契約書管理は自社機密情報を保護するうえでも非常に重要です。
しかし、紙媒体での契約書が非常に多い建設業では契約書管理業務だけでも膨大な時間がかかり、業務効率に悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では契約書管理システムの概要や必要な機能、おすすめの契約書管理システムを3つ紹介します。
目次
契約書管理システムとは
契約書管理システムとは、契約書を電子化し一元管理するためのシステムです。
建設業では工事請負契約書を含めて多数の契約書を管理しなければなりませんが、その多くが紙媒体です。
紙媒体での管理はコストがかかるうえ、ミスや電子契約へ移行する業界の流れにもそっていません。
契約書管理システムが必要な理由
契約書管理システムを建設業でも導入する必要がある理由は以下の4つです。
業務効率化
建設業で契約書管理システムが必要な理由は、業務効率化のためです。
紙の契約書を管理し、必要な際にファイルから探し出す作業は膨大な時間を要します。
また、契約書の改訂作業をする際にも人手に頼る必要があるなど、業務効率が悪いです。
建設業における契約書管理を効率化するためには、データ化して簡単に検索できるデータベースへの保管が欠かせません。
管理コストの削減
契約書をスキャンしてPDFにすれば、キャビネットやファイリングは必要なく、自動的にデータベースへ保管できます。
紙の契約書を管理するためには、鍵付きキャビネットやファイルが必要です。
また、契約書を保管する人的コストも必要となります。
建設業における繁忙期には、契約書の取りまとめだけで1日がかりになることも。
管理・人的コストを削減するためには、契約書を電子化する方法が有効です。
建設業法改正による電子契約への移行
2001年の建設業法の改正(建設業法第19条)により、電子契約が有効とされました。
電子契約で締結できる契約書の種類は以下のとおりです。
- 建設工事請負契約書
- 賃貸借契約書
- 売買契約書
- 発注書・発注請書
以上の書面を電子契約化できますが、一定の要件を満たす必要がある点にも注意しましょう。
- 事前に契約締結相手と合意を得ること
- 見読性・原本性・本人性を満たすこと
契約書の発行方法について相手方と合意を取ることはもちろん、いつでも契約書の内容を確認でき、尚且つ改ざんできないように対応が必要です。
また、契約書へサインしている人物(法人)が本人だと証明するための技術的要件も満たさなければなりません。
建設業における電子化の動きについては、以下の記事で解説しています。
コンプライアンス強化
契約書を電子管理することで、コンプライアンスも強化できます。
契約書は自社資産と同等の価値があり、重要書類のため決して流出や漏洩があってはならない書類です。
しかし、紙媒体で契約書を管理している場合は紛失や火災による焼失など、契約書がなくなるリスクがあります。
また、契約書を紙媒体で管理していると、ある程度自由なアクセスが可能であり、改ざんリスクも0ではありません。
契約書を電子化すればシステムデータベースへ契約書が保存されるため、消失リスクはほぼなくなるでしょう。
また、契約書へアクセスしたログなども記録されるため、改ざんリスクもなくなります。
契約書管理システムの5つの機能
建設業者が契約書管理システムを選ぶ際に着目すべき5つの機能を紹介します。
契約書締結
契約書管理システムは契約書を単純に管理するだけの製品と、契約書の作成や締結がシステム上でできる製品にわかれます。
工務店などの建設業には、契約書作成からシステム上でできるシステムがおすすめです。
契約書を作成して出力し、先方へ郵送で送付することも、電子契約で締結することも可能です。
管理台帳の自動作成
紙の契約書をPDF化して取り込んだ際に、自動的に管理台帳を作成する機能も必要です。
契約者情報や締結日などの情報を拾って自動的に名付けし、データベースにするため管理台帳作成の手間が省けます。
契約書検索
過去の契約書を参考する場合に備えて、契約書検索機能が搭載された契約書管理システムを選びましょう。
原則として建設業で電子契約を結ぶには、契約書検索機能が搭載されたシステムを選ぶ必要があります。
簡単に過去の契約書を参照できる契約書管理システムを選びましょう。
OCR
建設業は膨大な契約書を管理する必要があるため、OCR機能があると便利です。
OCRとは書類をスキャン・撮影したデータをアップロードすると、自動でテキストを読み取りデジタルデータに変換する機能です。
OCRがついているシステムであれば、契約書情報をシステムに打ち込む手間を減らせます。
