PROCES.S(プロセス)は、建設・工事業ERPシステムです。
本記事では建設・工事業に特化したERPシステム『PROCES.S』の機能や特徴、口コミ・評判について解説します。
建設業特有の経理・会計業務を効率化したい方は、ご一読ください。
PROCES.Sとは?
PROCES.Sは建設業を営んでいる本社・現場業務を一元的にサポートするERPシステムです。
導入の目的や自社の課題に合わせて、さまざま機能を組み合わせて導入できます。
債務管理や原価・発注管理、給与・労賃管理や販売管理、現場原価管理など建設業に必要な業務を一気通貫でおこなうことが可能です。
約350社への導入実績があり、多くの企業が抱える課題や悩みを解決してきた経験があるため、初めてITシステムを導入する会社でも、安心して使用できるでしょう。
また、クラウドにも対応しているため外出中でも業務の進捗確認が可能で、空き時間を無駄にしません。
会社概要
PROCES.Sの設計・開発・販売をおこなっている株式会社内田洋行ITソリューションズは、1969年3月8日に設立されました。
会社概要は、下記を参照ください。
会社名 | 株式会社内田洋行ITソリューションズ |
代表者 | 代表取締役社長 新家 俊英 役員紹介はこちら |
本社所在地 | 〒105-0004 東京都港区新橋6丁目1番11号 Daiwa御成門ビル TEL:03-5777-6621 FAX:03-5777-6620 |
資本金 | 4億6,000万円 |
事業所 | 東京 札幌 仙台 新潟 静岡 名古屋 金沢 大阪 他全21拠点(2021年7月現在) 各オフィスの住所・地図はこちら |
会社設立 | 1969年3月8日 |
従業者 | 632名 / 2022年7月現在 |
決算 | 7月20日(年1回) |
株主 | 株式会社内田洋行 |
主要販売先 | 流通業、製造業、卸売業、建設業、福祉施設、地方自治体、学校ほか |
事業内容 | 1.情報処理機器・通信機器およびこれらの周辺機器・関連機器の開発、販売、保守サービス 2.ソフトウェアの開発、販売、保守サービス 3.情報処理システム運用に関する要員の指導、養成、教育 4.情報システムに関するコンサルティング、電気通信事業並びに情報処理サービスおよび情報提供サービス 5.事務用・印刷用機械器具および事務用品の販売、保守サービス 6.情報機器並びにソフトウェアのリース業およびレンタル業 7.事務機器並びに什器備品のリース業およびレンタル業 8.前各号に付帯する一切の業務 |
PROCES.Sの機能
PROCES.Sの豊富な機能は、下記の3つに大別されます。
基幹系モジュール
基幹系モジュールに分類される機能は下記の10機能です。
財務・債務管理
財務・債務管理の対象は、自社だけでなく関係会社やJVも含まれます。
工事一覧から完成振替対象工事を選ぶだけで自動仕分けが可能です。
自動仕分けされるデータの例は、下記を参照ください。
- 業者管理の支払いデータ
- 入金管理の入金データ
- 手形管理の手形決済データ
また、仕分けのパターン登録がおこなえるため、毎月発生する決まった科目を何度も入力する必要はありません。
電子帳簿に対応しているため、仕訳入力で登録された仕訳は都度修正履歴として管理され、いつでも管理画面で修正履歴の確認が可能です。
協力業者ごとに下記の情報を登録できるため、支払い処理でのミスを軽減します。
- 締日
- 支払い日
- 支払い条件(現金比率・手形比率・手形サイト・預り金・保留金など)
業者ごとの注文書は、諸条件を元に支払い金額が自動計算され支払い予定表が作成されます。
さらにエクセル形式での決算書出力をおこなえ、エクセルデータを修正すれば使い慣れたレイアウトで決算書を作成可能です。
原価・発注管理
登録できる工事の項目は下記の通りで、きめ細かい工事管理のサポートをします。
- 工事番号
- 現場名
- 発注者
- 元発注者
- 施工日
- 完成予定日
- 竣工日
自社の管理手法に合わせて「工種別・原価要素別・内訳別」に実行予算を入力できます。
請求書処理は注文書入力と連動するため、効率的な処理が可能です。
工事請求書入力された請求データは「財務・債務管理システム」と連動し、経理データとして自動で仕訳伝票を作成されます。
請求・入金管理
工事ごとの請求入金予定で資金計画を策定します。
各工事の請求・入金予定を前もって入力ができるため、請求漏れや入金漏れを発生させません。
