工事日報は、多くの企業がエクセルを使って作成・管理しているため、業務効率が上がらないという問題を抱えています。
本記事では、工事日報がなぜ重要かにはじまり、効率よく作成・管理できるツールとして、システムやアプリ活用の有効性について詳しく説明します。
目次
建設業界の工事日報とは
工事日報は、日々の業務状況を把握するための報告書です。
建設業に属する会社なら、毎日工事日報を作成する場合が多く、きちんと管理されていれば会社に大きな利益をもたらす資料となります。
工事日報とはどういうものか、下記に注目して説明します。
工事日報が必要な理由
工事日報は、会社の労務管理やコスト管理をする上で重要な報告書です。基本的に毎日作成し、上司などの管理職が確認します。
毎日作成することは、面倒に思われますが、現場の情報をきちんと把握できれば、結果的に会社の利益につながります。
工事日報は、基本的に全員が作成するため、「従業員が適切に働けているか」を知ることができます。
問題があると判断されれば、労働環境を改善しなければなりません。
例えば、その日の業務内容や残業時間などから、人手不足とわかれば人材を増やすことを検討できます。
逆に当初想定していた工数より少なくて済むなら、人件費を削減できます。
人件費は特に、全体のコストに占める割合が大きいため、工数管理を適切におこなうことは、コスト管理につなげられます。
工事日報の内容
工事日報には、何を記載すればいいでしょうか。
工事日報の書式や内容は、会社ごとに違います。
そのため、建設業界で統一されたフォーマットは存在しませんが、代表的な項目は下記のとおりです。
- 工事現場名
- 記入者名
- 日付
- 目標
- 作業時間
- 作業箇所
- 作業内容
- 休憩や残業時間
- 資材搬入記録や機械作業記録
- 鼻腔
- 上司コメント
これらの内容が毎日報告されることにより、管理職は労務管理とコスト管理を適切におこなうことができます。
よく使われる工事日報作成
工事日報の作成ツールとして、よく使われるのはエクセルです。
エクセルが好まれる理由は、自分たちの使いやすいようにテンプレートをカスタマイズしやすいことや、新たに難しい技術を覚えなくてもすぐに業務に取り入れることが可能だからです。
テンプレートを無料でダウンロードできるWebサイトも多く、それだけエクセルが工事日報作成ツールとして建設業界に浸透していることがわかります。
工事日報作成にエクセルは非効率
近年エクセルで工事日報を作成することは非効率であり、改善することが望ましいと考えられています。
エクセルを使うことにより、どのようなことが非効率だと考えられるのか、下記に注目して説明します。
作成場所が限定される
エクセルで作業日報を作成・管理する場合、会社のサーバーを使う場合が多くあります。
そのため、建設現場から作業終了後、工事日報作成のためだけに会社に移動しなければなりません。
このようにエクセル頼りになると、作業場所が限定され、長時間労働の原因となります。
情報共有が難しい
エクセルの工事日報は、ファイルをひとつずつ開くため手間がかかります。
せっかく周知したほうがいい重要な情報が書かれていても、会社でしか閲覧できず、加えて目的のエクセルを探すのに一苦労となれば、関係者全員への情報共有は難しくなるはずです。
工事日報は、上司だけが確認して終わりとなり、下手をすると上司への報告書という機能のみとなってしまいます。
タイムリーに確認できない
社内サーバーを使うことが多いエクセルは、会社内という限定された場所でしか確認できません。
業務日報は、上司が必ず確認しますが、上司が出張や外出先から直帰するなど会社に戻れない場合は、その日のうちに業務日報を確認できない可能性があります。
せっかく、急ぎで知らせたい情報を工事日報に記載しても、タイムリーに見てもらえないと業務の改善ができないため、意味を成さないかもしれません。
工事日報はシステムやアプリ活用が効率的
建設業界に特化したシステムやアプリを活用することで、先述したエクセルの非効率的な部分を補うことができます。
建設業界の業務を一元管理できるシステムの中には、工事日報が作成できる機能を備えているものもあります。
中にはシステムに連動した日報作成アプリをスマホで利用できる場合もあるため便利です。
工事日報のみに特化したアプリも存在し、エクセルの非効率性を解消できるツールとなります。
自社の業務を全体的に効率化させたいのか、工事日報の作成にのみ特化させたいのかによって、システムとアプリのどちらを導入するべきか考える必要がありますが、どちらも業務効率化に有効な手段です。
それでは、システムやアプリを活用することで、実際業務にどのような影響があり効率的になるのか、下記に注目して説明します。
