働き方改革や新型コロナウイルスに対応するために、テレワークを導入する企業は増えています。
工務店においてテレワークを導入するには、業務内容の確認、環境の整備、補助金の導入をおすすめします。
この記事では、工務店がテレワークを導入すべき理由や注意点、さらにはテレワークで利用できるツールと補助金について解説します。
目次
【建設業】テレワークの必要性
産業別に見ると、工務店をはじめとした建設業におけるテレワークの導入状況は決して高くはありません。
導入状況こそ低くなっていますが、建設業におけるテレワーク導入の必要性は非常に高いといえます。ここでは以下の点を取り上げて、建設業におけるテレワークの必要性を解説します。
新型コロナウイルスへの対応
テレワークの導入は、2020年から流行が続く新型コロナウイルスの感染対策に有効です。
感染リスクを抑えながら事業を継続することにテレワークは欠かせません。
社内で感染が広がると、業務の進行が遅れるだけでなく、工事の受注に影響する可能性もあるでしょう。このような事態を避けるためにも、テレワークの導入が必要だといえます。
建設業の働き方改革
テレワークは、建設業界の働き方改革を進めるうえでも重要です。働き方改革とは、一人ひとりが柔軟な働き方を選べる社会の実現を目指した取り組みのことです。
建設業は、生産年齢人口の減少、団塊世代の大量退職などにより、今後人手不足に陥るとされています。そのような状況でありながら、賃金水準が低く、長時間労働が常態化しています。このような状況を改善するには、労働力を増やすことと生産性を上げることが重要です。
テレワークを導入すれば、働き方の幅が広がるため、これまで建設業への就労が選択肢になかった人が求人に応募してくるかもしれません。
また、テレワークは業務ルールの徹底やITツールの導入など工夫をすれば生産性を向上できるため、長時間労働の是正に繋がる可能性があります。
詳しくは、働き方改革について解説している記事をご覧ください。
【建設業】テレワークを導入すべき理由と注意点
建設業がテレワークを導入すべき理由は多岐に渡ります。
また、導入にあたってはいくつかの点に注意しなければなりません。
ここでは、以下の点を取り上げてテレワークを導入すべき理由と注意点について解説します。
人材獲得
ワークライフバランスの実現や家庭の事情により働きに出られない人にとって、自宅や好きな場所で働けるテレワークは魅力的でしょう。
テレワークを導入することで、上記のような新たな層の人材を獲得できます。
さらに、テレワーク導入により働きやすい環境が整備されれば、既存の従業員の離職防止にもつながります。
業務改善
テレワーク導入にあたっては、業務の洗い出しや業務プロセスの確認を行う必要があるため、結果的に業務改善につながるでしょう。
また、テレワークは基本的にICTを活用します。業務のデジタル化が進み、業務効率化の実現も期待できるでしょう。
コスト削減
テレワークの導入は、企業のコスト削減につながります。テレワークにより従業員の通勤がなくなれば、通勤費を削減できます。
また、オフィスに出社する人が減れば、光熱費も抑えられるでしょう。
このように、テレワークを行うことで、結果的にコスト削減が可能となります。
テレワーク導入までに手間がかかる
テレワーク導入にあたってはルールの整備や機器の準備などが必要となるため、手間がかかります。
例えば、下記のようなことが挙げられます。
- テレワークを行う際の勤務時間を管理するためのルール決め
- 従業員に持たせるパソコン
- 各種機器の準備および機器の使い方のレクチャー
テレワークを導入する場合、すぐに導入できるわけではないという点に注意する必要があります。
セキュリティ対策が必要
インターネットのセキュリティ対策を行う必要があります。
具体的には、テレワークに使用するパソコンのセキュリティソフトの導入やウイルス感染対策、不正アクセスの防止などです。
セキュリティ対策が不十分だと、情報漏洩・消失、作業中断などのトラブルにつながりかねないため注意が必要です。
勤務状況の把握が難しい
テレワークは管理者の目が届かないため、従業員の勤務状況が把握しにくくなります。
従業員が「業務を行っている」と申告しているものの、実際には業務を怠っている事態も発生しかねません。
テレワーク導入にあたっては、業務ログシステムやログ管理ツールなどを利用して従業員の勤務状況を適切に把握しましょう。
【建設業】テレワーク導入ポイント
テレワークは以下のポイントを押さえることで、スムーズな導入が可能です。
業務内容の確認
工務店のすべての業務がテレワーク化できるわけではありません。テレワーク導入にあたっては、業務内容の確認が必要です。
どの業務ならテレワークで対応できるのか、逆にどの業務は不可能なのか、各業務を一覧表にまとめるなどして確認しましょう。
環境の整備
テレワーク実施にあたっては、環境の整備も欠かせません。
例えば、どのパソコンをどの従業員が持ち出しているのかを把握できるように備品管理表を作成するなどです。
また、企業によっては全従業員が個別のメールアドレスを所有していないケースもあります。そのような場合は連絡用の個別メールアドレスを用意する必要もあるでしょう。
建設業のテレワークで活用できるツール
テレワークの導入にあたっては各種ツールの利用がおすすめです。
例えば、従業員間で業務の相談や進捗状況の報告を行う場合は、ビジネスチャットの利用です。メールのようにかしこまって作成する必要がなく、LINEのような感覚で気軽にやり取りできるため、コミュニケーションがスムーズになります。
また、部署や業務単位でグループを作成し、やり取りやファイルの共有などを行うことも可能です。
さらに、業務管理システムの導入も検討してください。業務管理システムは、工程表の作成や、顧客管理、請求・入金の確認、日報の作成など、普段の業務で必要な作業を1つのソフトやアプリで行えます。建設業向けの商品もあるため、さらなる業務効率化にもつなげられるでしょう。
詳しくは、工事管理・業務効率化システムについて解説している記事をご覧ください。
補助金の活用
テレワークは、導入にあたってのコストが発生するほか、導入の手間がかかります。
そのため、補助金や各種支援制度の利用がおすすめです。
例えば「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者等がITツールを導入する際の費用を一部補助してくれる制度です。補助金や補助率は補助の種類によって異なりますが、いずれも企業にとって大きな助けとなるでしょう。
ほかにも、「テレワークマネージャー相談事業」の利用がおすすめです。
テレワーク全般についての情報提供や導入支援、相談などを行っている事業であり、専門家のコンサルティングが無料で受けられます。
まとめ
今回は、工務店におけるテレワークの必要性からテレワーク導入時のポイントや注意点などについて解説しました。
テレワークは、新型コロナウイルスにおける対応はもちろん、働き方改革推進のためにも欠かせません。
導入にあたっては、業務の整理や機器の準備などやるべきことも多く、コストもかかるため必要に応じて各種支援制度を利用するなどしてください。