工務店経営者の中には、他社住宅の粗利率はどの程度なのか疑問に思う方もいるでしょう
また平均の粗利率よりも自社の粗利率が低ければ、どのようにして洗うを改善させればいいか悩む方もいると思います。
本記事では、住宅の粗利と粗利益の計算方法、粗利率を向上させる5つの方法について解説します。
住宅会社・工務店経営者の方は、参考にしてください。
目次
住宅会社・工務店・ハウスメーカー・建設業の粗利率
住宅の利益率といっても会社の規模によって、平均が大きく異なります。
ここでは以下3つの視点から住宅の粗利率を紹介します。
住宅会社・工務店
住宅会社・工務店の粗利率は25%前後といわれています。
そのため経営者の多くは、粗利率25%が最低限利益を確保できる水準と考える方が多いです。
もちろん会社によっては、低い粗利率でも必要な利益額を確保しています。
販売頭数が増やす・仕入れルートを最適化するなど、会社によって戦略はさまざまです。
ハウスメーカー
ハウスメーカーの粗利率は、会社の戦略によって大きく異なります。
- 大手ハウスメーカー:約25%
- ローコストのハウスメーカー:約25%
- 超ローコストのハウスメーカー:約15〜20%
ただし大手ハウスメーカーは、住宅以外にもマンション・リフォーム・土木工事など幅広く手掛けているため、粗利率は参考として考えてください。
建設業界
建設業界の粗利率は「一般社団法人建設業情報管理センター」の調査によると、20%前後です。
加えて大手ほど粗利率が高く、規模が小さくなるほど粗利率が低くなります。
規模が小さい会社だけに絞ると、粗利率は10%まで低下します。
粗利率の計算方法
粗利率の計算式は「粗利率=粗利÷完成工事高」です。
粗利とは売上高から講師にかかった原価を引いて求められる利益です。
つまり完成工事高から工事原価を差し引くと、利益がわかります。
工事原価とは、竣工時期と現場管理費を合計した費用です。
そのため経理・事務など間接部門の経費は工事原価に含みません。
粗利率を改善できる5つの方法
住宅会社や工務店の経営者の中には、どうすれば粗利率が改善するのか悩んでいる方もいるでしょう。
粗利率の改善方法に悩んでいる方に向けて、5つの方法を紹介します。
全て導入するのは難しいかもしれませんが、どれか一つでも試してください。
仕入れルートを見直す
仕入れルートの見直しをおこないましょう。
具体的には、仲介業者を挟まずに材料や職人の手配が行えるルートを構築してください。
協力業者の中には、利益を数パーセント上乗せしただけで工事を業者に丸投げしている会社もあります。
間に入って何もしていない業者がいると、仕入れ金額が高くなるだけでメリットはありません。
そのため仕入れルートの見直しにより、適切な金額で材料を仕入れられるようになり原価を下げられるでしょう。
また近年の建設業界は、多重下請け構造をなくす動きが強まっています。
理由は工事に参加しない業者が間に入ると、元請業者の管理が複雑になるからです。
さらに下請け業者に適切な報酬が、行き渡らない理由もあります。
固定費を削減する
最も簡単におこなえる方法が、固定費の削減です。
つまり不要な経費を削減しましょう。
- 読んでいない新聞・雑誌
- 使用していないシステム・ツール
- 節税目的の保険
上記の費用な月々の支払いは少額ですが、年間を通すと大きな金額です。
例えば、雑誌の購読に月々3,000円支払っていると、年間で36,000円の出費になります。
現場ごとに固定費発生していれば、それだけでばかりできない金額が毎月出ていきます。
どこから手をつければいいかわからない方は、まず不要な経費を洗い出し、固定費を削減しましょう。
人件費を削減する
人件費の削減も検討しましょう。
ここで説明する人件費の削減とは、基本給の引き下げやボーナスカットではありません。
削減する人件費の対象は、長時間労働による残業代や休日出勤手当です。
残業代や休日出勤手当は、定時内に業務が終われば支払う必要がありません。
業務の効率が悪く定時内で業務が終わらないため、上記の費用が発生しています。
しかし「業務量が多くて定時内では、決して終わらない」と考える経営者もいるでしょう。
そのような方は業務効率化ツールの導入をおすすめします。
業務効率化ツールは、住宅会社や工務店業務を効率化するための機能が備わっているシステムです。
機能が豊富なシステムは、費用が掛かってしまうこともあります。
ですが、導入に掛かる費用よりも削減できる人件費の方が大きければ、導入するメリットは十分にあるでしょう。
おすすめの業務効率化システムは、工事管理・業務効率化システムの10社比較記事を参考にしてください。
差別化を図る
他社との差別化を図りましょう。
差別化には、大きく以下の3つがあります。
- 商品の差別化
- サービスの差別化
- 営業方法の差別化
商品差別化
例えば、商品差別化とは以下のことを指します。
- 省エネ住宅
- 介護のしやすい住宅
- 災害に強い住宅
- メンテナンスに手間のかからない住宅
- デザイン性の高い
特に省エネ住宅は、脱炭素流れから政府も後押ししています。
自社の得意分野を分析して、商品の差別化戦略を考えてください。
サービスの差別化
サービスの差別化には「商品引き渡しまでのサービス」「引渡し後のアフターメンテナンス」があります。
例えば商品を引き渡すまでのサービスとは、以下が該当します。
- VRによるプレゼン
- 初回見積りと最終見積りの金額差をなくす
- 円滑な報・連・相
VRによるプレゼントでは、着工前に住宅をイメージさせられ、顧客の購買意欲を刺激可能です。
見積りの金額差をなくすことで、顧客からの信頼が得られます。
信頼を得られれば、多少他社よりも高い金額での受注もできるかもしれません。
円滑な報・連・相とは、顧客がストレスを感じないコミュニケーションです。
顧客が不満を感じないコミュニケーションがおこなえると、顧客からの信頼が得られます。
また住宅を長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが必須です。
定期メンテナンスを含んだ契約にすると、顧客は長期にわたって安心して理想のマイホームに住み続けられます。
営業方法の差別化
営業方法の差別化とは、訪問販売・展示会集客以外の販売方法です。
例えば、SNS運用・YouTube参入・自社メディア運用が該当します。
近年顧客は、SNSでの情報収集を積極的におこないます。
Instagramではマイホームのイメージ、Twitterでは工務店の選び方や失敗しない住宅の選び方、といった使い分けも珍しくありません。
積極的に情報発信をおこなえば、自社の認知度向上・ブランディングが可能です。
認知度が高まれば、多少他社より高くても「あなたの会社でマイホームを建てたい」と考える顧客もも出てくるため、単価を上げられます。
価格を上げる
先日した差別化戦略により、住宅の値上げも検討しましょう。
ただし単に値上げするだけでは顧客から受け入れられる可能性は低いです。
そのため上記の戦略を参考に、顧客が納得する形で価格を上げていきましょう
まとめ
本記事では、住宅の粗利と粗利益の計算方法、粗利率を向上させる5つの方法について解説しました。
住宅会社・工務店の粗利率は25%といわれています。
粗利率の計算式は「粗利率=粗利÷完成工事高」です。
また粗利率の改善方法で「どれを試していいかわからない」と悩む方は、業務効率化システムを導入して人件費の削減に取り組んでください。
長時間労働を削減すれば、工事原価が落ちるだけでなく、従業員満足度が向上し離職率も低下させられるでしょう。
しかし「どのシステムを選べばいいか分からない」と悩む方もいると思います。
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