V2Hを設置したいと考えている施主から、施工方法について質問されて困った経験はありませんか?
実際の施工は専門業者によっておこなわれるため、工務店では施工方法を把握していないこともあるでしょう。
この記事ではV2Hを設置する流れや施工方法、施工期間を左右する要素について説明します。
目次
V2Hを設置する流れ
V2Hの設置工事の流れを紹介します。
施主からV2Hの施工方法について聞かれた際に、スムーズに流れを説明できるように工務店担当の方も把握しておきましょう。
V2H設置の問い合わせ
まずは施主からV2H設置についての問い合わせが入ります。
問い合わせの内容に応じて、適切なV2H設備や設置方法について説明、納得いただいたうえで現地調査へ移行します。
現地調査を実施
V2H施工前に現地調査を実施します。
現地調査とはV2Hを設置する場所を調べて、分電盤をどこに設置するか、メインブレーカーとの距離などを調べる工程です。
また、V2H機器を設置する予定場所の水はけが悪くないかなど、設置自体に問題がないかを調べます。
設置工事
現地調査の結果、V2Hの設置に問題がないと判断されれば設置工事をおこないます。
V2H設置工事の所要時間は1日で、専門スタッフが基盤などの設置から施工を実施します。
引き渡し
V2Hの設置工事が完了したあとに、施主に引き渡しがおこなわれます。
引き渡しではV2Hが正常に確認するか一緒に確認してもらい、操作方法の説明などをおこないます。
V2Hの設置工事の目安は申し込みから1ヶ月程度です。
1ヶ月の間に現地調査や補助金の申請なども実施されます。
V2Hの施工方法
V2Hの施工方法について、詳細に解説します。
施主から施工工事の詳細を聞かれた際に、工務店側で内容を把握しておらず回答できない場合もあるはずです。
施工方法について質問された場合に備えて、基本的な施工方法についても知識をつけておくと良いでしょう。
太陽光発電設備の工事
V2Hと太陽光発電設備を併用する場合はまず、太陽光発電設備の工事を先におこないます。
専門業者が屋根の上にのぼり、ビスを打ち込んで架台の基礎を作成。
その後、太陽光パネルを架台へ設置して固定し、その際にコネクタ(接続端子)などの設定も実施します。
同時並行で屋内の電気設備工事を実施し、最終的にパネルとコントロールパネルの正常作動が完了すれば作業完了です。
各種配線の工事
V2H機器の施工ではまず、各種配線工事を実施します。
V2H機器本体から電力切替盤を経由し、分電盤への配線が必要になるためです。
必要な場合は専門業者が屋根の上などへ入り、配線工事を実施します。
ブレーカー設置
次にブレーカーを設置します。
ブレーカーとは電流が流れ過ぎた際に抑制する働きを持つ機器です。
V2Hを利用する際に電力が規定量以上に流れる場合があるため、既存のブレーカーではなく、新しくブレーカーを設置します。
V2H機器の設置工事
ブレーカーの設置が終わったら、V2H機器本体の設置工事です。
V2H本体を水はけが悪い場所へ設置する場合は、コンクリートで高さを出す基礎工事が必要な場合があります。
まずはV2H機器を設置する土台を地盤に固定し、その後本体と接続、固定します。
機器の接続
V2H本体の設置工事が完了したら、機器の接続をおこないます。
V2H機器本体と分電盤、電気自動車の充電機器との配線作業です。
実際にV2Hを使用した際に漏電や電流の逆流が起こらないよう、細心の注意を払って実施される施工です。
コントローラーアプリの設定
配線工事が完了したら、V2Hのコントローラーアプリを設置します。
V2Hと自宅の無線LANと接続し、コントローラーアプリでV2Hを操作できるようにするためです。
正しくアプリとV2Hが同期され、アプリからV2Hを操作できるか確認します。
動作確認
最後にV2Hを実際に動かしてみて、動作に問題がないかチェックします。
動作確認が終わったら、施主に操作方法や注意点を伝えて施工は完了です。
V2Hの施工にかかる期間が決まる要素
V2Hの施工にかかる期間はおおよそ1ヶ月ですが、さまざまな要素により施工期間が長引く可能性があります。
以下2つの要素により施工期間が変動する旨も、あわせて施主へ伝えましょう。
太陽光発電との併用
V2Hと太陽光発電を併用する場合は、施工期間はおおよそ1ヶ月(申し込みから)です。
しかし、太陽光発電と併用する場合は太陽光発電設置に関する現地調査も必要になるため、施工期間は2〜3ヶ月程度かかる可能性があります。
太陽光発電は立地条件により発電量が変わるため、場合によっては設置できないリスクがある点も施主に伝えておきましょう。
施工期間は長くなりますが、V2Hのメリットを享受するには太陽光発電設備の併用がおすすめです。
太陽光発電とV2Hを併用するメリットについては、以下の記事で解説しています。
設置場所の立地
V2Hを設置する場所によっては、施工期間が1ヶ月以上になる可能性があります。
立地によってV2H機器を設置するのに適していない、または危険と判断される場合があるためです。
たとえば、V2H設置場所の水はけが悪く漏電のリスクがある場合には、コンクリート基礎を入れて土台を作る必要があります。
その場合は土台を作るのに数日〜数週間必要なため、すぐにV2H本体を設置できません。
そのほか、現地調査で分電盤からの距離が長すぎると判断された場合などには、別途配線工事などが必要になる場合があります。
V2Hの施工方法についてのQ&A
V2Hの施工方法についてよくある質問を2つまとめました。
施主から工務店の営業担当に質問が入る可能性が高いため、事前に回答を用意しておくと施主からの信頼度向上につながります。
V2Hの施工費用を抑える方法はありますか?
V2Hの施工費用は、一般的に30〜40万円です。
ただし、立地場所によってコンクリートで土台を作る場合や、配線が長くなる場合はさらに料金が加算される可能性があります。
V2Hの施工費用を抑えるには、補助金の利用が有効です。
V2H設備の補助金利用により、V2H機器本体だけでなく施工費用の一部を補助金でまかなえます。
V2Hは後付けでも設置可能ですか?
太陽光発電をすでに設置してある場合、後付けでV2Hを設置することは可能です。
ただし、既存の太陽光パネルやパワーコンディショナーとの互換性がなく後付けが難しい場合があります。
設置業者へ問い合わせする際に、今使っている太陽光発電システムについて伝えて、後付けが可能か確認するよう伝えてください。
まとめ
V2Hの施工方法は、配線工事のあとに本体を設置する流れです。
所要時間は1日程度ですが、事前の現地調査や補助金申請などを考えると申し込みから1ヶ月程度は時間がかかります。
また、施工方法は太陽光発電設備の有無や自宅の分電盤の位置によっても変わることを、施主に伝えておきましょう。
V2Hの施工方法まで営業担当が把握しておくことで、施主も高額なV2H機器を安心して設置できるはずです。
また、V2Hや太陽光発電設備を設置できる会社をお探しの担当者の方もいるでしょう。
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