エクセルで施工管理に関する書類を作成できます。
難しく思えますが、最近は便利なテンプレートも無料で展開されており、施工管理をエクセルでおこなうハードルは比較的簡単です。
今回は、エクセルで作成できる施工管理に関する書類一覧と作り方、エクセルで施工管理をおこなうメリットとデメリットを解説します。
目次
エクセルで作成できる施工管理書類
施工管理に欠かせない書類をエクセルで作成できます。
ここからエクセルで作成できる書類の概要と作り方を解説します。
エクセルで施工管理を始めたい方は参考にしてください。
工程表
エクセルで工程表を作成できます。
工程表には以下の種類があり、いずれもエクセルで作成可能です。
- ガントチャート
- バーチャート
- ネットワーク工程表
ガントチャート・バーチャートは比較的簡単に自作でき、ネットワーク工程表もエクセルに付帯されている記号を活用して作成可能です。
エクセルに必要な工事現場の情報や作業一覧、日付や進捗率を入力するだけで作成できます。
数式やマクロに明るい担当者がいれば、入力に応じて自動で進捗率を計算する高度な表も作れるでしょう。
エクセルで工程表を作る方法の詳細は以下の記事で紹介しています。
実行予算書
施工管理において実行予算の管理は非常に重要です。
実行予算書もエクセルで作成できます。
エクセルはセルに入力したデータの集計や自動計算ができるソフトであり、予算管理向きです。
- 材料費
- 労務費
- 外注費
- 経費
実行予算書には以上の4つの項目を記載し、見積もりをもとにして予算の作成と実際にかかっている費用と比較します。
以下の図は一例ですが、簡単な罫線を使用して表を作りました。
手作りする場合には、必要な項目を罫線で引き、入力します。
金額の見積額と実際にかかった経費を書き込んで、最終的に差額を計算できるようにしておきましょう。
差額の部分には以下の数式を使います。
= ”見積原単価総額” – ”原単価総額”
上記の数式を使用すれば、見積との差額が簡単に計算できます。
多少複雑で、数式の知識も必要となるため、テンプレートを利用すると便利です。
工事台帳
案件別のコストを把握するために欠かせない工事台帳もエクセルで作成できます。
原価の計算を効率化し、書類提出する際のエビデンス(根拠)にもなるでしょう。
工事台帳も数式を使うと自動計算できるため、エクセルでの作成は非常に効率的です。
工事台帳の概要と作り方については以下の記事で紹介します。
施工管理書類をエクセルで作成する方法
施工管理の書類をエクセルで作成する方法は2つあります。
自社の書類形式に合わせたものを作りたいなら自作する必要があり、形式にこだわらず簡単に施工管理書類を作りたいならテンプレートの利用がおすすめです。
それぞれの方法を説明します。
自社で1から作成する
エクセルで新規ファイルを作成し、自社の書類様式に合わせた施工管理書類を作成できます。
先ほど実行予算表を作った時のように、セルへ必要項目を入力し、数式を活用して自動計算機能を使いましょう。
数式を入れれば手作業での計算が不要となり、効率的かつ正確に計算できます。
ただし、数式の知識がない企業や工務店では、作成自体が難しいかもしれません。
自社のリテラシーに合わせて自作とテンプレートを使い分けるといいでしょう。
テンプレートを利用する
最も簡単な方法は施工管理書類のテンプレートを利用することです。
テンプレートはすでに書式の体裁が整っており、自作する必要がありません。
項目を増やしたり、内容を変更するだけで書類作成ができ、圧倒的に効率的です。
施工管理関連の書類のテンプレートは無料で公開されており、コストを抑えて施工管理ができるでしょう。
「AnyONE」では工務店向けの無料エクセルテンプレートを多数公開しています。
無料でダウンロードできるため、今すぐ簡単に施工管理書類が必要なら使ってみてください。
エクセルで施工管理するメリットはコスト削減
施工管理の書類をエクセルで作成すると、コストを大幅に下げられます。
施工管理のためにシステム導入を検討しているが、コスト面がハードルになっている工務店の方は、まずはエクセルから施工管理を始めるといいでしょう。
システム導入費用が不要
