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LVLとはどのような建材?特徴やメリットデメリットについて解説

LVLとは「Laminated Veneer Lumber」の略称で、単板を繊維方向に対して垂直に積層して作られる建材です。

LVLは、品質が高く生産効率も良いことに加え、気密性が高いため省エネ住宅が望まれている現代で、注目されている建材です。

本記事ではLVLの基本情報やメリット・デメリットについて解説します。

LVLについて知らない工務店経営者や関係者は、参考にしてください。

本記事は下記のような方におすすめです
  • LVLについて 知りたい
  • CLTとの違いを知りたい
  • LVLのメリット・デメリットを知りたい

LVLとは

LVLとは

LVLとは、単板積層材のことで正式名称を「Laminated Veneer Lumber」と言います。

ここではLVLについて詳しく理解するため以下の3つを解説します。

LVLとは
  • LVLの基本情報
  • LVLの用途
  • CLTとの違い

LVLの基本情報

LVLとは「Laminated Veneer Lumber」の略称で、日本語では単板積層材と言います。

厚さ約2mm〜4mmの単位板を数層〜数十層に重ねて作成します。

さらに積層する木材の含水率はあらかじめ下げられているため、木材の乾燥による反りや割れなどの不具合が起きないことがメリットです。

また複数の単位板を組み合わせて作るため、木材の個体によるばらつきがなく安定した品質・強度を確保できます。

LVLの用途

建設業界でLVLは、優れた強度を活かすために軸材や骨組み材として用いられています。

また造作用のLVLあり、間仕切り材・野縁・胴縁といった用途でも使われます。

さらに建築業界以外では、下記のことでも用いられています。

LVLの用途

LVLは上記をはじめとした幅広い用途で活用されており、大きな可能性を秘めている建材です。

CLTとの違い

LVLとCLTの主な違いは作り方にあります。

LVLは、単板の繊維方向を平行にして積層します。
一方でCLTは、引板の繊維方向が直交するような形で作られるのが違いです。

LVLは、大きさを自由に設定でき自動化により生産性が高いことが特徴と言えるでしょう。

しかし加工性が高くないため、柱や梁といった部分に使われるケースが多いです。

CLTは、自由にデザインできることと、施工性が高いため工期の短縮が可能なことがメリットです。
ただし、日本ではまだLVLほど普及していないため、生産コストが高くなってしまうことが難点といえます。

CLTについて詳しく知りたい方は、CLTのメリットと特徴について解説した記事をご確認ください。

CLTとは?森林資源の有効活用につながる資材について解説

LVLの3つの特徴

LVLの3つの特徴

LVLの特徴を以下3つ解説します。

LVLの3つの特徴
  • 寸法安定性がある
  • 品質が安定している
  • 薬剤が染み込みやすい

寸法安定性がある

LVLは乾燥させた単位板を積層させて作るため、木材の呼吸による反りや収縮が少なく、寸法安定性に優れています。

寸法安定性が優れていると、天井や壁の歪みが少なくなるため、引き渡し後のクレームを減らす効果があります。

品質が安定している

LVLは複数の単板を積層して作るため、木材の節が分散されており、が安定していることも魅力です。

また乾燥させた単板を使うため、木材の呼吸による膨張・収縮がなく、製品ごとのばらつきが少ないです。

薬剤が染み込みやすい

他の製品と比べ、薬剤が染み込みやすいことも特徴です。

薬剤が締め込みやすいと以下の処理が簡単におこなえます。

薬剤が染み込みやすいことのメリット
  • 防腐
  • 防虫
  • 防蟻
  • 難燃

薬剤が染み込みやすいと、土台や柱など建物の構造関わる部分に安心して使用できます。

薬剤の染み込みが中途半端だと、腐ったり虫に食べられたりするといったデメリットがあり、土台や柱に安心して使うことができません。

その点LVLは、薬剤の注入方法が確立されているため構造部分にも安心して使うことができます。

LVLのメリット・デメリット

LVLのメリットとデメリットを下記の表にまとめました。

メリット
デメリット
  • 材料の質が一定で出来栄えに差が生まれにくい
  • 気密性に優れている
  • 使われてから歴史が浅い
  • シロアリに弱いという説もある

メリット

特徴でも解説しましたが、LVLは材料の質が一定のため出来栄えに差が生まれにくいことがメリットです。

LVLは木材特有の呼吸によって発生する膨張や収縮が起こりにくいため、反りや割れが発生せず、品質が安定しています。

また製造工程が研究されており自動化によって、生産効率が高いこともデメリットです。

加えてLVLは気密性に優れていることも見逃せません。

LVLは製造工程で乾燥させているため含水率が低く、長期にわたって気密性を維持します。

LVLを採用している工務店の中には、省エネ法で定められている省エネルギー基準の一次エネルギー消費量のマイナス10%を超える省エネ性能を実現しています。

低炭素化が叫ばれている建設業界に適した、地球に優しい素材がLVLです。

デメリット

LVLのデメリットは使われてからの歴史が浅いことです。

LVLが使用されたのは日本ではおよそ70年前、欧米では100年前と言われています

そのためLVLの耐久性が、長期間にわたって維持されるのかは分かりません。

70年以上に親・子・孫の3代に渡って住み続けたいと考えている方には、LVLは適さない可能性があります。

またLVLはシロアリに弱いという説もあります。

ただLVLは薬剤が染み込みやすいため、防蟻対策はしっかりおこなえるため、シロアリに対して過度の心配する必要はないでしょう。

まとめ

本記事では、LVLの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。

LVLは、単板の繊維方向を直角に積層して作られる建材です。

正式名称を「Laminated Veneer Lumber」といい、日本語では単板積層材と呼びます。

LVLの特徴やメリットは以下の3つです。

LVLの特徴
  • 寸法安定性がある
  • 品質が安定している
  • 薬剤が染み込みやすい

寸法・品質が安定しており薬剤が染み込みやすいため、土台・柱・造作材などをあらゆる場所に使われています。

さらに気密性にも優れているため、今後は今以上にLVLの需要が高まることが予想されています。