分割請求もおこなえ「現金・手形・相殺」金額の入力で、月別の入金が「現金・手形・相殺」別に把握可能です。
また請求先ごとに入金管理ができ、入金額や請求残額の把握が容易で入金データは「財務・管理システム」とも連動します。
手形・期日払い管理
決済された手形データは、財務システムと連動し仕訳伝票を自動発行します。
手形の分割は、残額を確認しながら簡単入力がおこなえ、自動で最適な分割で計算させることも可能です。
印紙代を自動で最適化させることもできます。
決済手形データ(受手・支手)の決済伝票は自動仕訳されるため、手間が掛かりません。
JV管理
JV工事特有の管理業務に対応しています。
JV会社として決算処理や支払いも可能です。
原価管理では、共通工事原価の中で自社負担分の金額を自社分の仕訳に振り替える仕訳伝票が作成できます。
処理の方式は下記2つから選択可能です。
- 単独会計方式
- 非単独会計方式
構成比率に応じて、出資金請求が自動でおこなえ請求書が発行されます。
自社の取り分はの振替データは自動作成されるため、データ作成の手間が掛かりません。
営業・案件管理
案件の受注予定を管理し、早期に利益を予測します。
案件を受注確度によるランク付けがおこなえ、受注見込みを管理可能です。
人事管理
工事担当者の下記のような人材情報を管理できます。
- 工事経歴
- 資格
- 辞令の履歴
客先より上記の情報提出を求められた場合、各種紹介画面で確認の上すぐに対応可能です。
給与・労賃管理
財務・管理システムと連動しているため、同じデータを何度も入力する手間が掛かりません。
個人別に「支給・控除」項目を設定できるため、一度設定すれば効率的な入力ができます。
固定資産管理
固定資産・リース資産の管理が可能です。
登録画面から下記のような一連の作業ができます。
- リース資産の「移動」
- リース資産の「分割」
- リース資産の「除却」
- リース資産の「増加償却」
労災管理
労災申請をシステム化し申請作業の負荷を大幅に減らせ、概算保険料変更も柔軟に対応できます。
保険料率は自動で選択されるため、最適な保険料支払い額の設定を短時間でおこなうことが可能です。
労災の保険料支払いに関する仕訳伝票は、自動で作成されます。
業務特化モジュール
業務特化型モジュールに分類される機能は下記の2つです。
販売管理
物販費と工事に使用する材料費の管理が可能です。
工事で材料と使用する場合は、下記2通りの仕訳方法があります。
- 材料費/工事未払い
- 材料費/商品(販売仕入れからの振り替え)
販売データは仕訳として財務に連動するため、販売と工事の実績を合算して処理がおこなえます。
入金・支払いは仕訳処理にて販売との連動が可能です。
支払いは下記の科目を設定すると、販売・工事の支払いを同時におこなえます。
- 買掛金
- 工事未払い
- 立替金
- 預り金
現場原価管理
現場の個別原価管理から本社の原価管理まで一気通貫でおこなえます。
- 実行予算作成
- 発注管理
- 出来高査定
現場の原価管理に必要な機能がまとまっているため、他のシステムと併用する必要はありません。
本社は、現場の原価管理をリアルタイムで共有できるため、すぐに経営判断資料に反映できます。
情報系モジュール
情報系モジュールを構成している機能は、下記の2つです。
ワークフロー
基本システムとシームレスに連動し、仕訳伝票・請求書・工事請求書の承認申請から承認までをスムーズにおこなえます。
また、用途別に承認経路を設定できるため現在定着している業務の流れに合わせた承認経路を作ることが可能です。
ファイル管理
社内に分散している紙をデータ化し工事単位に集約・管理できるためペーパーレス化につながります。
また、PDF出力した原価帳簿・給与明細などを直接アップロード可能です。
PROCES.Sの特長
PROCES.Sの特徴は、下記の3つです。
導入・浸透しやすい仕組みとなっています。
約350社への導入実績
PROCES.Sはこれまでに約350社への導入実績があります。
多くの導入実績があり、顧客の要望に応えてきた実績やノウハウを持っているため、ITツールに詳しくない方でも安心して導入できるでしょう。
段階的な導入
PROCES.Sは段階的な導入が可能です。
必要最低限の構成から導入し使用感や業務への適合を確認できます。
クラウド対応
クラウドに対応しており、外出先からでもスマホやタブレットがあれば場所と時間を問わず、財務や工事情報を確認できます。