施工管理システムを導入すると、初期費用や月額利用料が必要です。
しかし、すでにエクセルを利用しているなら導入コストがかかりません。
先ほど紹介した無料テンプレートを利用すれば、費用をかけずに施工管理を効率化できます。
施工管理を安く効率化してみたいなら、エクセルで始めるといいでしょう。
操作に慣れたシステム
新システムを導入すると、現場に混乱が生じやすくなります。
操作に慣れるまでの期間はミスが起きやすく、また従業員に定着させるための社内研修も必要です。
しかし、すでにエクセルを利用している工務店であれば研修もなく、すんなりと運用を開始できます。
従業員が操作性自体に慣れていることも、エクセルのメリットでしょう。
テンプレートを利用すれば数式への知識も不要
施工管理の書類を自社で手作りすることは難しいですが、便利なテンプレートを利用できることも利点です。
テンプレートはがすでに完成しているため、自社で工夫をして体裁を整える必要がありません。
また、テンプレートによってはすでに数式が入っていて、自動計算できるものもあります。
自社でエクセルを扱うスキルに長けた人がいなくても、簡単に使い始められるでしょう。
エクセルでの施工管理の課題は業務効率
エクセルでの施工管理書類作成には利点が多い一方で、業務効率を追求するなら不十分といえます。
どのような点で非効率なのかを説明します。
複数のファイルを保管・管理する必要性
エクセルで施工管理する場合、現場ごとに複数のファイルを作る必要があり、管理が煩雑です。
フォルダ毎に分けて管理できますが、施工管理の書類が増えるほど管理に不便を感じるでしょう。
人為的ミスの増加
エクセルの入力は人力でおこないますが、入力項目のチェック機能は搭載していません。
誤入力により計算結果が異なる可能性もあります。
また、管理している作業ファイルを誤って削除したり、入力してある数式を作業者が消すリスクも考えられるでしょう。
エクセルは手作業でおこなう部分が多く、自動チェックが難しいためミスを防止しにくいです。
オンライン共有の問題
エクセルはオンライン共有機能に長けていません。
社内で工程表などを変更してもリアルタイムで情報が伝わらず、作業員が外部から閲覧するためには不便です。
また外部からの編集も難しく、社内ネットワークに入っていないとセキュリティ上操作できません。
外部から作業できないため事務所へ戻る手間が生じ、効率化を妨げます。
エクセルを扱える人員への属人化
数式などを利用すればエクセル作業は効率化します。
しかし、数式を熟知して扱える人員に作業が依存し、属人化しやすいです。
数式を理解している人が欠勤すれば更新作業や、万が一数式を消した際の対処ができないでしょう。
属人化は効率化を妨げる大きな要因となるため、効率化を目指すならエクセルでの施工管理は適しません。
エクセルのデメリットを解決したいなら、施工管理システムの導入がおすすめです。
施工管理システムについては以下の記事で解説しています。
まとめ
エクセルでは書類作成に便利なソフトで、テンプレートを利用すれば簡単に施工管理書類を作成できます。
コストを抑えて施工管理を始めたいなら、テンプレートを使って書類作成に取り組んでみましょう。
ただし、自社の事務作業を効率化したいと考えている場合は、エクセルの機能では不十分かもしれません。
そのような方は施工管理システムを利用することがおすすめです。
施工管理システムなら情報の一元管理や入力時チェック、外部からの閲覧も可能になり、全体の業務を効率化できます。
どのような施工管理システムが良いか迷っている方もいるでしょう。
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導入実績2,700社超の業界No.1基幹システムで、国交省「第一回 長期優良住宅先導的モデル事業」に採択されています。
エクセルのような操作感で、レイアウトもマウスで変更できるため、ITが苦手な方でも簡単にお使いいただけます。
また、システムの導入後も徹底的なサポートを受けられるため、安心して運用できるでしょう。
大手・中堅企業様から一人親方様まで規模感を問わず、業務状況に合わせて様々な場面でご利用いただけます。