約2倍になっており、2022年時点の統計では162,387台、軽自動車は18,808台から64,187台と3.5倍です。

今後、電気自動車の普及が進めば、バッテリーの活用法としてのV2Hに関心を持つ人が増えていくでしょう。

V2Hシステムの認知度が低い

V2Hシステムを認知している人がまだ少ないことも、V2Hの普及率が低い原因の1つです。

少々古いデータですが「2012 年度太陽光発電システム採用者の意識調査」によると、V2Hを詳しく知っている人はわずか3%、概要を知っている人は31%、存在は知っている人が44%という結果でした。

2024年時点ではV2Hシステムの認知度は以前よりも上がっていることが予想されますが、多くの人は「V2Hの存在は知っているが、概要がわからない」状態で止まっていることが推測されます。

概要を知らないため、実際に導入の検討に踏み切れておらず、普及率は低くなっています。

しかし、工務店にとってはこの状況はチャンスでもあります。

V2Hを認知はしているが、概要がわからない層に向けて、V2Hのメリットを解説することで認知を関心に、さらに導入を検討する段階に引き上げられる可能性があるためです。

施主に向けてV2Hの有用性をアピールし、太陽光発電システムやV2H設置の契約につなげると良いでしょう。

初期費用が高額である

V2Hシステムの概要まで理解している層も、その初期費用の高さに導入ハードルを感じており、導入に至っていない場合も考えられます。

V2Hの導入にはV2H機器の購入と設置工事の費用に加えて、電気自動車も必要です。

V2H機器の導入には初期費用が100万円程度、電気自動車は最低でも250万円以上と高額であるため、気軽に導入はできません。

また、電気自動車の購入費用に対しての補助金への認知度は、車メーカーの積極的なCMなどによって認知されていますが、V2H関連の補助金を知らない施主もいます。

工務店側でも補助金利用が可能なことをアピールして、導入ハードルを下げる工夫が必要です。

V2H機器の導入費用については、こちらの記事をご覧ください。

V2Hの普及率は今後上がっていく見通し

V2Hの普及率は今後上がっていく見通し

現状低い水準であるV2Hの普及率は、今後上がっていくと予想されます。

その理由を4つ紹介します。

V2Hの普及率は今後上がっていく見通し
  • 日本政府は2030年までにV2H機器を含めた急速充電器の増設を目指す方針
  • 電気自動車への関心度の高さ
  • 高騰する電気料金への意識の高まり
  • 補助金の拡充

日本政府は2030年までにV2H機器を含めた急速充電器の増設を目指す方針

日本政府はカーボンニュートラルを目指し、2030年までに急速充電器の設置を目指す方針です(【参考】第7回 充電インフラ整備促進に関する検討会 事務局資料

急速充電器とは電気自動車の充電設備のことで、その中にはV2H機器が含まれます。

また、急速充電器の増設により電気自動車を購入する際の利便性が上がるため、より多くの人に電気自動車が普及し、比例してV2Hを導入する人も増えるでしょう。

電気自動車への関心度の高さ

電気自動車の販売台数は増加傾向にあり、また多くの人が電気自動車に関心を寄せていることは事実です。

電気自動車はガソリン車と比べて走行距離が短いといわれていましたが、バッテリー容量が増えたこともあり、近年は走行距離が延びています。

そのため、性能自体はガソリン車と遜色ない製品が増えており、その事実が普及すれば電気自動車への乗り換え数も増えるはずです。

また、ハイブリッド車を購入した人が、買い替え時に電気自動車へ移行する可能性も高いでしょう。

高騰する電気料金への意識の高まり

平均モデルの電気料金|数表でみる東京電力
引用:平均モデルの電気料金|数表でみる東京電力

ウクライナ侵攻開始による燃料高騰の影響もあり、電気料金の単価は年々上昇しています。

家計への影響を考慮し、高額の初期費用をかけても長期的に電力を活用し、電気料金を節約できるV2Hへの関心が高まっています。

太陽光発電システムが節電に役立つ事実は広く認知されているため、それに付随する節電対策としてV2Hを検討する人も増えるでしょう。

V2Hによる節電効果については、こちらの記事で解説しています。

補助金の拡充

V2H関連の補助金は拡充してきているため、より多くの人が制度を知れば、V2H機器の導入ハードルが下がるでしょう。

電気自動車の購入と合わせた補助金の利用で、より安価にV2Hシステムを設置できるためです。

また、太陽光発電や蓄電池関連の補助金も併用すれば、さらなる電力活用が可能です。

V2H関連の補助金は、こちらの記事で紹介しています。

まとめ

V2Hの普及率は0.6%、電気自動車の新車販売数に占める割合は3.6%です。

日本ではまだ電気自動車やV2Hが普及しているとはいえませんが、数年前と比べて関心は高まっており、徐々に普及率は上がっています。

工務店側でも今後V2H関連の問い合わせが増えることに備え、電力活用方や補助金について、より知識を深めておきましょう。

例えば、電力活用方法の1つとして、太陽光発電との併用がおすすめです。

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