経営者や管理者はリアルタイムで、現場ごとの利益率や進捗状況、実際原価を調べることが可能です。
PROCES.Sの料金
PROCES.Sの料金は「クラウド版」「オンプレミス版」の2種類があります。
- クラウド版:100,000円/月~
- オンプレミス版:5,000,000円/月~
【参考】建設業向けERP「PROCES.S」のエンタープライズ版を新たに拡充
上記の料金はパッケージ利用料のみで、カスタマイズ・サポート別・税別です。
カスタマイズを希望の方やサポート料まで含めた料金を知りたい方は、お問い合わせが必要です。
PROCES.S導入の流れ
公式サイトに導入の流れの説明はありませんでした。
導入の入り口は下記の3つです。
お問い合わせ
資料請求
デモ依頼
動作環境は下記を参照してください。
- Windows Server2016、SQL Server 2016、メモリ16GB以上推奨
- クライアントWindows10、メモリ4GB以上推奨、IE 11
PROCES.S利用者の本音をチェック!
PROCES.Sの利用者は、どのような本音を持っているでしょうか。
導入前に口コミ・評判をチェックしましょう。
PROCES.Sの良い口コミ
現場の担当者は平均年齢が50~60歳と高く、最年長は70代。最初はPROCES.Sの導入に猛反対されましたが、会社にメリットがあるということをきちんと説明したことで、今は慣れてもらうことができています。
【引用】フジタ道路株式会社様-導入事例一覧
帳票を従来の書式に合わせてITSさんに細かく調整してもらえたことも、社内であまり混乱が起きずに受け入れられた要因だったと思います。
PROCES.Sの悪い口コミ
・エラーチェック処理、エラーチェックがちゃんと実装されておらず、エラーが発生した場合もちゃんとメッセージが出ないため、エラー解消に時間がかかる。
【引用】PROCES.Sのレビュー(口コミ・評判)-ITreview
・マスタ管理機能でファイル出力機能がない。そのため、マスタ管理画面を見て対象のマスタを探し、1つずつ編集しなければならないため、管理がとてもしにくい。
・ワークフローもとても使いづらい。
結論:PROCES.Sの総合評価は★★☆☆☆
「ITが苦手な年配の方でもシステムを受け入れている」との声もあります。
PROCES.Sは段階的な導入だけでなく、カスタマイズにも対応可能です。
現在の業務フローにシステムを近づけたい場合は、一度担当者へ相談することをおすすめします。
一方で「エラー解消に時間が掛かる」「ワークフロー」が使いづらいとの声もありました。
PROCES.Sは、使い勝手の良いシステムですが、すべての会社に合うシステムとは限りません。
デモや必要最小限の構成で段階的な導入などで、使用感を確かめてから本格導入するなど対策が必要です。
まとめ
PROCES.Sは、工事業を営んでいる本社・現場業務を一元的にサポートするEPRシステムです。
さまざまなシステムを組み合わせての導入が可能で、業務フローとの相性やコストパフォーマンスを確認してから本格導入することもできます。
債務管理や原価・発注管理、給与・労賃管理や販売管理、現場原価管理など建設業に必要な業務を一気通貫でおこなうことが可能です。
導入実績が350社以上あるため「カスタマイズでより使い勝手の良いシステムを求めている会社」「ITシステムの導入が初めての会社」どちらの会社にも対応できるノウハウを持っています。
クラウドにも対応しており、経営者や管理者は経営判断に必要なデータをリアルタイムで確認可能です。
PROCES.Sは建設業の業務を一気通貫でおこなえますが、工程表作成などの工務店業務に一部対応していません。
工務店業務も含めて業務効率化を図りたい場合は、業務効率化システムの導入をおすすめします。
建築現場博士がおすすめする工務店・建築業界の業務効率化ソフトはAnyONEです。
導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
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また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
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