閲覧権限の制限
契約書は機密書類であるため、誰でも契約書を閲覧・ダウンロードできる状態にしておくとリスクがあります。
また、社内でも部署ごとに使用する契約書が異なるため、全ての契約書をオープンにしておくと個人情報漏洩のリスクがあるでしょう。
機密書類はダウンロード制限をかけたり、別部門の人員には契約書の閲覧制限をかけるなど、柔軟な設定が可能なシステムを選んでください。
【2024年最新】建設業向け契約書管理システム3選
建設業向けの契約書管理システムを3つ紹介します。
製品名 | AnyONE | ANDPAD施工管理 | 建て役者 |
評価 | (4.5 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) |
補助金・助成金 | 2023年対応 | 2023年対応 | 2023年対応 |
料金 | お問い合わせ | お問い合わせ | ・初期費用3万円~58万円 ・プラン料金4,000円~80,000円 |
デモ | 無料体験デモ | 掲載なし | デモサイト無料体験 |
基本機能数 | 8 | 7 | 10 |
スマホアプリ | あり | あり | なし (iPadでの使用は可能) |
他ソフトとの連携 | あり (エクセルやCSV形式データの引き継ぎも可能) | なし | 可能 |
オプション カスタマイズ | ・各種帳票カスタマイズ ・エクセル修正レクチャー | 他11製品(機能)あり | ・5機能カスタマイズ可能 ・オプション7機能 |
アフターサポート | ・無料ヘルプデスク ・バージョンアップ(自動配信) ・オンライン打ち合わせ ・追加講習 | ・カスタマーサクセス ・スタマーサポート | ・電話/メール/FAXにて操作方法の案内あり |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
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※掲載に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
AnyONE
AnyONEは契約書の作成と管理をひとつのシステムでできる建設業向けシステムです。
工事登録情報と見積もり画面からの工事請負契約書の出力が可能で、入力したデータから自動的に契約書を作成できます。
そのほか見積もりの管理はもちろん、顧客管理や入出金管理、アフター管理など幅広い機能を利用でき、工務店の業務をひとつのシステムで管理可能です。
使用感はエクセルに似ており、操作性も良いため新しくシステムを導入する際に現場に混乱が起きづらいです。
万が一操作方法がわからない際は、充実したサポートも利用できます。
契約書の作成はもちろん、工務店の業務をひとつのシステムに一元化したいならぜひ導入しましょう。
詳しくは、AnyONEの機能や特徴、口コミ・評判を解説している記事をご確認ください。
ANDPAD
ANDPADは、建設業界のDX化推進の動きでシェアが増えているシステムです。
契約書の管理も可能となっており、電子契約にも対応しています。
建設業法などの関連法令を遵守し、取り込んだデータに電子署名やタイムスタンプを付与できるため、契約書管理に適したシステムです。
契約書管理以外には施工管理、図面の管理、チャット機能など施工に役立つ機能が搭載されています。
より詳細に知りたい方は、ANDPADの口コミや機能、料金を解説した記事をご覧ください。
建て役者
建て役者は契約書管理はもちろん、見積もりや原価管理、発注管理など経営部門の業務まで一元管理できるシステムです。
承認済みの見積もりデータをもとに契約書を作成し、さらに契約書発行されたデータを工事部門に自動表示させるなど、スムーズに部署間連携が可能。
さらにEDIオプションへ加入すれば、取引先との電子契約が可能になる機能も搭載しています。
詳しくは建て役者の機能や口コミ、費用についてまとめた記事も参考にしてください。
まとめ
契約書管理システムは工事請負契約書をはじめとし、さまざまな契約書を使用する建設業には必須のシステムです。
紙媒体の契約書管理はコンプライアンス面でのリスクも高いうえ、今後電子契約に業界全体が切り替わった際に対応が困難となります。
契約書管理業務を効率化するなら、契約管理のみではなく全てのデータを一元管理できるシステムの導入がおすすめです。
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