工事管理システムの詳しい解説は下記の記事を参考にしてください。
時間と場所を問わない
作業日報の作成・管理のためにシステムやアプリを利用する最大のメリットは、場所と時間を問わないことです。
エクセルを利用すると、社内サーバーを利用することがほとんどですが、システムやアプリはクラウドサービスが主流です。クラウドサービスの場合、ユーザーがサーバーなどを用意しなくてもインターネットを通じて必要なサービスを利用できます。
インターネットにつながる環境さえあれば、会社にいなくても業務終了後の現場で工事日報の作成が可能です。移動時間がなくなり、業務時間の大幅な短縮につながります。
クラウドシステムについては、下記の記事を参考にしてください。
素早い情報共有
工事日報の情報は、クラウド管理が多いため、上司や管理職も場所と時間を選ばず日報確認がおこなえます。
主張中や外出先から直帰しても、インターネットがあればタブレットやスマホを利用し、簡単に工事日報にアクセスできます。
また、システムやアプリなら、過去にあった事例を探しやすいため、エクセルの工事日報より、問題点の改善がより早くなることが期待できるでしょう。
円滑なコミュニケーション
チャット機能つきの工事日報システムやアプリなら、上司やチーム内でコミュニケーションがとりやすくなります。
普段SNSを利用している感覚で気軽にメッセージが送れるということは、 工事日報のほかに、ちょっとした連絡、共有したいことまで気軽にやりとり可能です。
上司やチーム内でコミュニケーションが円滑になれば、それぞれのコンディションがわかりやすくなります。
このことが、働きすぎや事故を防ぐことにつながると期待できます。
工事日報システム・アプリ選定のポイント
工事日報をシステムやアプリを導入して作成管理する場合、どのようなことに気を付ければいいでしょうか。下記3点をあげて説明します。
操作性がいいか
実際にシステムやアプリを使う現場の従業員にとって、操作性のいいものを選ぶことが重要です。
導入の決定は、会社の管理職や経営者ですが、従業員にとって使いにくいものだと、かえって業務効率を下げかねません。
システムを導入する場合、工事日報以外の業務も管理するツールを搭載している場合があります。
このような建設業務を一元管理できるシステムの場合、システム会社によって得意分野があるため、工事日報の機能が充実しているシステムを選ぶ必要があります。
また、日報作成アプリを選ぶ場合は、必ず建設業界向けに開発されたものを選ぶことが大切です。
日報は、建設以外の業界も作成しているため、建設業に特化して開発されたアプリでないと内容が適さない場合があるかもしれません。
セキュリティー対策
システムやアプリで日報作成をおこなうと、パソコンだけでなくタブレットやスマホからも操作できるため、大変便利です。
しかし、どこでも社内の情報を扱えるということは、セキュリティーがしっかりしていないと情報漏えいの危険があります。
システムやアプリによっては、決まった端末からしか利用できないセキュリティー機能を有すものもあります。
また、アクセス制限などをかけられる機能がついている場合もあるため、どのくらいセキュリティー対策がされているかを確認してから導入しましょう。
サポートサービスの充実
システムやアプリを導入した際、わからないことを聞けずにいると不安になるはずです。
そのため、サポートサービスが充実しているシステムやアプリを選ぶことをおすすめします。
ユーザーのために操作説明会を実施してくれるサービスや、運用開始後も問題点や疑問点があったときに質問できるサポートサービスがあれば安心できるはずです。
まとめ
建設業界は、多くの会社がエクセルを利用した工事日報の作成・管理をおこなっています。
しかし、エクセルは社内サーバーにて管理されていることが多く、工事現場から会社に戻らないと作業ができないなど業務効率に問題点があります。
タイムリーに内容が確認できないため情報共有が遅れるといった問題を改善するために、システムや工事日報作成に特化したアプリの利用がおすすめです。
工事日報は、労務管理やコスト管理ができる貴重なデータであり、効率よく管理できれば、必ずや会社の利益につながります。
自社に適したシステムやアプリを導入して、業務効率化を目指しましょう。
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また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
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